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【今週のレア車】Vol.42 ホンダNR750
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- 2016.11.30
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は極めつけのスペシャルバイク。唯一無二の楕円ピストンエンジンを搭載した、NR750です。
バイク乗りなら知らない人がいないのでは?と言うほど有名なこのバイク。
1992年に国内限定300台、価格は当時としても破格の520万円で発売されました。
NRの起源は1979年のWGPレーサーNR500から始まります。
当時WGPは2スト全盛で、4ストへのハンディキャップもない時代でしたが、
ホンダは「4ストロークで2ストロークを打ち負かす」、という方針の元、最大4気筒という
レギュレーションを守りつつ、高出力を生み出す方法として、長円ピストン、4気筒、
32バルブという、V8エンジンに匹敵するようなエンジン形式を採用しました。
レースではなかなか良い戦績を上げられず、結局1982年には2ストロークのNS500 も
同時投入、翌年にはNS500に一本化されますが、その後耐久レースに主眼を置いた
NR750 も1987年に開発・実戦投入されました。
これは市販版投入に向けたテスト的な意味合いもあったようです。
市販版NRですが、当初はNR750レプリカとして計画されていましたが、
既に1987年にはVFR750Rが市販されており、イメージ的にも近似する等と理由から、
フラッグシップとしてのコンセプトに変更されたようです。
その辺のくだりは、ホンダさんのホームページに詳しく載っています。興味ある方は是非ご覧下さい。
http://www.honda.co.jp/motor-roots/contents10/inde...
そうして導入されたNR750でしたが、1990年の発表時から1992年の発売に至る間のバブル崩壊、
520万円という高価格などで、予約キャンセルが相次ぎ、販売は芳しいものではありませんでした。
しかしながら、メカ的には、市販車で唯一の楕円ピストンエンジンがばかりにフォーカスが集中しますが、
油圧タペット調整機構、バルブ休止機構、可変フライホイールなど、今日量産化されている技術が
NRによって確立されている等、その貢献は多大なものがあります。
ちなみに、車名の「NR」は、世界GPに4ストで挑むというNR500の「ニューレーシングプロジェクト」の
頭文字が起源で、市販版では「ニューロードスポーツ」の意味に置き換えたそうです。
エポックメイキングなNR、業者間オークションでも年に1台出るか出ないかの大変貴重なバイクです。
落札価格は想像もつきませんが程度も良くかなり高額になる事間違いなし。
財力に余裕のある方は是非コレクションに加えてはいかがでしょうか。