
「カーシェアリングは乗り捨てできる?」と疑問に感じているのではないでしょうか?乗り捨てができるサービスの代表的なサービスはレンタカーですが、カーシェアリングでも乗り捨て可能であれば非常に便利に利用できます。
ただ実際には、乗り捨てできるカーシェアリングが非常に少ないため、利用の前に確認が必要となります。現状、カーシェアリングには、さまざまな法的な規制や車庫等の問題があるからです。
そこで今回は、カーシェアリングは乗り捨てできるのか、今後の普及の見通しについて解説します。
目次
カーシェアとは?
カーシェアは、1台の車を複数の会員間で共有するサービスです。カーシェアの利用時間は一般的に15分単位で、短時間だけ車を借りたい方におすすめです。カーシェアを利用には、会員登録が必要なので覚えておきましょう。
入会費を必要とするカーシェア会社がほとんどですが、中には入会費無料のキャンペーンを行っているところもあります。少しでも費用を抑えたい方は、お得なキャンペーンを実施している会社や、入会費が無料のサービスを選びましょう。
カーシェアリングは乗り捨てできる?
カーシェアリングは、基本的に乗り捨てできません。そのため出発時点のステーションに返却する必要があります。乗り捨てできるサービスを利用したい方は、レンタカーをおすすめします。
乗り捨てができると、元の場所まで車を返却する手間が省けます。レンタカーで乗り捨てる場合は、同一エリアに返却するなら無料となる会社もあるので、料金も確認しておきましょう。
カーシェア乗り捨ては「専用スペース」が問題
カーシェアリングで乗り捨てを導入するには、乗り捨て先の専用スペースの確保が必要です。単純に車1台につき、2箇所以上の駐車場を用意しなくていけないからです。
現在カーシェアリングで乗り捨てができるのは「タイムズカー」と「オリックスカーシェア」で、返却先も限られています。このように、カーシェアリングでの乗り捨て導入には、まだまだ時間がかかるでしょう。
乗り捨て可能なカーシェアリングってある?
乗り捨て可能なカーシェアリングは、「タイムズカー」と「オリックスカーシェア」の2つです。タイムズカーの乗り捨て可能地域は、関西国際空港~大阪国際空港間と限られています。
車両クラス | 料金 |
---|---|
ベーシック | 1回3,300円 |
ミドル | 1回3,850円 |
プレミアム | 1回4,400円 |
参考:https://share.timescar.jp/about/option/
またオリックスカーシェアの乗り捨て可能エリアは、福島県会津若松市内だけと限られています。その中でも乗り捨てできるステーションは、以下の5つです。
- 会津大学南門前ステーション
- 会津若松駅前大町通りステーション
- AiCTステーション
- ローソン飯盛3丁目ステーション
- 郡山駅東口ステーション
「乗り捨て」への取り組み
カーシェアリングの乗り捨てへの取り組みは、さまざまな企業や地域で行われています。先ほどご紹介した「タイムズカー」や「オリックスカーシェア」は、導入途中でありこれからステーションの増設が期待されます。
「乗り捨て」への取り組み事例
- トヨタシェアは2019年に取り組んでいたものの、現在は乗り換え不可
- 愛知県安城市のき〜☆モビ、4年間実施、数十カ所にステーション配置、超小型電気自動車 など
カーシェアの乗り捨ては今後の普及に期待
海外では乗り捨てできるカーシェアリングが主流となっており、今後は日本でも乗り捨てが当たり前となる時代がくるかもしれません。ここでは、カーシェアリングや国土交通省における「乗り捨ての定義」を解説します。
カーシェアに関する「乗り捨て」の定義
このような仕組みは、ワンウェイ方式または乗り捨て方式と呼ばれています。ちなみに出発時のステーションに車を戻す仕組みは、ラウンドトリップ方式と呼びます。
国土交通省による「乗り捨て」
国土交通省では、車の保管場所が使用する本拠地の2km以内であれば、乗り捨て可能とされています。2014年までは、店舗などの配置事務所に該当するケースだけを本拠地として認めていました。
もともと車の無人貸出しは法律上許されていなかったので、現段階のカーシェアリング事業を見ると十分普及したと言えるでしょう。
「駐車場(車庫)」問題がネック
カーシェアリング「乗り捨て」の最大の課題は、駐車場の確保です。駐車場は使用する本拠地の2km以内に設置しなくてはいけません。そのためスペースは限られてしまい、都心部だとなかなか土地が見つからない可能性があります。
乗り捨てた車は、出発するステーションへ移動させなければなりません。そのため駐車場だけではなく人件費もかかり、コストが膨らみます。
現段階のカーシェアリング料金は安く設定されているため、駐車場を増やすためには値上げが必要です。需要と供給のバランス、そして法律の整備がまだ整っていないのが現状です。
カーシェアリングのメリット・デメリット
カーシェアリングのメリットやデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
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メリット①ガソリン代や車検代がかからない
カーシェアリングの料金には、ガソリン代や車検代が含まれています。どうしても給油しないといけない場合でも、利用料金からガソリン代が差し引かれるケースがほとんどです。洗車代も同じく利用料金から差し引かれます。
また、新車の場合で初回の3年目と、その後は2年に1回のペースで必要となる車検費用もかかりません。1回の車検にかかる費用は、車両重量や整備内容によって異なりますが、10万円を超える場合もあります。
メリット②開始時間の1分前でもキャンセル料がかからない
カーシェアリングの予約をキャンセルしたい場合、基本的に利用開始時間の1分前まではキャンセル料が発生しない会社がほとんどです。そのため「車を借りる必要がなくなった場合」は、キャンセル料金だけではなく利用料金もかかりません。
その場合は車を利用していなくても、予約した時間分の利用料金を支払わなくてはいけません。
メリット③搭載されている装備が充実している
カーシェアリング車は、安全装備が整っている車両が用意されています。搭載されている代表的な安全装置は、以下の通りです。
カーシェアで搭載される代表的な安全装置
- バックモニター
- コーナーセンサー
- アラウンドビューモニター
これらの安全装置は、運転中だけでなく駐車時にも役立ちます。死角の確認ができることで、他の車に接触する事故が防げるだけではなく、人や物がないかの確認もできます。他にもカーナビ・ETCなどが搭載されている車がほとんどです。
カーシェアリング会社の中には、カーナビから利用時間の延長操作ができるものもあります。カーシェアリングを検討している方は、どのような機能が使えるのかを参考にすると良いです。
デメリット①地域によってはステーションがない
カーシェアリングのステーションがない場合は、そもそも利用ができません。都心などの発展している地域なら、ステーションがいくつか設置されています。
購入せずに車を利用したいなら、カーシェアリングの他にレンタカーやカーリースの検討をおすすめします。カーシェアリングは、お住まい地域以外の旅行先などでも利用できるので、ぜひ機会があれば利用してみましょう。
デメリット②車に乗らなくても月額料金がかかる
カーシェアリングは、会社やプランによって月額料金がかかる場合があります。月額料金は、1ヶ月の利用頻度や回数に関わらず決まった金額です。
1回限りや利用頻度があまり多くない方は、月額無料プランがおすすめです。他にも月額料金無料のキャンペーンを行っているところもあります。
デメリット③利用時間が長い場合はレンタカーの方がお得
カーシェアリングは、利用時間が長ければ料金が高くなり、レンタカーやカーリースの方がお得となる場合があります。タイムズカーの場合、基本料金が1時間当たり880円〜であり、利用時間を6時間を超えたら距離料金が加算されます。
1時間未満や数時間などの短時間だけ車を借りたい時は、カーシェアリングをおすすめします。
おすすめのカーシェアリング会社5選
ここでは、おすすめのカーシェアリング会社5選をご紹介します。
おすすめのカーシェアリング会社5選
- タイムズカー
- オリックスカーシェア
- カレコ
- トヨタシェア
- カリテコ
カーシェアリングの利用を検討している方は、各社の月額料金や基本料金を比較しましょう。
タイムズカー
タイムズカーのおすすめポイント
- パーク24グループが運営しているカーシェアサービス
- 関西国際空港〜大阪国際空港間で乗り捨て可能
- 24時間365日運転中のトラブルに対応
タイムズカーは、パーク24グループが運営しているカーシェアサービスです。タイムズカーでは、関西国際空港〜大阪国際空港間で乗り捨て可能で、実証実験を行っています。
借りられる車はベーシッククラス・ミドルクラス・プレミアムクラスの3つに分かれており、扱われている車種は、軽自動車や普通車、軽トラなどラインナップが豊富です。
搭載されている安全装置は、バックモニターやアラウンドビューモニターなどがあり、駐車が苦手な方にもおすすめです。他にも「コンタクトセンター24時間サポート」が利用でき、24時間365日運転中のトラブルに対応してもらえるため安心して利用できます。
タイムズカーの特徴
初期費用 | カード発行料:1,650円 ※法人の場合は660円 |
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月額基本料金 | 880円 ※学生プランと法人プランは無料 |
利用料金 | 220円/15分〜440円/15分 ※利用時間が6時間を超える場合は、16円/kmが加算される |
※記載されている金額はすべて税込価格です。
参考:タイムズカー 公式サイト
オリックスカーシェア
- オリックスグループが運営しているカーシェアサービス
- 入会方法をWEBと説明会の2種類から選べる
- 会員プランを入会後でも変更可能
オリックスカーシェアは、オリックスグループが運営しているカーシェアサービスです。入会する方法は、WEBとリアルな説明会の2種類から選べます。WEBから入会する場合は、24時間いつでも手続きが可能です。説明会で入会する場合は、初期費用や月額料金などが無料となる特典付きです。
一般会員は月額料金が880円必要ですが、利用料金として使えます。また、プランは入会後でも変更可能ですさらに利用枠前に利用が終わっていれば、開始時間の15分前から利用でき、その15分間分の利用料金は無料とお得です。
オリックスカーシェアの特徴
初期費用 | ICカード発行手数料:1,050円 |
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月額基本料金 | 880円 ※ブロンズステージ以上の会員・個人Bプランの会員は無料 ※学生プランは5年間無料 |
利用料金 | 220円/15分〜520円/15分 ※利用時間が6時間を超える場合は、16円/kmが加算される |
※記載されている金額はすべて税込価格です。
参考:オリックスカーシェア 公式サイト
トヨタシェア
トヨタシェアのおすすめポイント
- TOYOTAが運営しているカーシェアサービス
- 初期費用や月額基本料金は無料
- トヨタシェア専用アプリの活用で予約、スマホでの解錠・施錠、精算ができる
トヨタシェアは、TOYOTAが運営しているカーシェアサービスです。トヨタシェアの初期費用や月額基本料金は無料となっているため、カーシェアにかかる料金が抑えられます。
トヨタシェアを利用される場合は、トヨタシェア専用アプリの活用がおすすめです。予約はもちろん、スマホがあれば解錠・施錠、精算まですべて一括で済ませられます。
車内には、スマホ専用の充電器が設置されており、充電しながらの走行が可能です。またトヨタシェアの車には、TOYOTAが提供している予防安全システム「Toyota Safety Sense」が搭載されているものもあり安心です。
トヨタシェアの特徴
初期費用 | 0円 |
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月額基本料金 | 0円 |
利用料金 | 150円/15分〜400円/15分 ※利用時間が6時間を超える場合は11円〜16円/kmが加算される |
※記載されている金額はすべて税込価格です。
参考:トヨタシェア 公式サイト
カレコ
カレコのおすすめポイント
- 三井不動産リアルティが運営しているカーシェアサービス
- ベーシックプランと月会費無料プランの2種類
- 24歳以下の学生には学生割引が適用される
カレコは、三井不動産リアルティが運営しているカーシェアサービスです。カレコのプランには、ベーシックプランと月会費無料プランの2種類があります。
毎月1回以上カレコを利用する場合は、ベーシックプランをおすすめします。また1回も利用しない月がある方には、月会費無料プランがおすすめです。
さらに24歳以下の学生なら、学生割引が適用され、月会費が4年間無料となります。ただし無料期間が終了すると通常のベーシックプランに自動移行するので、プラン変更のタイミングに注意しましょう。
カレコの特徴
初期費用 | 0円 |
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月額基本料金 | 980円 ※月会費無料プランは無料 ※年間契約の場合は年会費4,890円が必要であり、月額料金はかからない |
利用料金 | 140円/10分〜620円/10分 ※利用時間が6時間を超える場合は、16円〜22円/kmが加算される |
※記載されている金額はすべて税込価格です。
参考:カレコ 公式サイト
カリテコ
- 名鉄協商が運営しているカーシェアサービス
- 名鉄協商が運営している駐車場を無料で利用が可能
- manaca・TOICA・ayuca・Suicaをそのまま会員カードとして使用可能
カリテコは、名鉄協商が運営しているカーシェアサービスです。主な利用可能地域は、愛知県・岐阜県・三重県です。デパートなどで買い物をする際は、名鉄協商が運営している駐車場を無料で利用できます。
カリテコでは、manaca・TOICA・ayuca・Suicaをそのまま会員カードとして使用可能です。さらにWEBで申し込むと、即日から利用できる場合もあります。またカリテコ会員がカレコに入会すると「月会費2ヶ月無料」と「2,000円のご利用クーポン」の獲得が可能です。
カリテコの特徴
初期費用 | ICカード発行料:990円 |
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月額基本料金 | 1,045円 ※チョコ乗りプランは無料 |
利用料金 | 187円/15分〜440円/15分 ※利用時間が6時間を超える場合は、11円〜20円/kmが加算される |
※記載されている金額はすべて税込価格です。
参考:カリテコ 公式サイト
まとめ
カーシェアリングの乗り捨ては、限られた一部の地域ならできます。しかしほとんどの地域では、カーシェアリングの乗り捨てはできません。田舎の場合は、ご自身で車を持っている方が多いので、そもそもステーションが設置されていない地域もあります。
しかしカーシェアリングの乗り捨てへの取り組みは、2014年からさまざまな地域や企業で行われてきました。そのためこれからは、乗り捨てサービスの普及に期待ができるのではないでしょうか。
お住まいの地域や旅行先に乗り捨て可能なステーションがある場合は、ぜひ利用してみましょう。