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【BMW CE 04】電動バイク市場を引っ張るBMW
- 中古バイクカタログ
- 2024.09.02
今回は【BMW CE 04】を紹介します!
とうとうBMWの新たな電動モデル「CE 02」が発売になり、そのカジュアルでアクティブな姿を雑誌などで目にした人も多いだろう。CE 02は新しい電動バイクの提案だが、その前からBMWは「Cエボリューション」、そしてこの「CE 04」でスクータースタイルの電動車を提案してきていた。
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電動といえばBMW
世の中で「電動モビリティ」が声高に語られるようになって久しいし、四輪の世界では各社共に様々な提案をしてきている。しかしバイクの世界ではもう一つ、電動化の波は起きていないと言えるだろう。
4輪はスペース的に大きなバッテリーを積むことができることや、オートマ操作が一般的であるといったことが追い風となっているのだろうが、2輪はスペース的制約がある上、ミッションを駆使したスポーツライディングを好む風潮や、あるいは内燃機エンジンのサウンドやバイブレーションを楽しむ向きもあることだろう。
そんな中、BMWは2017年、スクータースタイルの「Cエボリューション」で電動の魅力を発信した。ルックスこそスクーターでありしかも軽二輪枠だったのだが、これが驚くほど速く、信号ダッシュなどはスポーツバイク顔負けの性能を見せた。
そのCエボリューションの後継とも言えるのがこのCE-04。足を投げ出すスタイルやロー&ロングな車体はスクーター的とも言える。しかし近未来的なデザインはもはやカテゴライズするのは難しいだろう。足周りの設定やタイヤの選択などはかなりスポーティなテイストも与えられている。
そしてつい先日、こんどはファンバイクスタイルでCE-02も発売。パワー、航続距離、充電時間など、電動車に求められる要素がどんどん進化し、バイクとしての面白さも同時に追求しているという意味では、BMWはこの分野で抜きんでた存在だ。
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試乗インプレッション
速い速い速い!
Cエボリューションの時点で本当に速かったのだが、CE 04もまたとても速い。アクセルひと捻りでものすごい勢いで加速し、しかもエンジン音や振動がないことでどこまでもスムーズでスマート。強大なトルクが苦も無く車体を進める感覚は、超軽量化した電車といった感じか。振動も音もなくホームから力強く発車する新幹線をイメージしてしまった。
Cエボリューションよりその速さを手の内における感覚になっているのは、重心の低さやホイールベースとの関係によるものだろう。あくまでスクータースタイルだったCエボリューションに対して、CE 04は極端に言えばドラッグレーサー的な、地を這う感覚がある。重量物であるバッテリーは車体の底部に配置し、そしてモーターも車体に搭載して後輪はベルトで駆動するなど、Cエボリューションよりも格段にスポーティな進化を果たしている。
回生ブレーキの設定
押し引きはハッキリ言ってかなり重く、人間の力だけで取りまわすのは難儀する。というのも、実重量が重いということではなくモーターの抵抗があるからだ。しかし電源を入れればソロリと駆動をかけて取りまわせるモードがありありがたい。このモードはバックでも効くので、コレを使えば取り回しに苦労はない。
アクセルを閉じて後輪がモーターを回しているいわゆる「エンブレ」の状態では逆に電力を発生してバッテリーに溜める「回生」機能が働く。Cエボリューションではこの回生システムを好みに合わせて色々変えることができたのだが、CE 04ではそこら辺の設定をモードごとに割り振るなど簡略化した。これに関しては進化というよりは付き合いやすさの向上といったところだろう。エンブレが強めにかかった方が好みなのか、あるいはアップダウンの激しい地域に住んでいて少しでもエネルギーを回収したいのかなど、使うシチュエーションによって変わるだろう。
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さらに突き放していくBMW
他社からも電動のバイクは出てきてはいるものの、趣味ユースとして興奮と感動を届けつつ、現実的な航続距離や充電時間を実現しているという意味では、BMWはこのCE 04、そして最新のCE 02で完全に他社を突き放していると言えるだろう。これは四輪の技術が上手く転用できているといった背景もあるそうだが、BMWの電動に対する力の入れようにはただただ脱帽である。
惜しむらくは、外国メーカーゆえに補助金の類が国産メーカーほど潤沢に得られないという事情があるらしいことだ。これゆえ価格がまだかなり高額であるというのがネックとは言える。しかし技術的な部分では既にかなりのアドバンテージがあると感じられるため、競争力のある価格もじょじょに実現していくことだろう。
今のところ、電動といえばBMWであるということを再確認した試乗であり、最新CE-02が試乗できるタイミングも楽しみである。
膝の間にタンク(に相当する造形物)がないこともあってスタイリングとしてはスクーター的ではあるが、フローティングしているシートやディッシュホイール、先進的なデザインなど枠にはめられないカタチをしている。足着き性は良好だが取り回しはホイールベースが長いことであまり小回りは得意ではないのに加え、モーターの抵抗があるため押し引きも重い。電源を入れれば微速で前後できるモードを活用できる。※ライダーの身長は186cm
非常に良く効くダブルディスクブレーキにピレリのロッソスクーターというタイヤを履くあたり、かなりスポーティな設定も意識している。事実超低重心の車体はそのロングさを意識することなく気軽にバンクさせることができ、かつバンク角もかなり深く設定されていた。
テール周りは最新のCE 02のように最小限の設定ですっきりしている。モーターは車体に搭載され、駆動は振動なく、静かかつスムーズ&クリーンなベルト。なおセンタースタンドはテコが上手に設定されていて、長く重たい車体もごく簡単に立てることができた。
段付きのシートは内部にシートヒーターも備え、冬季のライディングもサポート。これは日本仕様だけの設定だ。シート下にはちょうどヘルメットが入りそうなラゲッジスペースも用意され、横からアクセスすることができる。
横長のカラーメーターは電費の状況と回生システムの状況をリアルタイム表示。マットな表面など光の角度に関わらず見やすいのはBMWの強みか。満充電の走行距離は130kmほど、0%から80%まで充電するのにかかる時間は65分だ。
BMW CE 04 主要諸元
■原動機種類:電動モーター ■最高出力:31kW(42PS)/4,900rpm ■最大トルク:62N・m(6.3kgf・m)/0-4,900rpm ■全長×全幅×全高:2,285×855×1,150mm ■軸間距離:1,675mm ■シート高:800mm ■車両重量:231kg ■タイヤ(前・後):120/70R15・160/60R15 ■ブレーキ(前/後):油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):2,064,000円~
■試乗・文:ノア セレン ■撮影:渕本智信 ■協力:BMW Motorrad JAPAN