他カテゴリ記事を絞り込んで探す

アドベンチャーモデルベースの 411ccシングルのスクランブラー

  • 中古バイクカタログ
  • 2022.12.15

今回は、Scram 411の魅力や特徴をご紹介します!

インドのロイヤルエンフィールドは、得意とするミッドセグメントに、同社初となるアーバンスクランブラーを発売した。Scram411と名付けられた単気筒エンジンの新機種について解説しよう。

 

【目次】

1.ROYAL ENFIELD Scram 411について

2.Scram 411の特徴

3.車両詳細

 

  • ROYAL ENFIELD Scram 411について

「Scram(スクラム)411は幅広い道路環境に適応しています。ほとんどのスクランブラータイプのモーターサイクルは、スタイリングに重点を置いています。しかし我々がScram411の開発に着手したとき、デザインと目的が明確で、都市部でも悪路でも走破性が高いモーターサイクルを作ろうと決心しました。個性的なデザイン、遊び心のあるカラーリング、親しみやすいライディングポジションにより、Scram411は究極のアーバン・スクランブラーとなりました。日本では、交通量の多い都市部を中心に俊敏で扱いやすい都市型モーターサイクルに大きな将来性があると考えています。その中で完璧な選択肢になるでしょう」

 

ROYAL ENFIELDのアジア太平洋地域責任者であるアヌージ・ドゥア氏は、同社初となるスクランブラーモデルの発売についてコメントを出し、オンラインで開催した記者発表では「世界の消費者の動向をみますと、それまで小排気量が中心だった人たちがもっと上の排気量を求め、大排気量に乗っていた人たちがより乗りやすいもう少し小さい排気量を求めるようになってきていることから、ミッドセグメント市場が世界的に大きくなっている」と話した。

 

 アジア太平洋地域の中型排気量カテゴリーで、インドに拠点を置くROYAL ENFIELDブランドは近年大きく成長をしている。さらなる販売拡大を狙って、Scram411は誕生し、この日本市場にも投入されることとなった。ベースはアドベンチャーモデルであるHimalayan(ヒマラヤ)。どこでも走れるDNAを継承しつつ、よりストリートで使うことを考慮したものに仕立てた。

 

  • Scram 411の特徴

空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒で、ボア×ストローク=78×86mmとロングストローク411ccユニットは、ヒマラヤと共通のLS-410エンジンを使う。フューエルインジェクションで、空冷エンジンながらユーロ5をクリアし、24.3PS/6500rpmの最高出力と32N・m/4250rpmの最大トルクを発揮する。5速のギアレシオも含めて、ギアチェンジを頻繁にすることがないバランスに設定。デュアルパーパス性能を考慮したヒマラヤより、都市部での運動性、快適性を追求。セミダブルクレードルフレームは、2015年に同社が買収をして子会社となった、グランプリレースでの経験と実績があるイギリスの老舗フレームビルダー、Harris Performance Productsが携わる。

 

フロント21インチ、リア17インチのホイールを履くヒマラヤより、混雑した街中でも使いやすいようフロントホイールを19インチと小径化。より舗装路でのクイックネスを狙ったことが分かる。それだけでなくパッセンジャーも含めて長時間走行でも疲れないようにしたと強調した。純正で履いているタイヤは性能だけでなく、スタイルを重要視してパターンのデザインにもこだわったそうだ。シュラウド風に付け加えられた外装がスタイルの面白いアクセント。

 

ヒマラヤと違いダウンタイプのフェンダーを装着したフロントフォークのインナーチューブ径はφ41mm、ストロークは190mm。リンク式モノショックのリアサスペンションは180mmのストローク。リアはヒマラヤと同じだが、フロントは200mmのヒマラヤより10mm短い。このようにフロントホイールを小さく、フォークストロークを短くして、味付けを変更している。まだ実際には乗っていないので断言はできないと前置きして、このストローク量なら、オフロードもそこそこやれるはずだ。実際、プロモーションムービーにはダートを走るシーンも入っている。最低地上高200mmはロードスポーツより余裕がある。

 

気になるシート高は795mm。シートの形状やその下の車幅にもよるが、800mmを切ると足着きをポジティブに感じる人が多くなる。シティコミューターとして日常的に使える軽快でとっつきやすいモーターサイクルを目指しており、都市部の交通環境を念頭においてヒマラヤと比べてハンドル位置が低く、シートはプロファイルを変更している。通勤でも使いやすさがあり、ハイウェイ、渋滞も楽にこなせる快適性を考慮したと説明。

「平日は移動手段としても使え、週末はツーリングに使える。若い社会人、学生、年齢的には若くはないけど気持ちが若いアクティブな心を持っている人がターゲット」とアヌージ・ドゥア氏は語った。

 

メーカー希望小売価格は、Baseグレードとなるグラファイトイエロー/グラファイトレッド/グラファイトブルーの3モデルが83万8200円。Midグレードとなるスカイラインブルー/ブレイジングブラックの2モデルが84万5900円。Premiumグレードのホワイトフレーム/シルバースピリットの2機種が85万3600円。11月1日より全国のROYAL ENFIELD正規販売店で販売が開始された。純正アクセサリーやこれに合わせたアパレルもある。

 

ミドルクラスのスクランブラーモデルは、 国産メーカーのラインナップにはなく、FANTIC CABALLERO Scrambler 500、HusqvarnaSvartpilen401など海外メーカーのみであり、少し前までDUCATI SCRAMBLER Sixty2もあった。Scram411はそれらよりリーズナブルなところが注目点だ。しかし、ある意味でニッチなカテゴリーから、範囲を大きく400ccクラス全体まで広げると、価格的な優位はなくなってくる。スタイルの好みや人とは違うものが欲しい、という需要は確実にある。現在ある、25箇所の正規販売店と5箇所のサブディーラーをさらに増やすことも重要だろう。性能よりも、自分のライフスタイルを彩るアイテムとして選ぶ傾向がある若者ほど、この個性的なスクランブラーを受け入れやすいかもしれない。

 

  • 車両詳細

Himalayanゆずりのロングストローク空冷4ストSOHC2バルブシングル411ccエンジン。圧縮比は9.5:1。始動はセルのみ。変速は5段。

 

フロントブレーキはφ300mmシングルディスクに2ピストンキャリパー。スポークホイールのリム径は19インチでバイアスタイヤを履く。

 

リアサスペンションはリンク式モノショック。前後2チャンネルのABSを標準装備。リアのディスクはφ240mm。リアホイールは17インチ。フレームはセミダブルクレードル。

 

左にオフセットしたアナログ表示のスピードメーターの中央にLCDスクリーンがあり、ギアポジション、残燃料、距離計など各種情報を表示する。

 

長時間でも快適に過ごせるよう設計したという前後一体型の段付きシート。ヒマラヤよりもシート高は5mm低い795mm。

 

●Scram 411主要諸元

■エンジン種類:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ ■総排気量:411cm3 ■内径×行程:78×86mm ■最高出力:17.9kW(24.3PS)/6,500rpm ■最大トルク:32N・m(3.26kgf・m)/4,250rpm ■変速機:5段リターン ■全長×全幅×全高:2,210×840×1,165mm ■軸間距離:-mm ■最低地上高:200mm ■シート高:795mm ■車両重量:194kg ■燃料タンク容量:15L ■タイヤ(前・後):100/90-19・120/90-17 ■ブレーキ(前・後):油圧式ディスク(ABS)・油圧式ディスク(ABS)■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):838,200/845,900/853,600円(3タイプ7バリエーションカラーにより)

 

制作・協力

■文:濱矢文夫 ■協力:ピーシーアイ(株)http://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp

 

オークネット提供サービス一覧
© 2016- AUCNET INC.