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【遠藤イヅルの名車カタログ】第4回スズキ・GSX750S KATANA(1982)

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  • 2016.05.30

イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、今なお熱烈なファンが多いカタナシリーズの中から「スズキ・GSX750S・刀」のご紹介です。

■スズキ GSX750S KATANA(カタナ)■エンジン:空冷直列4気筒DOHC747.cc

■最高出力:69ps/8500rpm 最大トルク:6.2kg-m/7000rpm


言わずと知れた名車のひとつ。

カタナ(刀)という名称がぴったりの先鋭的・前衛的なデザインは、

ドイツ人デザイナー、ハンス・ムートが在籍していたデザインオフィスによるもので、

最初のカタナ、GSX1100Sは1980年に西ドイツで同一のコンセプトを持っていた

GS650Gと同時に発表された。


コンセプトカーのようなその姿に、

「このまま市販されることはないだろう・・」という声も出たが、

翌1981年にはほぼそのままの姿を保ったまま

欧州市場で市販が開始され、

あっという間にベストセラーとなった。


当時日本国内で販売出来る国産バイクは、750ccが上限だったため、

1982年に追加された国内向けカタナは750ccのGSX750Sとなった。


だが、デザイン重視だったカタナのハンドルの位置が低く、

ステップが後ろに来るライディングポジションは特殊で、

国内で販売するにあたり問題となった。


そのためアップハンドルが装着され、

カタナのオリジナルデザインとのマッチングのおかしさもあって

「耕運機」というあだ名もついてしまった。


1983年に少々角度の変更が行われたものの、

オリジナルカタナのような低い位置にはならず、

1984年にリトラクタブルライトを備え、

オリジナルカタナとまったく違うデザインを持つ

新しいカタナにフルモデルチェンジされてしまうこととなった。


その後、国内向けは1991年にオリジナルカタナである

GSX1100Sの姿を忠実にコンパクト化した

250cc版のGSX250SSカタナを、

さらに1992年には400ccのカタナ、GSX400SSも登場。

雲の上の存在だったカタナが身近なものとなりヒット作になった。


そして国内の排気量上限が撤廃された1994年、

ついに1100ccのカタナが正規で日本で販売されることになったのち、

2000年で製造を終了。


人気があるモデルだったが、エミッション対応が難しいこと、

各種設計の古さが原因であった。

この頃250、400ccカタナも製造を終えている。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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