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【遠藤イヅルの名車カタログ】第9回 ドゥカティ・750F1

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  • 2016.08.06

イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、ドゥカティの歴史を語る上で外せない名車「750F1」のご紹介です!

■ドゥカティ・750F1


世界のバイク好きを惹き付けてやまない、イタリア・ボローニャに本社を置く

名門バイクメーカー、ドゥカティ(DUCATI)。


戦後間もなくバイクの製造を開始した同社は、

早くも1950年代にはバイクレースへの参戦に挑戦していた。

ドゥカティの象徴「Lツインエンジン」も、1970年登場の750GTですでに搭載されていた。

なお、LツインエンジンはVツインなのだが、

搭載の向きで「L」に見えることからそう命名されている。


1970年代のドゥカティを代表するバイクが「MHR(マイク・ヘイルウッド・レプリカ)」だ。

マイク・ヘイルウッドとは、1978年のマン島TTレースでホンダを打ち破って

優勝した希有のライダーの名前である。


彼が乗ったマシンの公道仕様レプリカとして1979年に限定発売されたのが

900MHRだったが、あまりの人気にカタログモデルとなったほどだ。

MHRは最終的には1000ccまで拡大、1986年まで製造された。

生産台数も900MHRだけで6000台以上に達した。


そして1985年、MHRの後継としてドゥカティの旗艦を担うべく

「750 F1」が登場する。MHR同様、最高峰のバイクレース、

「TT F1」カテゴリーで強さを発揮したレーサーのレプリカだった。


1978年に登場した500SLパンタで採用された

新世代“パンタ”エンジンは750 F1にも採用された。

パンタエンジンはカムをそれまでのベベルギア駆動ではなく

コクドベルト駆動としたものだ。


ドゥカティの特徴といえば美しい鋼管フレームだが、

レーサーで使用された技術を市販車にフィードバックしたもので、

750 F1が初採用だった。


750 F1は2回の小変更を経て1988年まで製造され、

フラッフシップの座を851に後を譲ることとなった。


イタリアでは税制上350cc以下だと優遇されたために

350 F3が登場したほか、日本でも750 F1のエンジンを

免許制度に合わせて400ccとした400 F3が発売されて、人気を博した。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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