
車を売り買いする方法の1つが個人売買です。しかし、車の売却・購入を検討するなかで、個人売買の方法や流れ、買い手側・売り手側の注意点などを知りたいという方も多いでしょう。
さらに、リスクを軽減するためにも車の個人売買にまつわるトラブルについて事前に知っておく必要があります。
そこでこの記事では、車を個人売買する方法について解説。また、個人売買の流れや買い手・売り手双方の注意点などについても詳しく紹介するため、参考にしてみてください。
目次
車を個人売買するケースとは?
車を個人売買するケースは主に2つに分けられるので、それぞれの方法と注意点について簡単に紹介します。
- 知り合い同士での売買
- 知らない相手同士での売買
知り合い同士で売買するというのは、以前から行われてきた車の個人売買の方法です。知り合いとやり取りするため、車の状態や名義変更などの手順をきちんと確認せずに、後でトラブルになるケースもあります。
一方、知らない相手同士の個人売買は、利用が一般的になってきた「ヤフオク!」「ジモティー」などのオークションサイトやフリマサイトを使って個人売買する方法です。
リスクを避けるためにも、知らない相手同士の個人売買では代金の支払い方法・車両状態の確認をきちんとしましょう。また、売買契約後の名義変更手続きなどについて、双方同意のもとに契約することも必要です。
車を個人売買するメリット
- 売り手・買い手双方の希望に沿った売買価格が実現しやすい
- 業者より高く売れる、業者より安く買える可能性がある
- 税金・各種手続きにかかる費用をカットできる
- 入手困難な希少車が見つかる可能性もある
オークションサイトでは希望落札価格を設定して、購入希望者側も設定された金額に納得して落札します。そのため、双方が納得した金額で売買できる点はメリットです。
さらに、中古車買取業者を仲介して車を売買する場合は、間に入る業者の数だけ経費や手数料・業者の利益といった中間マージンが発生することから、車体以外の費用が発生していまいます。
また、個人売買では消費税がかからず、名義変更などの手続きも基本的に自分たちで行います。業者に依頼したときの代行手数料なども発生しないため、取引にかかる費用を大幅に抑えられるでしょう。
【買い手側】車を個人売買するときの流れ
- 車の状態の確認
- 契約手続き
- 代金の支払い
- 車両の引き渡し
- 車両・自賠責保険の名義変更
- 任意保険の手続き
車の状態の確認
オークションサイトなどで車を見つけた場合は、実際に車を見てキズ・へこみやエンジンの状態・足回り・内装、電装系・修理歴の有無などを確認することが重要です。
さらに、現在の車の所有者に自動車税の未納があるなら、車を購入しても車検を受けられません。そのため、自動車税の未納があるか確認しておくことも必須です。
契約手続き
個人売買が成立した後のトラブルを回避するためにも、書面で売買契約を交わすことがおすすめです。たとえ知り合い同士の個人売買でも、口約束だけでやり取りするのはトラブルの原因に繋がります。
そして、契約書には少なくとも、以下の項目が含まれているのが望ましいでしょう。
- 目的物(対象となる車)
- 個人売買で発生する代金
- 代金の支払い時期と支払い方法
- 受け渡しの日程と受け渡し方法
- 車両本体代金以外にかかる費用(税金・受け渡し前の整備費・陸送費など)
上記の項目に加えて、引き渡し完了前に災害や盗難で車が損傷・紛失した場合、どちらが負担を背負うのかを決める危険負担の項目を追加しておくと安心です。

代金の支払い
契約を取り交わした後は、指定の期日までに指定された方法で代金を支払います。代金の支払い期日やその方法については、契約のタイミングで書面に残すことが大切です。
実際に、代金の支払いをめぐって期日までに代金が振り込まれていない、クレームをつけられて代金を無理やり減額させられたなどのトラブルが起こる可能性も少なくありません。

車両の引き渡し
車両の引き渡し日や支払い方法も契約書内で取り決められるため、指示通りに車の受け渡しが行えます。しかし、車を受け取ったらすぐに車両を確認することが重要です。
車の受取が終わってからしばらくして、車に問題があることに気づくかもしれません。それが売り手側に原因があるのか、陸送時に起こったものなのか判断することは難しいものです。

車両・自賠責保険の名義変更
車を受け取ったなら、なるべく早く車両の名義変更と自賠責保険の名義変更を行いましょう。基本的には買い手側が新しい所有者として、名義変更するケースが多いです。
名義変更は、売り手側から譲渡証明書・名義変更のための委任状が必要です。また、車検証・印鑑登録証明書といった必要な書類も受け取らなければなりません。
そして、車両・自賠責保険の名義変更が終わったなら、手続きが終わったことを売り手側に伝えましょう。
任意保険の手続き
これまで自動車保険に加入していなかったのであれば、新規で任意保険を契約する必要があります。
また、今まで乗っていた車を処分して今回購入した車に乗り換えるという場合は、契約車両の変更(車両入替)手続きが必要になることも確認しておくべきポイントです。
【買い手側】車を個人売買するときに必要なもの
- 自動車保険場所証明書
- 印鑑登録証明書
- 委任状(手続きを第三者に依頼する場合)
自動車保管場所証明書は車庫証明のことで、発行後1カ月以内の書類を用意する必要があります。なお、車庫証明の発行は、車庫のある最寄りの警察署で自動車保管場所証明申請書に必要事項を記入して手続きが可能です。
そして、保管場所の所在図・配置図などの必要書類と一緒に提出すれば、後日警察署で受け取れます。
さらに、名義変更を売り手側もしくは第三者に委任する場合は委任状が必要です。委任状は国土交通省の公式ページ※から、様式をダウンロードして利用できます。
※:国土交通省公式
【売り手側】車を個人売買するときの流れ
- 車を出品する
- 購入希望者への対応
- 契約手続き
- 代金の支払い確認
- 車両の引き渡し
- 車両・自賠責保険の名義変更
- 任意保険の手続き
車を出品する
知らない相手に車を個人売買で売る場合は、オークションサイトやフリマサイトに車の画像や商品説明をアップして、購入希望者を探します。その際は車の情報について正直に伝えることが重要です。
また、車の引き渡し後に、不具合がないかを確認するために整備工場での点検や中古車買取店での査定を依頼する方もいます。そのため、トラブルを回避するためにも、最初から車の情報は買い手側にきちんと伝えることが重要です。
購入希望者への対応
買い手側も、個人売買でのやり取りに不安を感じている場合があるでしょう。不安を解消するためには連絡を取り、価格や支払期日、支払い方法・車の引き渡し費用などの条件をすり合わせることが重要です。
また、取引時には値引きを要求する人がいるため、交渉が必要なケースもあるかもしれません。そのため、正当な価格で車を売却するためにも、車の買取相場を知っておくことをおすすめします。

契約手続き
買い手側の流れの中でも述べたように、契約書を作成して契約するのがトラブルを避ける最善の方法です。契約書を作成する際の売り手側の注意点は、車両情報を詳細に記載することでしょう。
買い手・売り手で一緒に車両を見て状態を確認しても、不具合などについて後から「聞いていない」とクレームを付けられる可能性があるため、車両情報を詳細に記載しておくことをおすすめします。
代金の支払い確認
代金の支払いに関するトラブルも、個人売買では起こりえます。そのため、車両代金・支払い期日・支払い方法などを書面に記す前に、支払い方法を確認して合意した内容を契約書に記載することが重要です。
さらに、陸送や名義変更などの手続きについてもどちらが費用を負担するのか、どちらが手続きを行うのか決めておく必要があります。
車両の引き渡し
車両の引き渡しなどで陸送業者を利用する場合は、事前にレッカーを依頼しておきましょう。そして、陸送業者に車を渡す前に、車の状態を業者と一緒に確認することが重要です。
また、「車が届いていない」とクレームをつけられたり、車の所在がわからなくなったりというトラブルを避けるためにも、納車が完了したならきちんと連絡をしてもらうように陸送業者に伝えることも重要です。
車両・自賠責保険の名義変更
車の名義変更や自賠責保険の名義変更は、一般的に買い手側が行います。そのため、買い手側はすぐに名義変更の手続きができるように、必要な書類を早めに渡すことを心掛けましょう。
買い手側が名義変更をしないなら、自動車税の納付書が売り手側にそのまま郵送されてしまうのです。そして、買い手側が事故を起こした場合、売り手側に連絡が来るなどのトラブルが起こり得ます。

任意保険の手続き
車を売り乗り換える場合は、契約車両の変更(車両入替)手続きが必要です。そのため、車を売却した後で次の車に乗り換える予定がないのであれば、解約手続きを行いましょう。
また、近い将来また車に乗る可能性があるなら中断証明書の発行を依頼できることも確認しておきましょう。中断証明書とは、手続きから10年間は自動車保険を新規契約した際に以前の等級が適用される書類です。
もし、車を売却した後に自動車保険の解約を忘れると無駄な保険料を払い続けることになります。解約手続きの申請を忘れていたからといって、過去にさかのぼって解約もできません。
【売り手側】車を個人売買するときに必要なもの
- 自動車検査証
- 自賠責保険証明書
- 自動車納税証明書
- 自動車リサイクル券
- 譲渡証明書
- 委任状(第三者に依頼する場合)
- 印鑑登録証明書
- 住民票・戸籍附票・戸籍謄本(住所や名前が変わっている場合)
自動車検査証・自賠責保険証明書
自動車検査証とは車検証のことで、車のダッシュボードの助手席側の物入れに保管していることが一般的でしょう。車を売る時には、自動車検査証が必要なのできちんと保管されているか確認することが重要です。
また、自賠責保険証明書に保険の残存期間がある場合は、名義変更の手続きを行わければなりません。自賠責保険証明書は車検証と一緒にファイルに入れて、ダッシュボードに保管されることが多いです。

自動車納税証明書
自動車納税証明書は自動車税を納付したことを証明するための書類で、自動車税を納付したとき控えとしてもらいます。名義変更などの手続きのために、自動車納税証明書が必要なわけではありません。
しかし、自動車税もしくは軽自動車税の未納があると買い手側が車検を受けられない可能性もあります。そのため、準備しておけば滞納していないことを証明できるでしょう。
自動車リサイクル券
リサイクル券は、3枚の券が縦に並んだ状態で構成された淡いグリーン色の紙です。A・B・C券があり、A券は預託証明書で預託金の合計額が記載されています。
C券は資金管理料金受領証といい、リサイクル料金を支払う際の手数料に該当する資金管理料金が記載されています。なお、リサイクル券は、買い手側が将来車を廃車するときに必要です。

譲渡証明書
譲渡証明書は、売り手(旧所有者)から買い手(新所有者)へ車が譲渡されたことを証明する書類です。譲渡証明書の記載例・様式は国土交通省の公式ページ※から確認できます。
なお、譲渡証明書に押す印鑑は印鑑登録証明で登録している印鑑と同じ印鑑を押されなければなりません。譲渡証明書に認印は使えないので注意しましょう。
※:国土交通省公式
委任状(第三者に依頼する場合)
委任状は、名義変更の手続きを買い手側や第三者に依頼する際に必要です。そのため、買い手側に名義変更の手続きをお願いする場合は、売り手側の実印が押された委任状を用意しましょう。
委任状の記載例・様式についても、譲渡証明書と同じく国土交通省の公式サイトから入手できるので、書類を記載する際は参考にできます。
印鑑登録証明書
名義変更に必要な書類の中には、実印を押す必要があります。そして、押された実印が本物であることを証明するために、印鑑登録書を提示することも確認しておきたいポイントです。
印鑑登録証明書は、コンビニ交付に対応している市区町村であれば、マルチコピー機を使いマイナンバーカードで発行できます。また、役所の窓口で発行を依頼することも可能です。
住民票・戸籍附票・戸籍謄本(住所や名前が変わっている場合)
車検証に記載されている住所と現住所が違う場合は、転居したことを証明できる住民票もしくは戸籍附票が必要です。また、車検証に記載されている名前と今の名前が違うという場合は、戸籍謄本を用意しましょう。
なお、住民票は住んでいる市区町村の役所、戸籍附票と戸籍謄本は本籍地のある市区町村の役所・役場で取得可能です。
車の個人売買でよく起こるトラブルとは?
- 【買い手】購入してからすぐに車が故障した
- 【買い手】輸送費として高額請求された
- 【売り手】車の代金が支払われない
- 【売り手】名義変更が行われない
購入してすぐに車が故障するというトラブルに巻き込まれないためにも、買い手側と売り手側の双方が一緒に実車確認・試乗することが重要です。
そして、高額な輸送費を請求されるというトラブルに巻き込まれないように、輸送費の内訳やどちらが負担するのかを確認しておくことも忘れないようにしましょう。
また、名義変更をしてくれないというトラブルを解消する方法として、可能であれば売り手側と買い手側が一緒に陸運局に行く方法を試せます。ただし、両方の都合が合わなければ一緒に行くことは難しいでしょう。
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まとめ
この記事では、車を個人売買する方法やメリット、買い手側・売り手側それぞれの注意点などを紹介しました。
個人売買では、業者の中間マージンが必要なく、売り手は高く売れる・買い手は安く買えるなどのメリットがあります。そのため、双方が希望価格で売却もしくは購入できることが魅力です。
しかし、実車確認や契約書の作成などを怠ると、思わぬトラブルに発展するという一面もあります。そのため、車の個人売買取取引で、実際に起こり得るトラブルを確認しておきましょう。
