
車を借りる新しい形として注目されているカーシェアリングですが、どのような仕組みになっているのかよくわからない人も多いでしょう。
カーシェアは大きな初期費用や維持費がかからず車が利用できるため、「便利に利用できる」と、最近とても注目を集めているサービスです。
そこで今回はカーシェアリングの仕組みや料金体系を解説します。
目次
カーシェアリングとは?
カーシェアリングとは、自動車を複数のユーザーで共有して使用するサービスのことをいいます。
レンタカーよりも短い時間で安く車を借りられるほか、対面手続きが必要なく、24時間365日いつでも車を利用できるといった点が特徴です。
カーシェアリングの使い方の仕組み
カーシェアリングを使用するためには、任意のサービスへの会員登録を行います。会員登録はインターネット上で完結可能です。
車は会員カードやスマートフォンアプリなどを使って解錠し、車内にある車のキーを使って自由に車を利用できます。
カーシェアリングの料金の仕組み
カーシェアリングの料金には下記の4つがあります。
- 初期料金
- 月額料金
- 時間料金
- 距離料金
初期費用は会員登録時に発生します。1,000円から2,000円程度で、会員カード(ICカード)の費用となるケースが多いでしょう。
また、サービスによっては月額料金が掛かるケースがあり、車の利用がなくても支払う必要がありますが、車の利用時に支払った月額料金分を割り引いてくれるケースもあります。
車を利用する際に掛かる料金が時間料金と距離料金です。
実際のカーシェアリングサービスの仕組みを紹介
ここからは実際のカーシェアリングサービスの仕組みについてみてみましょう。
今回は下記のサービスの仕組みを紹介します。
- タイムズカーの仕組み
- カレコ(careco)の仕組み
- dカーシェア(d Car Share)の仕組み
- エニカ(Anyca)の仕組み
タイムズカーの仕組み
タイムズカーはタイムズモビリティ株式会社が運営するカーシェアリングサービスです。
タイムズカーは一般的なカーシェアリングサービスと同じ仕組みで、会員登録の後にパソコンやスマートフォンから予約して車を利用できます。
返却は元のステーションへの駐車と車の施錠にて完了です。
カレコ(careco)は三井不動産リアルティ株式会社が運営するカーシェアリングサービスです。
大まかな仕組みはタイムズカーと変わりませんが、スマートフォンアプリや交通系ICカード(Suica・PASMO)、おサイフケータイなどのFelicaを使って車を解錠する点が異なります(事前登録が必要)。
運営会社 | 三井不動産リアルティ株式会社 |
---|---|
申し込み方法 | インターネット |
支払い方法 | 個人会員:クレジットカード 法人会員:選択可能 |
出典:careco公式サイト
dカーシェア(d Car Share)の仕組み
dカーシェア(d Car Share)はNTTドコモが運営するカーシェアリングサービスです。
オリックスカーシェアやcareco、TOYOTA SHAREなど5社のカーシェアリングサービスに加え、トヨタレンタカーやニッポンレンタカーなど8社のレンタカーサービスと提携しています。
運営会社 | 株式会社NTTドコモ |
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申し込み方法 | インターネット |
支払い方法 | ドコモ払い・dカード・クレジットカード・dポイント |
出典:dカーシェア公式サイト
エニカ(Anyca)の仕組み
エニカ(Anyca)は株式会社DeNA SOMPO Mobilityが運営するカーシェアリングサービスです。
エニカはカーシェアリングのなかでも珍しく、一般オーナーが所有する車をシェアできます。
車の予約をした後は、カーオーナーとアプリ内チャットでコミュニケーションを取り、当日は待ち合わせ場所で車の受け渡しを行います。
運営会社 | 株式会社DeNA SOMPO Mobility |
---|---|
申し込み方法 | アプリをダウンロードして登録 |
支払い方法 | クレジットカード |
出典:Anyca公式サイト
カーシェア4社の仕組みを比較
4社の仕組みの比較は下記のとおりです。
仕組み | |
---|---|
タイムズカー |
|
カレコ |
|
dカーシェア |
|
エニカ |
|
同じカーシェアリングサービスでも、各社で特徴が異なることがわかります。
実際のカーシェアリングサービスの利用料金
次に、各カーシェアリングサービスの利用料金を紹介します。先程と同じく、タイムズカー・カレコ・dカーシェア・エニカの4社の料金体系についてみていきましょう。
タイムズカーの料金体系
タイムズカーで必要な料金は下記のとおりです。
- 初期費用:1,650円
- 月額基本料金:0円~880円
- 利用料金(時間料金+距離料金):15分220円~、1km16円
初期費用は1,650円(カード発行料)、月額基本料金は個人プラン・家族プランで880円、学生プランで無料です。
時間料金はベーシックプランで15分220円です。6時間以降は最大時間料金が割安になりますが、1km16円の距離料金が発生します。
カレコ(careco)の料金体系
カレコの利用で発生する料金は下記のとおりです。
- 初期費用:0円
- 月額基本料金:0円~980円
- 利用料金(時間料金+距離料金):10分140円~、1km16円~
初期費用は無料、月額基本料金は無料プランでは0円、ベーシックプランでは980円です。
時間料金はベーシックプランで10分140円です。6時間以上は最大時間料金が割安になりますが、1km16円の距離料金が発生します。
出典:careco公式サイト
dカーシェア(d Car Share)の料金体系
dカーシェアで発生する料金は下記のとおりです。
- 初期費用:0円
- 月額基本料金:0円
- 利用料金:各カーシェアリングサービス・レンタカーサービスによって異なる。
dカーシェアでは初期費用・月額基本料金ともに無料となっています。
カーシェアリングサービスで最も安いのはTOYOTA SHAREで、15分165円から利用可能です。また、NISSAN e-シェアモビなら、距離料金は発生しません。
出典:dカーシェア公式サイト
エニカ(Anyca)の料金体系
エニカの利用で発生する料金は下記のとおりです。
- 初期費用:0円
- 月額基本料金:0円(カーオーナーはプラットフォーム手数料が必要)
- 利用料金:シェアリングする車によって料金が異なる
エニカの初期費用や月額基本料金は0円です。
利用料金は車のオーナーの料金設定によって異なり、公式Webサイトでは各車の1日のレンタル料金(共同使用料)と日ごとの保険料が記載されています。
出典:Anyca公式サイト
カーシェア4社の料金を比較
4社の料金の比較は下記のとおりです。
サービス名 | 初期費用 | 月額基本料金 | 時間料金 | 距離料金 | パック料金 |
---|---|---|---|---|---|
タイムズカー | 1,650円 | 0円~880円 | 15分220円 | 1km16円 | ナイトパックあり |
カレコ | 0円 | 0円~980円 | 10分140円~ | 1km16円 | 時間パック・ナイトパックあり |
dカーシェア | 0円 | 0円 | 15分165円~ | 0円~1km18円 | 時間パック・ナイトパックあり |
エニカ | 0円 | 0円 | ー | ー | 1日料金+保険料での表示 |
各社で料金体系が異なることがわかります。特にエニカは他のサービスとは性質が異なる部分があり、料金体系もユニークになっています。
カーシェアリングを利用するメリット
カーシェアリングを利用するメリットは下記のとおりです。
- 短時間利用が可能
- 24時間利用可能
- 対面での手続きは不要
- ガソリン代や車検代などの経費が利用料金に含まれている
- さまざまな車種を選択可能
- 対応地域であればどこでも利用可能
短時間での利用が可能
短時間での利用が可能なのがメリットです。一般的なレンタカーサービスでは、数時間単位でのレンタルが基本となり、6時間以上の利用が条件となっています。
また、短い時間で車を利用する場合はレンタカーよりも低価格で車を借りられます。
24時間いつでも利用できる
24時間いつでも利用できるというのも、大きなメリットのひとつです。
一方、レンタカーでは営業所の開店時間内にレンタルの手続きや返却を済ませなければならず、利用できる時間帯に制約が発生するケースがあります。
対面での手続きは不要
対面での手続きが不要であるのもメリットと言えるでしょう。会員登録から車の予約・利用・返却まですべてインターネット上で完結します。
一方、レンタカーでは必ず対面での手続きが必要になり、実際に車を利用するまでに時間が掛かってしまいます。
ガソリン代や保険料などの経費が料金に含まれている
料金にガソリン代や保険料などが含まれているというのもメリットです。利用料金には車に掛かる経費のすべてが含まれており、それ以上の料金を支払う必要がありません(※一部のサービスを除く)。
レンタカーでは必ず保険に加入しなければなりませんし、ガソリンを給油した状態での返却が必要です。
さまざまな車種を選択可能
さまざまな車種を選択できるのもメリットです。
大人数向けのミニバンや低燃費が売りのコンパクトカー、スタンダートなセダンなど、さまざまな車が用意されているため、利用の目的に応じて車を選びやすいでしょう。
対応地域であればどこでも利用可能
対応地域ならどこでも利用できるのも嬉しいメリットのひとつです。
そのため、仕事先や旅行先でもカーシェアリングを利用できる可能性があります。
カーシェアリングを利用するデメリット
カーシェアリングを利用する際のデメリットは下記のとおりです。
- 乗り捨てはできない
- 予約時に返却日時を指定する必要がある
- 借りたいときに借りられないことがある
- 利用条件が定められている
乗り捨てはできない
乗り捨てができないのがデメリットと感じる方もいるでしょう。
返却するのに時間が掛かる場合は、料金面や利便性の面から考えてレンタカーの方が適しているケースもあります。
予約時に返却日時を指定する必要がある
予約時に返却日時を指定する必要があるのもデメリットかもしれません。他の会員と車をシェアしており、自分の利用時間以外は他の利用者に割り当てられるからです。
返却時間にどうしても間に合わない場合は、専用アプリなどから手続きをして、次の利用者に影響がない範囲で変更できる可能性があります。
借りたいときに借りられないことがある
車を借りたいときに借りられないケースがあるのもデメリットと言えるでしょう。
車を当てにして予定を組んでいても、実際には借りられなかった、といったことも起こり得ます。
利用条件が定められている
カーシェアリングでは利用条件が定められています。基本的に完全禁煙・ペット同乗禁止となっているケースがほとんどです。
カーシェアリングとレンタカーやカーリースとの違い
カーシェアリング、レンタカー、カーリースはどれも車を借りれるサービスです。ここではそれぞれの違いについて解説します。
カーシェアリングとレンタカーの違い
両者の大きな違いは利用時間と料金体系です。
一方、レンタカーは通常6時間以上の利用が必要で、長時間の利用に適しているサービスです。また、最低料金はカーシェアリングより高く、時間が長くなるほど安くなります。
他にも、車の利用に必要な手続きにも違いがあります。
- カーシェアリングは対面手続き不要で、ステーションで会員カードやスマーフォンなどをかざすだけで車を利用可能。もちろん24時間いつでも利用できます。
レンタカーは対面手続きが必要で営業所を訪問する必要があります。営業時間以外には手続きができないため、利用できる時間に制約が発生する可能性があります。
カーシェアリングとカーリースとの違い
カーシェアリングは利用したいときに車が使えるサービスであり、カーリースは業者とリース契約を結んでマイカーのように車を使えるサービスです。
また、カーシェアリングもカーリースも料金に経費が含まれていることは共通しています。
まとめ
今回はカーシェアリングの詳細な仕組みについて解説しました。
カーシェアリングは利用・料金とも手軽に車を利用できる仕組みとなっています。
特に車を短い時間使いたい方にピッタリサービスですので、マイカーの代わりに利用してみるのもいいでしょう。
本記事を参考にカーシェアリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。