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【遠藤イヅルの名車カタログ】第21回 カワサキ・GPZ400R
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- 2017.02.18
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は「カワサキ・GPZ400」のご紹介です。
■カワサキ・GPZ400R ■エンジン:4ストローク水冷DOHC4バルブ直列4気筒
■最大出力:59PS / 12000rpm ■最大トルク:3.6kgf・m /10500rpm
1985年に登場した、カワサキ初の水冷エンジン搭載モデルが
「ニンジャ400」こと、GPZ400Rだ。
乗りやすいライディングポジション、当時の400ccクラスとしては大きな車体、
スムーズかつ中低速域でのパンチ力を備えたコントロールしやすいエンジン、
スーパースポーツとして完成された高い走行性能、斬新で洗練されたデザインから、
ライバルだったヤマハのFZ400R、スズキGSX-Rなどとの競争を勝ち抜き、
当時のベストセラーの座についた。
外観上の大きな特徴は、AL-X(アルミクロスフレーム)と呼ばれる
アルミ製角形断面のフレームで、ボディの中央でクロスするように見えるカラーリング、
フェアリングと一体化したようなデザインが新鮮だった。
エンジンまでをすっぽりと覆うフェアリングを持つバイクだが、
レーサーレプリカという性格ではなく、レーサーレプリカ全盛の時代と逆行するように
大柄で重厚感のあるモデルに仕上がっている。
カワサキというメーカーは、時おりこうして時代の流行に即さない
唯我独尊のバイクを出すのだが、それがヒット作になったり、
むしろ新しいジャンルを起こしたりすることがあるのが興味深い。
その後1987年には、このGPZ400Rのエンジンをブラッシュアップして搭載した
事実上の後継モデルGPX400Rがデビューしたが、斬新だったAL-Xフレームは姿を消し、
デザインも少々おとなしめになった。
そのため販売が継続されていたGPZ400Rにむしろ人気が集まり、
わずか1年ほどでカタログから落ちてしまった。
だが、GPX400Rに積まれていたエンジンは
GPZ400Rの最終型(D4)に搭載されることになり、
GPZ400Rも1989年まで命脈を保つこととなった。