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【Ducati Monster+】ドゥカティ“らしさ”を失わず、 誰もが楽しめるフレンドリーさがある。

  • 中古バイクカタログ
  • 2022.07.06

今回は「Ducati Monster+」をご紹介します!

 DUCATIのMONSTERが誕生したのは約30年前だった。

個性的で美しいモダンデザインのネイキッドスポーツとして大ヒットとなり、ずっとラインアップされてきた定番機種。

 

Monster+

その最新版、937ccの水冷4バルブテスタストレッタ11°エンジンを搭載したMONSTER+(モンスタープラス)に乗った感想を簡単に言うならば、らしさを失わず、より幅広いユーザーが楽しめる優しさを手に入れた、になる。

 

【目次】

1.ストレスのない足つきとフィット感!

2. 試乗インプレッション

3. 車両詳細

 

  • ストレスのない足つきとフィット感!

Monster+

 シートに腰をおろしてすぐにローシートとサスペンションキットを装着した日本仕様のシート高=775mmという低さに驚かされた。身長170cmの66kg、一般的な体型より短足を痛感することが多い筆者で両足裏が地面にベタ着きして、膝に少し余裕まである。ロー&ロングが様式美のクルーザーモデルを除きロードスポーツモデルでここまで足着きがいいバイクはなかなかない。多くの人が機種選びで重要視する項目をクリアした。その低いシートでもペグにのせた足の膝は窮屈に曲がらない。ハンドルグリップ位置が前モデルのMONSTER 821より近く高くなったこともあり上半身の前傾は小さい。

 

Monster+

このモデルからスタイリングのアイコンにもなっていた、トレリスフレームをやめたこともニュースだ。Lツインエンジンを強度メンバーとして活用し、鋳造されたアルミ製のフロントフレームを前に向けて取り付ける。リアのフレームは、エンジン後方シリンダーのヘッド部分とクランケースに接続されたガラス繊維強化ポリマー(GFRP)でできたもの。フロントフレームとは分離されている。これはパニガーレでやったのと同じ考え。それもあって、シートの幅からそのまままっすぐ足をおろしている感覚になる細い車体を手に入れた。良好な足着きだけでなく、ライディングをしていてバイクと一体になっていると強く感じるフィット感を実現。

Monster+

ライドバイワイヤでコントロールするLツインエンジンは、最高出力を前モデルより2PS増やした111PSで、最大トルクは86Nmから7Nm増えた93Nmを、より低い6500rpmで発生する。排気量を増やしながらダイエットをしてエンジン単体で2.4kgも軽量化された。軽くしてパワーアップは正当なパフォーマンスアップのやり方だ。

低回転域からのトルクに不満はなく、スロットルを大きく開けると6千回転付近から加速が勢いづいて、1万回転付近まで簡単に回りきる。3つあるライディングモードを最もハイレスポンスなスポーツモードにしても、荒ぶるようなところはまったくない。思いっきり走ると、エンジンパワーはちゃんと路面に伝わり確実に前に進み、速いけれどいつでも手の内にある感覚。フラットに近いトルク特性で持て余すことなく使いやすさすらある。

 

Monster+

  • 試乗インプレッション

Monster+

ゆっくりと走っている時からからスムーズに動いて突っ張る印象がない前後サスペンションは、飛ばしていってもへこたれない。フワフワと感じさせない適度に減衰が効いて、タイヤを路面から離さない。とにかく素晴らしいほど身軽なフットワーク。内側ステップに荷重して倒し込むときの反応の良さが実に気持ちいい。それは400ccくらいのネイキッドに乗っているかのような俊敏さ。

Monster+

フロントブレーキはよく働き、タイヤのグリップも把握できて制動コントロールがやりやすい。試乗コースにあった小さく180°ターンするのもハンドルの切れ角が36°と十分にあるから困らない。低回転域のままパーシャルでゆっくり進む場合でも神経質なところがない。MONSTER 821であった低回転域で多少ギクシャクするところが影をひそめた。

Monster+

気持ちのいい加速がありながらどの回転域でも扱いやすくて最後まで使い切れるエンジンに、自由自在感があるハンドリング。こうなると走るのがおもしろくてしかたがない。シフトアップだけでなく、コーナー進入に向けての減速でも単純に踏んで落とすだけで強いエンブレも感じられずに決まるクイックシフトもうれしい装備だ。旋回中も安定しており難しく感じさせない。ベテランでもウキウキするようなスポーツライディングする魅力が詰まっていながら、ビギナーにもおすすめできるフレンドリーさ。これぞ進化である。

Monster+

  • 車両詳細

標準モデルのMONSTERと、このMONSTER+の外観的違いは、ヘッドライト上のマイクロビキニカウルがついて、パッセンジンジャーシートカバーがついたところ。ヘッドランプはフルLED。シュラウド部分に帯状に入ったLEDウインカーは4輪でも流行りのシーケンシャルタイプ。ミラーも含めて凝ったデザインはDUCATIらしさ、MONSTERらしさでもある。

 

倒立フロントフォークのインナーチューブ径はφ43mm。ホイールは前モデルのMONSTER 821より前後で約1.7kg軽量になったいる。ラジアルマウントした4ポッドモノブロックキャリパーはブレンボ製。2枚のブレーキローター径はφ320mm。コーナーリングABSを備える。標準タイヤはPIRELLI DIABLO ROSSO III。サイズはフロントが120/70R17、リアが180/55R17。

 

水冷4バルブデスモドロミックV型2気筒のテスタストレッタ11°エンジン。MONSTER 821より排気量を116cc増やした937cc。それでいてエンジン単体は821より軽くなった。変速は6段で、クラッチは油圧式。アップ&ダウンに対応したクイックシフターを標準装備。MONSTERシリーズの伝統であった見慣れたトレリスフレームをやめて、アルミ製でボックス型形状をしたフロントフレームになった。結果としてすぐに現行モデルとわかるスタイルにもなっている。

 

スイングアームは片持ちではなく両側に伸びた一般的な形状。MONSTER 821のスイングアームより1.6kgも軽量化した。リアサスペンションのショックはプリロード調節が可能。ステップの位置は以前より10mm下がり35mm前に出て下半身の自由度を高めた。特徴的な造形をしたエキゾーストマフラーは右2本出し。

 

アルミテーパーバーのハンドルは、MONSTER 821 よりライダーに70mm近づいて前傾姿勢が弱まった。ハンドル切れ角は左右36°。電子制御スロットルを採用して「スポーツ」「アーバン」「ツーリング」とライディングモードがあり、ハンドルスイッチでの切り替えも簡単。

 

メーターは4.3インチのカラー液晶ディスプレイ。トラクションコントロール、ウイリーコントロール、ローンチコントロールなど現代的な電子制御も抜かりない。

 

海外の標準モデルのシート高は820mmで、ローシートとローダウンサスの日本仕様は775mm。250ccでもなかなかない低さ。中にリアフレームが隠れておらず、シート下に見えている黒い部分が、ガラス繊維強化ポリマー(GFRP)製のシートフレーム。後ろバンクのシリンダーヘッドとクランクケース後ろ側にボルトオンされている。車体が細区ニーグリップのフィット感も良好。

 

 

●Monster + 主要諸元

■エンジン種類:水冷4ストロークL型2気筒DOHC 4バルブ ■総排気量:937cm3 ■ボア×ストローク:94.0mm×67.5mm ■圧縮比:13.3 ■最高出力:82kW(111PS)/9,250rpm ■最大トルク:93N・m(9.5kgf・m)/6,500rpm ■全長×全幅×全高:--mm×--mm×--mm ■ホイールベース:1,474mm ■シート高:775mm ■車両重量:166kg(乾燥) ■燃料タンク容量:14L ■変速機形式:常時噛合式6段リターン ■タイヤ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17 ■ブレーキ(前・後):油圧式ダブルディスク・油圧式ディスク ■懸架方式(前・後):テレスコピック式・スイングアーム式 ■車体色:ドゥカティ・レッド、アビエイター・グレー、ダーク_アウテルス ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):1,525,000円

 

制作・協力

■試乗・文:濱矢文夫 

■撮影:渕本智信 

■協力:Ducati Japan https://www.ducati.com 、JAIA https://www.jaia-jp.org/

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