
マイカーローンとは自動車を購入する場合に利用できるローン商品。自動車のように金額の大きな買い物のためにローンを組む場合、事前にシミュレーションを行うことが重要になります。
そこで今回は、マイカーローンのシミュレーションの方法や、マイカーローン・金利・ローンの返済方法の種類などについて解説します。
また、マイカーローンとは?という疑問をもっている初心者の方向けに、マイカーローンの詳細も解説していきます。
目次
マイカーローンとは?
マイカーローンとは、自動車を購入することに限定されているローン商品のことです。ローンの限度額は車の購入額で、購入時の見積もりをもとに審査が実施されるのが一般的です。
審査に通過できれば、利用者に対して融資が行われる仕組みですが、実際には自動車メーカーや販売店に対して直接支払われます。
銀行や損害保険会社、信販会社など、さまざまな金融機関・企業がマイカーローン商品を提供しており、それぞれ金利や契約条件などが異なります。
マイカーローンのシミュレーションが必要な理由
マイカーローンを利用する場合は、シミュレーションが必要になります。
購入金額によっては長期間の返済が必要になり、世帯や家庭の経済状況に大きく影響を与えることになります。
マイカーローンのシミュレーションに必要な項目
マイカーローンの利用時にシミュレーションが必要になることは説明したとおりですが、実際のシミュレーションでは、下記の項目が必要になります。
- 借入額
- 金利
- 支払回数
- 返済方式
借入額
借入額とはマイカーローンで融資を受けているまたは受けようとしている金額のことです。
なぜなら、借入額の目安は返済負担率で計算されるためです。返済負担率とは、収入に占めるローン返済額の割合を指します。
一方、返済負担率がそれ以上になるケースでは、返済に掛かる負担が増大しやすくなり、ローンの審査も厳しくなる傾向にあります。
すべてのローンを含めて返済負担率が25%を超えている場合は、頭金を用意して返済月額を減らしたり、購入する車の変更を検討したりする必要があるでしょう。
金利
金利とはローンによる融資を受けた側が、貸した側に対して支払う利息のことです。
カーローンの種類について詳しくは後述しますが、銀行系・ディーラー系・フリーローンといった種類があり、銀行系ローンは金利が低く、その他のローンは金利が高くなる傾向にあります。
支払回数
支払回数とは、受けた融資を分割して返済する回数を指します。支払回数は融資を受ける金融機関や企業によって異なり最も短くて半年程度、長ければ72回程度(12カ月×6年)を目安と考えておきましょう。
支払回数が多いほど返済月額は少なくて済むものの、支払う金利が増えていくため、返済総額も大きくなるのが特徴です。
返済方式
マイカーローンの返済方式には、主に下記の2種類があります。
- 元利均等返済方式
- 元金均等返済方式
どちらの返済方法を選択するかによって、支払う金額などが異なるため、確実に確認しておきましょう。
元利均等返済方式
元利均等返済方式は、返済月額が一定になるように返済する方法です。
元金・利息の支払額が一定になり、返済計画が立てやすいのがメリットです。一方、返済し始めたうちは利息の返済の割合が多く、元金がなかなか減らないという点がデメリットとなります。
元金均等返済方式
元金均等返済方式は、一定の元金を返済しながら、プラスして利息を返済する方法です。
元金の返済残高が減りやすく、利息の支払を軽減できるため、元利均等返済方式と比較して返済総額が少なくなる点がメリットです。一方、返済をし始めたうちは返済月額が高くなるというデメリットがあります。
マイカーローンの返済額を実際にシミュレーションしよう
マイカーローンのシミュレーションに必要な項目が理解できたところで、実際にシミュレーションをしてみたいと思います。
返済額を計算するための基本
カーローンを組んだ場合の基本的な返済額の計算方法は下記のとおりです。
- 利息の金額:借入金額×金利×返済年数÷2
- 返済総額:借入金額+利息金額
- 返済月額:(借入金額+利息金額)÷返済回数
仮に、カーローンの融資額が200万円、ボーナス払いなし、返済期間5年、金利4%(年利)の場合、どのようになるか見てみましょう。
- 利息の金額:200万円×0.04×5年÷2=20万円
- 返済総額:200万円+20万円=220万円
- 返済月額:220万円÷60カ月=3万6,667円
利息金額は20万円、返済総額は220万円、返済月額は5年で月3万6,667円となります。
元利均等返済でのシミュレーション
既出の条件(カーローン融資額200万円、ボーナス払いなし、返済期間5年、金利4%)で元利均等返済方式を選択した場合をシミュレーションします。
- 1カ月目:返済金額36,833円(元金分30,167円+利息分6,666円)
- 2カ月目:返済金額36,833円(元金分30,267円+利息分6,566円)
- 3カ月目:返済総額36,833円(元金分30,368円+利息分6,465円)
- 返済総額:2,209,980円(うち利息分209,980円)
このように、毎月同一の返済金額となるのが特徴です。
元金均等返済でのシミュレーション
既出の条件(カーローン融資額200万円、ボーナス払いなし、返済期間5年、金利4%)で元金均等返済方式を選択した場合をシミュレーションします。
- 1カ月目:返済金額39,999円(元金分33,333円+利息分6,666円)
- 2カ月目:返済金額39,888円(元金分33,333円+利息分6,555円)
- 3カ月目:返済総額39,777円(元金分33,333円+利息分6,444円)
- 返済総額:2,203,281円(うち利息分203,281円)
このように、初回の返済額が最も高くなり、返済回数を重ねるたびに金額が減っていくのが特徴です。返済総額は元利均等返済方式と比較して、約6,700円安くなります。
元利均等返済と元金均等返済はどちらがいいのか
今回シミュレーションした結果では、約6,700円の差となりました。ただし、金融機関や企業によって詳細な計算方法や端数の処理方法は異なるため、実際に融資を受ける貸し手に確認するようにしてください。
金利の違いは返済額に大きく影響する
カーローンの返済総額は、融資額と金利分の利息を計算して算出されます。そのため、金利の違いは返済額に大きく影響することになります。
既出の条件で、金利のみを変動させた場合のシミュレーションは下記のとおりです(元利均等返済方式の場合)。
- 金利2%の場合:返済月額35,055円、返済総額2,103,300円
- 金利4%の場合:返済月額36,833円、返済総額2,209,980円
- 金利6%の場合:返済月額38,665円、返済総額2,319,900円
金利2%と6%の場合を比較すると、返済月額では3,610円、返済総額では約22万円の差があります。
マイカーローンの返済シミュレーションできるサイトがある
マイカーローンの計算方法はなかなかややこしいため、計算が苦手な方にとってはシミュレーションが難しく感じることがあるかもしれません。
そんな場合は、返済のシミュレーションができるWebサイトの利用をおすすめします。
また、ローンの返済額を計算する専用のWebサイトもあり、いずれも無料での利用が可能です。
マイカーローンの種類
マイカーローンには下記の3種類があります。
- 銀行系ローン
- ディーラー系ローン
- フリーローン
銀行系ローン
信用金庫や銀行が提供するローンを銀行系ローンといいます。特徴は他のカーローンと比較して金利が低く設定されているケースが多いということです。
銀行系ローンは金利が低い分、審査が厳しくなりやすい傾向にあります。また、審査結果によっては金利が引き上げられる可能性もあります。
ディーラー系ローン
車を購入する店で契約するローンをディーラー系ローンといいます。
一方で、銀行系ローンと比較して金利が高い傾向にあるため、利息を含めた支払総額が高くなりやすいのがデメリットです。
フリーローン
車に限らずさまざま目的に対して自由に利用できるローンをフリーローンといいます。
投資やギャンブル以外ならなんにでも使えるメリットがありますが、カーローンと比較して金利が高くなるデメリットがあります。
マイカーローンの金利の種類
マイカーローンの金利の種類は下記の2種類です。
- 変動金利
- 固定金利
変動金利
市場の金利の動向に応じて利率が変動する金利が適用されているのが、変動金利型のローン。半年を目安に定期的に金利が見直され、完済までも金利が変動するケースがあります。
固定金利
返済期間中に利率が変動しない金利が適用されているのが、固定金利型のローンです。
固定金利型のメリットは、毎月の返済金額が一定になるために返済の計画が立てやすいことです。
マイカーローンのシミュレーションで押さえておくべきポイント
マイカーローンのシミュレーションをする場合、下記のポイントを押さえておきましょう。
- 返済負担率を考える
- ローン金額は大きくしすぎない
- 返済期間はバランスを取ることが大切
- 返済遅延には十分注意する
返済負担率を考える
ローンを組む場合の返済負担率は20%~25%の範囲に収めるのが適切であるのは、先述したとおりです。
返済負担率が高くなるほど、負担が大きくなります。
ローン金額は大きくしすぎない
ローン金額を大きくしすぎないようにすることも重要です。なぜなら、返済期間が長くなり手数料や返済総額が高くなってしまうからです。
借入を上手に利用したいのであれば、ローン金額をできるだけ少なくするのが鉄則です。
返済期間はバランスを取ることが大切
ローンを利用する場合は、返済期間のバランスを考えることが大切です。返済期間が長いと支払総額は高くなりますが、逆に短いと返済月額は大きくなり負担が大きくなります。
返済遅延には十分注意する
ローンの返済が遅れると、あなたの信用に関わります。
失敗しないマイカーローンの選び方
マイカーローン選びに失敗しないようにするためには、下記の点について理解しておきましょう。
- 金利の種類が借入期間を確認する
- 保証料の有無を確認する
- キャンペーン金利が利用できる場合がある
金利の種類や借入期間を確認する
マイカーローンを選ぶときは、金利の種類と借入期間を確認しましょう。現在の市場金利を考慮した場合、借入期間が短いなら変動金利型の方が有利になる可能性があります。
また、借入期間が長い場合は貸し手側が金利を高く設定するケースもあります。
保証料の有無を確認する
マイカーローンを選択する際は、保証料の有無についても確認しましょう。ローンの貸し手側の多くが金利に保証料を含めていますが、なかには保証料が金利に含まれないケースもあります。
保証料が別途必要な場合、その分支出が増えるため、金利の低さが帳消しになる可能性もあります。
キャンペーン金利が利用できる場合がある
マイカーローンのなかには、キャンペーン金利を提供するケースがあります。
銀行系ローンでは期間限定で低い金利が適用されたり、ディーラー系ローンでは車種限定で低金利になったりする場合があります。
まとめ
今回はマイカーローンのシミュレーションについて解説しました。シミュレーションは利用するローン商品の比較検討や、返済計画のために欠かせないものです。
また、マイカーローンには銀行系・ディーラー系・フリーローンのほか、金利や返済方法の種類によってさまざまなものがあります。本記事を参考に、あなたが利用しやすいマイカーローンを探してみてはいかがでしょうか。