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【遠藤イヅルの名車カタログ】第8回 ヤマハ・SR500(1978)
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- 2016.07.24
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、ヤマハのロングセラーモデル「ヤマハ・SR500」のご紹介です。
■ヤマハ・SR500 空冷SOHC2バルブ単気筒
最大出力:32ps/6500rpm 最大トルク:3.7kgf・m/5500rpm
カウルでシャーシやエンジンを隠さない、バイクらしい姿が魅力的なネイキッドバイクは、
普遍的なスタイルのひとつとして、これからも各メーカーにラインナップされていくだろう。
現在発売されるネイキッドバイクの代表のひとつに、1978年から製造が続く
ヤマハ・SR400がある。生産をしていなかった時期も数年あったが、
その時期を含めれば発売以来38年、ほぼ不変で販売されていることは特筆に値する。
まさにバイクのスタンダードである。
これほどまで長い間販売が継続されているのは、
シンプルで飽きのこないデザインはもちろんのこと、単気筒エンジンがもたらす鼓動感、
扱いやすいエンジン特性、運転しやすいライディングポジション、軽快なハンドリング、
軽めの車重、400ccなのに乗るのがあまり億劫にならない精神的な「軽さ」などなど
枚挙に暇が無い。
一方、始動がいまだにキックだけだったり、単気筒エンジンの弊害として
振動が大きかったり、設計が古いため剛性感が無いなど欠点も多い。
工業製品である以上は、完成度は高く欠点も少ないほうが良いのだが、
それでも40年近い前のバイクが、それら欠点を含んだまま、しかもほぼ登場時の姿のままで
こうしてヤマハのカタログにラインナップされていることは驚きだし、素直に嬉しいと思うのだ。
今回はSR400ではなく、デビュー後にキャストホイールになった頃のSR500を絵におこした。
SR500はオフローダー・XT500の単気筒エンジンを流用したモデルである。
当時400ccオーバーで単気筒のロードバイクは存在しなかったが、
軽い単気筒エンジンがもたらすメリットは大きかった。
このエンジンのストロークを削って400ccに抑えたSR400も、
そのメリットの多くを引き継いでいる。
このメリットと「単気筒400cc」というオリジナリティが、
今なお続く長い寿命の原動力となっているといえよう。