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【一葉的バイクの小窓】vol.4 レンタルバイクで気ままに島探検
- おすすめコラム
- 2016.11.11
沖永良部島(おきのえらぶじま)は、鹿児島から飛行機で70分、面積93.8k㎡の隆起珊瑚礁の島。 レンタルバイクで島の風を満喫した。
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初レンタルバイクはホンダジョルノ
沖永良部島和泊港近くにあるバイク屋さん、谷山モータースで50ccのスクーターを借りた。
和泊港は、えらぶゆりの島空港から車で15分程。(タクシーだと2000円でおつりがくる)
店へ入り、スミマセンと大きな声で店の人を呼んだ。
しばらく待っていると、優しそうなおばちゃんが奥の方から顔を出した。
電話で予約をしていたと名前を告げると「あ~、はいはい」と対応してくれた。
おばちゃんは、グレーがかった髪を頭のてっぺんで小さなお団子、
11月だというのに半袖のワンピース姿。
おばちゃんの可愛いらしさと対応のゆるさが、いかにも島っぽい。
普段スクーターに乗っているかと聞かれたので、もう少し大きいのに乗っていると言った。
それなら大丈夫だと、ろくに説明もなく行ってらっしゃいと見送られた。
スクーターは教習所以来。
緊張していることを、悟られないように発進。
うん、全く問題ない。
すぐにアクセルの感覚に慣れた。
レンタルしたのは、ホンダジョルノ。茶色とクリーム色のあずきブラウン。
まるっこいフォルムが可愛らしい。
ヘルメットも貸してくれて半日たったの1000円。
一日まるまるレンタルしても2000円とのこと。
安いっ。
島をグルリと一周すると、1時間半ぐらいかかるらしいのだが、2時間しか余裕がなかった。
あまり遠くまで行かずに、気が向いたら止まってみることにした。
〒891-9112
鹿児島県大島郡和泊町和泊1207
谷山モータース
電話番号 0997-92-0180
営業時間 8:00~19:30(年中無休)
◆レンタルバイク
2000円/1日 1000円/半日
※ガソリン満タン返し
◆レンタサイクル
800円/1日
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えらぶゆりの島を貸し切り気分♪
沖永良部島空港は今年2月から『えらぶゆりの島空港』という愛称で呼ばれるようになった。
えらぶゆりとは、この地の特産品である鉄砲ユリのこと。深い歴史のある花。純白の楚々とした姿が美しい。
“立てば芍薬、 歩けば牡丹 歩く姿は百合の花”
この百合の花は、カサブランカのような大きなオリエンタル系と呼ばれる
豪華なユリをイメージしている人も多いようだが、
実はこの鉄砲ユリのことを指す。
島の至る所にえらぶゆりをモチーフにしたものが見られる。
島の人は、この花を見て育ち、この花に想いを馳せるのだ。
島の道は、ほとんど信号が無い。
地元の人によると、島全体でも四箇所くらいしかないらしい。(うる覚えだそうだが)
表通りから一本脇道へ入ると、ほとんど対向車がいない。
まるで貸し切りみたい。
しばらく貸し切り気分を楽しんでいると、
トリコロールカラーのCBR1000とすれ違った。
島の人だろうか…。それともフェリーで来たのだろうか…。
大きなバイクがちょっと羨ましかった。
途中、度々パトカーとすれ違った。島で目にする車の数を考えたら、
パトカー遭遇率は高い。どうやら取り締まりは厳しいようだ。
CBRさん、スピードの出し過ぎには注意してくださいね。
バックミラー越しに、そうつぶやいた。
国頭小学校にある日本一のガジュマル。
新日本名木百選の一つ。
島バナナを軒下にぶら下げて
熟れさせているお宅が多い。
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リアルザワワで深呼吸
時間が経つにつれ、畑の赤い土と青い空のコントラストが目に馴染んで来た。
ジョルノの運転にもすっかり慣れた。
もう少し細い道へ入ってみよう。
もう少し奥まで行ってみよう。
島には様々な作物の畑が広がる。えらぶゆりの他に、
グラジオラス、ソリダゴ、スプレーギクなどの花の栽培が行われている。
花畑の他には、ジャガイモやサトウキビや畑が大部分を占めている。
サトウキビ畑の真ん中で休憩した。
2メートルを超える高さのサトウキビは、ゆらゆらと風に揺られている。
ついその気になって、森山良子さんの『さとうきび畑』のサビ部分を繰り返し口ずさんだ。
辺りを見渡しても誰もいない。
目を閉じて本物のザワワに耳を傾ける。
何も考えない。
大きく吸って吐くことに集中した。
身体がスーッと軽くなったようだ。
ジョルノのおかげで、心も身体もリフレッシュ。
あっという間に時間が過ぎた。
あと少しだけ走ってみたい。
後を引く感じがほどよい加減の2時間だった。
笠石海浜公園展望台からの眺望。
四季を通して亜熱帯の花々をみることができる。
東洋一の鍾乳洞・昇竜道があり、
鍾乳洞郡を探検するケイビングが人気。
(文・写真)中村一葉(なかむらいちよ)