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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第15回 スズキ・チョイノリ(2003)
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- 2016.11.19
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、名前もコンセプトも斬新な?「スズキ・チョイノリ」のご紹介です。
■スズキ・チョイノリ 4ストローク 空冷OHV単気筒49cc
■最高出力:2.0ps/5,500rpm ■最大トルク:0.30kg-m/3,500rpm
バイクやクルマには「ものすごく豪華なもの」がある一方、
「ものすごく簡素なもの」も存在します。
スズキが2003年に発売した原付「チョイノリ」は、
後者の「簡素なバイク」の筆頭かもしれません。
車名はまさに「ちょい乗り」から。
近所の買い物やアシに使う以上のことは設計にも要求していない、
ある意味とっても潔いバイクです。
生産工程自体の省略といった設計段階からのコスト削減は当然のこと、
エンジンも汎用機の流用だったり、
ボディは塗装ではなくてプラの成形色だったり、
リアサスペンションすら無い!という割り切りっぷり。
車重は驚きのたった39kg!
その結果、日本国内製造で59,800円という極めつけの低価格を実現。
21世紀の商品とは思えないほどの簡素さと低価格が話題となりました。
ですが、チョイノリの販売は振るいませんでした。
理由は、簡単でした。
あまりにも簡素過ぎたのです、このバイク。
初期型では、樹脂が使用されたエンジンの耐久性にも問題があり、
2psというスペックも、さすがに非力過ぎでした。
チョイノリは排ガス規制の問題もあって2007年に生産が終わりましたが、
これから先、こんなに簡素なバイクは出てこないかと思いますので、
案外手元に置いておくと面白いかもしれません。