
マイカーを購入する際は、ローンを組むのが一般的な支払い方法です。ローンを組むと、金利を支払う必要があります。
しかし、マイカーローンの金利がどの程度必要になるのかまでは、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
マイカーローンの金利相場は、銀行系ローンかディーラー系ローンかでも大きく変わってきます。
そこでこの記事では、マイカーローンの金利や銀行系ローンとディーラー系ローンの違いと仕組みなどを紹介していきます。
マイカーローンの金利相場
- 銀行系マイカーローン:1~3%
- ディーラーローン:3~10%
マイカーローンの金利相場を知るためには、まずはマイカーローンの種類を知る必要があります。
それぞれの金利相場は、非常にざっくりとですが上記のとおり。まずはローンの種類による特徴を解説していきましょう。
マイカーローンの種類
- 銀行系マイカーローン:口座をもつ銀行などで申し込む
- ディーラーローン:購入店で申し込む
銀行系マイカーローン
多くの銀行ではマイカー購入のための、ローン商品を用意しています。
その名のとおりマイカー購入に限定したマイカーローンであったり、多目的ローンでマイカー購入も可能といった商品もあります。このあたりは銀行ごとに多少の違いがあるでしょう。
ディーラーローン
もうひとつは、自動車販売店が提供しているディーラーローンです。正確には、販売店と提携しているローン会社が提供しています。
それぞれ金利相場が違います。各々にメリットやデメリットもあるため、詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
銀行系マイカーローン

メリット | デメリット |
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●メリット
銀行系マイカーローンの最大のメリットは、金利相場が安いという点です。
銀行系マイカーローンの場合は、銀行から借りたお金で自動車を購入するので、自動車の所有者は購入者です。
所有者が購入者自身となるため自分の好きなようにカラーを変更したり、カスタマイズすることも可能。この点もメリットといえるでしょう。
●デメリット
一方銀行系マイカーローンのデメリットは、手間と時間がかかることです。ローンの申し込みには多くの書類が必要となり、審査を待つ時間も必要になります。
もうひとつのデメリットが、審査の厳しさです。マイカー購入が目的とはいえ、銀行が渡すのは現金です。そのためディーラーローンと比較すると、審査がやや厳しくなる傾向もあります。
ディーラーローン
メリット | デメリット |
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●メリット
ディーラーローンのメリットは、時間がかからず、しかも審査が通りやすい傾向にあるという点です。
ローンが通らなければ、販売店でも自動車を販売できないため、結果ローン会社にとっても利益になりません。
できるだけ通るように考えるのがディーラーローンであり、そのため審査も通りやすい傾向があるといわれています。
●デメリット
一方ディーラーローンのデメリットは、金利相場が高い傾向にあるという点です。低金利ローンを探している方には、おすすめしにくいローンとなります。
もうひとつのデメリットが、自動車の所有者がローン会社になるという点です。
そのため、自動車の所有者はローンが完済するまでローン会社のものとなるわけです。所有者がローン会社のため、多くの場合は勝手なカスタマイズやカラー変更は不可となっています。
マイカーローンの金利計算について
- 返済方式は元利均等方式が一般的
- 金利には固定金利と変動金利がある
続いて、マイカーローンの金利について解説していきましょう。マイカーローンの金利に関しては、固定金利と変動金利があります。
金利返済の方式としては元利均等方式が一般的です。このあたりの金利や返済方式に関して説明していきましょう。
元利均等方式が一般的
まずは返済方式の「元利均等方式」について簡単に説明していきましょう。元利均等方式とは、毎月定額の返済をする方式です。
その毎月の返済額の中で、元金と利息分の割合が変化していく方式となります。参考までに、100万円を金利3%、返済回数36回で借り入れた場合の元利均等方式での返済例を紹介します。
返済回数 | 返済金額(月額) | 内元金充当分 | 内利息分 |
---|---|---|---|
1回目 | 34,897円 | 31,897円 | 3,000円 |
2回目 | 34,897円 | 31,997円 | 2,920円 |
3回目 | 34,897円 | 32,057円 | 2,840円 |
4回目 | 34,897円 | 32,137円 | 2,760円 |
この表でもわかるとおり、毎回の返済額は同額で、そのなかで元金充当分と利息充当分が変化していくことになります。
固定金利とは?
固定金利とは、市場金利に左右されず、最初に契約したときの金利で完済まで支払いを続ける方式です。
ただしマイカーローンの金利で採用されることはあまりなく、多くのマイカーローンは変動金利を採用しています。
変動金利とは?
マイカーローンで採用されることの多いものが、この変動金利です。半年に一度、市場金利などを参考に金利が見直される方式です。
市場金利が下がれば当然金利が下がることになり、一件お得に感じます。しかし、反対に市場金利が上がればローン金利も上昇することもあり、有利なだけではありません。
金利と支払回数による支払利息の差
実際の借り入れ例から支払い回数や支払金利による、支払総額の差を確認しておきましょう。
借入金 | 金利 | 支払回数 | 毎月の支払金額 | 返済総額 | 支払利息総額 |
---|---|---|---|---|---|
120万円 | 3.0% | 12回 | 101,632円 | 1,219,519円 | 19,589円 |
36回 | 34,897円 | 1,256,402円 | 56,402円 | ||
60回 | 21,562円 | 1,293,746円 | 93,746円 | ||
– | 36回 | 33,850円 | 1,218,590円 | 18,590円 | |
35,965円 | 1,294,743円 | 94,743円 | |||
37,053円 | 1,333,891円 | 133,891円 |
金利が高ければ返済総額も高くなります。また支払い回数が多くなると、その分利息が発生する期間も長くなり、支払総額も高額になります。
またローンを組む際は、銀行もしくはディーラーで数パターンの返済モデルを紹介してもらいましょう。無理のない範囲でローンを組むのがおすすめとなります。
低金利のマイカーローンを組む際のおすすめと注意点
マイカーローンを選ぶとなると、銀行系ローンだけでも多くの種類があります。さらにディーラーローンもあるため、さまざまな選択肢があることになります。
そのなかで「低金利」に注目してローンを申し込むとすると、どのような考え方をするとよいのでしょうか。以下より解説していきましょう。
時間がかかっても銀行系ローンがおすすめ
低金利なことを意識してマイカーローンを選ぶのであれば、銀行系マイカーローンがおすすめです。
確かに銀行系マイカーローンには面倒な面もあり、「時間がかかる」「審査が厳しい」というデメリットはあります。
参考までに「大手都市銀行」と呼ばれる4つの銀行のマイカーローンを、簡単に紹介しましょう。
三井住友銀行 | 三菱UFJ銀行 | みずほ銀行 | りそな銀行 | |
---|---|---|---|---|
商品名 | マイカーローン | マイカーローン | 多目的ローン | マイカーローン |
使い道 | 購入代金 免許証取得資金 車検代金 他 | 購入代金 借換資金 他 | 原則自由 | 購入代金 借換資金 他 |
借入金額 | 10~300万円 | 50~1000万円 | 10~300万円 | 10~500万円 |
借入期間 | 1~10年 | 6ヶ月~10年 | 6ヶ月~7年 | 1~10年 |
金利方式 | 変動金利 | 変動金利 | 変動金利 固定金利※3 | 変動金利 |
金利 | 4.475%※1 | 1.500~3.975% ※2 | 5.875% 6.600%※4 | 1.900% 2.800% 4.475%※5 |
返済方式 | 元利均等返済方式 |
※1…2021年10月1日現在※2…キャンペーン金利・据え置きタイプ含む※3…変動金利タイプか固定金利タイプから選択※4…上段が変動金利、下段が固定金利(2021年10月1日現在)※5…審査によりいずれかに決定(2021年10月1日現在)
使い道の制限はさまざま
注目すべきは金利ですが、使い道にも注目しましょう。銀行により使い道の制限はさまざまです。
みずほ銀行の場合、マイカー購入に限定したローンではないため原則使い道も自由です。
三菱UFJ銀行やりそな銀行では、自動車の購入代金に加え、マイカーローンの借り換えにも対応しています。
カスタマイズをする際の注意点
自動車購入と同時にカスタマイズを考えている方も注意が必要です。ローンによってカスタマイズ代に適用できるケースと、できないケースもあります。
カスタマイズ代を自動車を購入したのと同じ業者に支払うのであれば、適用可能なローンもあります。別の業者では、適用される場合とそうじゃない場合があるでしょう。
ここで紹介したのは都市銀行のみですが、全国各地にある地方銀行でもマイカーローンは提供されています。そちらも参考にして選ぶとよいでしょう。
固定金利と変動金利はどちらがお得か?
一般的にマイカーローンでは変動金利を採用されることが多く、固定金利のローンはさほど多くありません。しかし、一部固定金利のローンもあるのが現状です。
とはいえ固定金利と変動金利のどちらが得かは、簡単に判断できないのが事実です。
もちろん近い将来の予測であれば可能ですが、ローン期間が3年・5年ともなると長期的な予測が必要となります。これは非常に困難でしょう。
どちらが得になるかは一概にはいえず、こればかりはタイミング次第としかいいようがありません。
キャンペーンにも注目
銀行系マイカーローンを利用する場合は、その銀行が行っているキャンペーンにも注目しましょう。
銀行によっては金利の優遇や、プレゼントがもらえるキャンペーンなどもあります。同じローンを利用するのであれば、ぜひ活用したいところです。
こうしたサービスを利用するのも、ローン金利を抑えるには効果的です。
保証料に注意
銀行系マイカーローンを選ぶ際に注目しておきたいのが保証料です。ほぼすべてのローンで保証料は必要となり、その金額はローンを提供する会社ごとに設定されています。
都市銀行のマイカーローンなどの場合は、保証料も返済金額のなかに組み込まれているのが一般的です。しかし場合によっては、保証料なしのマイカーローンも存在しています。
保証料は、「返済ローンに含まれている」「別途支払う」「保証料なし」の3パターンがあります。
よくある質問
銀行系ローンで1~5%、ディーラーローンで3~10%が相場です。
しかしキャンペーンや車種、購入金額によっても大きく変わるため事前にチェックしておくことをおすすめします。
基本的には申し込んだ車の購入代金のみです。
しかしローンによっては購入時に同時購入する装備品や、カスタマイズパーツの費用も利用可能なケースもあります。
さらに自由度の高いローンでは免許書取得費用や、税金や保険料にも使えるローンもあります。
あくまでも一般論ですが、銀行系ローンの方が金利は低い傾向にある傾向です。
しかし申し込み手続きが煩雑であったり審査が厳しかったり、時間がかかります。
ディーラーローンにおいて金利は高めになりますが比較的審査もゆるく、時間もかからないことが多い傾向にあります。
借入金額や借入期間でも差が出るため、一概にはいえません。
ローン申し込みの際にそれぞれシミュレーションをしてもらい、毎月の支払金額や支払総額を確認しておくとよいでしょう。
まずは銀行系マイカーローンをチェックしましょう。
どの銀行を選ぶかは金利を中心に判断しますが、銀行によってはキャンペーンなどを行っているタイミングもあります。
こうしたキャンペーンを利用するのも、金利を抑えるポイントとなります。
それぞれの銀行で特徴のある商品があるため、自身の希望に近いものを選びましょう。
また都市銀行だけではなく、地方銀行でもマイカーローンを取り扱っています。近隣の銀行の商品もかならずチェックしましょう。
まとめ
ローンを組んでマイカーを購入する場合は、どこでローンを組むかで金利が大きく変わっていきます。
一般的にはマイカー購入時に購入する、販売店ですすめられるディーラーローンがひとつめの選択肢です。また銀行から融資を受ける、銀行系マイカーローンを利用するでしょう。
銀行系マイカーローンの方が金利は低い傾向にあるものの、その分審査が厳しいといわれており時間も手間も必要です。ディーラーローンはすぐに結果が出て、比較的審査もゆるい傾向にあるといわれています。
どちらを選ぶかは購入者次第ですが、金利を抑えたいのであれば、行系マイカーローンがおすすめです。