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【今週のレア車】Vol.56 ホンダ FT500
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- 2017.03.14
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。 今回はFTRの先祖とも言えるバイク、ビックシングルのFT500です。
FT500は1982年に発売されたバイクです。
このスタイルはアメリカで盛んであるフラットトラックレース
(ダートのオーバルコースを、カウンターを当てながら周回するあれです)
レーサーをモチーフにした空冷単気筒エンジンのバイクです。
1982年当時と言えば、空前のバイクブームで、ホンダだけで言っても
オンロードモデル400㏄ではマルチ全盛期でCBX400が大ヒット、
またVF400も発売されるなどラインナップが充実しており、
アメリカンやオフ専用モデルも目白押し等、各カテゴリで各社が
相次ぎニューモデルを発売していた真っ只中でした。
そういう中で、ダートトラックレース自体の認知度が日本では低く、
スタイルもご覧の通りおそらく冒険をした結果、オンなのかオフなのか分かりにくくなって
しまった商品コンセプトであった事などもあり、販売は低迷、
今ではFT400もかなりのレア、しかも500となればいったい何台残っているのでしょう、
というぐらいのレア車となっています。
ホンダとしてはこのフラットトラックレーサーカテゴリにこだわりがあったのか、
より実際のレーサー(RS750D)に似せた外装を持つ、
FTR250を4年後の1986年に発売しましたが、
これも人気を博すことなく3年余りでカタログ落ちしています。
しかしながら皮肉な事に、1990年代後半頃からのダートトラックレーサー風カスタム流行、
やヤマハTW200のカスタム人気が巻き起こった事もあり、
対抗車種としてFTR(223)が開発・発売されました。
外観的にはFTR250と殆ど変らないにも係らずFTRは2000年~2016年まで発売され、
ロングセラーモデルとなりました。ブームって改めてすごいと思いますね。
このように時代の波には乗れませんでしたが、FT400/500は単気筒シングル素材としての
評価は高く、好きな人には今でもかなり愛されているようです。
ただしご覧の通りの外観、シングル素材としての人気ということもあり、何らかの改造をされて
いるものがほとんどな中、現車は更に希少な500でほぼノーマル。
程度は年式相応ですので、このまま保存や、コツコツ手直しするもよし、
素材として改造するもよし、シングル好きは注目!ですね。