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【Honda NX400】クロスオーバーモデルの傑作が 外観を一新してモデルチェンジ

  • 中古バイクカタログ
  • 2024.10.22

今回は【Honda NX400】を紹介します!

ツーリングライダーから厚い支持を得ているホンダ400XをベースにしたNX400が2024年4月に登場した。ベースとなった400Xは2013年に登場し、水冷4ストロークDOHC 4バルブ直列2気筒400ccエンジンやフレームを共有するフルカウルスポーツのCBR400RとネイキッドスタイルのCB400Fの兄弟機種として誕生したクロスオーバーモデルである。専用17リットルの燃料タンク、専用ダブルシート、ウインドスクリーンの採用、アップライトなライディングポジションなどツーリングに適した特徴を有している。私はこの初代400X(NC47)の2014年式を9年前に購入し、現在に至るまで所有している。その間、東は下北半島、西は太宰府天満宮まで行き、苦楽を共にしてきたが、不満な点はほとんどない。

 

 今回発売されたNX400は400Xの最終型となる2022年モデル(NC56)を基本として、外観やメーター周りなどを中心にアップデートされ、名称は400XからNX400へ、型式もNC65へと変更された。名称もさることながらフロント周り(顔つき)の変化が最も大きい。都会的な雰囲気が漂うハンサム顔から、ちょっと小顔でシュッとしたイケメンになったと言ったら分かりやすいだろうか。顔つきの変更に合わせてメーターとウインドスクリーンの位置が前に移動したことで前方視界が広くなり、メーターの視認性もアップしている。

 

 初代400Xとの違いを語る上で外せないのが、テールパイプが2本になったマフラーと19インチのフロントタイヤだろう。排気音が大人しい400Xと比べると段違いに野太くワイルドになったことで、よりアドベンチャー系、オフ系を意識しているのが体感できる。タイヤは400Xではフロント、リアともに17インチだが、2019年以降のモデルはフロントが19インチ、リアが17インチというコンビネーション。NX400でも継承されており、400Xがロードバイク寄りに対してNX400はオフ車っぽくなっている。

 

 400Xで採用された水冷4ストロークDOHC 4バルブ直列2気筒400ccのエンジンは継承。100㎞/hでの回転数は5000rpm前後。街中を流すなら4000rpm前後。6段式ミッションと合わせて中低速から高速域までストレスなく走行できる。変速比や最高出力は400Xや兄弟機種のCBR400Rと同様。ただしトルクと燃費(定地燃費値)がNX400を含めた2019年式以降わずかながら向上している。実際に試乗したところ、400Xを同条件で乗車した場合と比べて約1~2㎞燃費が向上していた。

 

 シートに跨った感じや足着きは400Xと大差ないものの、2019年式以降シート前部がシェイプされ、小柄なライダーでも跨りやすくなった。アップライトな肩ひじ張らない楽なポジションはロングツーリングだけでなく街中を走行する時も最適。スリムで見た目よりも軽いので、押して歩いたりするのも苦にならない。リアキャリアはオプション扱いで、日帰りツーリング程度ならばタンクバッグやリアシートバッグ、バックパックを併用すれば問題ないが、ロングツーリングやキャンプツーリングをするならばオプションのリアキャリアやサイドバッグの装着をお薦めする。

 

 私の場合、普通二輪免許で乗れて、積載性や取り回しやすさ、経済性などを踏まえて、キャンプツーリングのための道具としてどのバイクが最適かを考えた上で出た結論が400Xだった。その発展版であるNX400は、私のようにキャンプツーリングやロングツーリングを楽しみたいと考えている方にお薦めの1台だ。

 

  • 車両詳細

今回の試乗ではツーリングスポットとして人気がある長野県松本市にある美ヶ原高原と、『ゆるキャン△』『君の名は。』などの聖地として知られている高ボッチ高原まで日帰りツーリングに出かけた。高速道路から街中、ワインディング、林道といった様々な条件下でもストレスフリーで走れた。

 

これが今回試乗したNX400。ボディカラーはマットバリスティックブラックメタリック。フロント周りが一新されているのがNX400の最大の特徴。400Xに比べてだいぶキリっとしてスリムになった。

 

フロント周りが変更されたのに対してリアのデザインは400Xから踏襲されている。ブラックアウトした外観はスポーティーでワイルドな印象を与えている。

 

小型化されたヘッドライド、ウインカーともにLEDを採用。ヘッドライトは明るさ、配光パターンともに適切で、照明の少ない高速道路での夜間走行も安心して乗車できる。

 

メーター上部、ウインドスクリーン内側にはアクセサリーバーが付属。テーパー形状のハンドルバーが採用され、400Xより前方に移された5インチフルカラーTFT液晶メーターは大きくなっただけではなく視認性と表示される情報が増やされた。

 

ハンドル左側にはウインカーレバーの他にメーターの表示を切り替えるためのマルチファンクションスイッチ、その左には一種のトラクションコントロール機能であるHSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)が採用されている。

 

19インチのフロントタイヤに加えて、2022年式からフロントブレーキはダブルディスク化され、フロントサスペンションには、インナーチューブ径φ41mmのSHOWA(日立Astemo株式会社)製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)倒立フロントフォークが採用されている。

 

400Xシリーズの特徴である399㏄水冷DOHC直列2気筒エンジン。最高出力は同じだが、2019年式以降、吸排気系の見直しによりトルクが若干アップしている。6速ミッションにより低中速から高速域まで扱いやすい。また燃費が良く、容量17リットルのタンクとあいまってロングツーリングに適している。

 

初代400Xではマフラーのテールパイプが1本だったが、2019年式以降は2本となりオフ車っぽい野太く迫力のある排気音に変わった。

 

リアタイヤは17インチ。2019年式以降、リアサスペンションのストロークが延長されており、フラットダート走行時の安定性に貢献している。

 

左右にグラブレールが設けられ、リアキャリアはオプション扱い。グラブレールには荷掛けフックが付いているが、市販のキャリングコードなどを使い場合は少々工夫が必要。リアキャリアを付けない場合はシートバッグが最適。

 

アップライトなライディングポジションは長時間乗っても疲れにくい。大きめのウインドスクリーンは効果的に風などを防いでくれるだけではなく、ダクトのおかげで換気性能も優れている。シート高は800mmで、身長168cm、体重78㎏の筆者の場合、足つきは良い。

 

標高は1,655mの高ボッチ高原までのルートは舗装はされているものの道幅は狭く荒れた部分も多かったが、クロスオーバーモデルのNX400なら何ら不安を感じることなく乗り切れた。ここでのビューポイントは2か所あり、こちらは立派な石碑が置かれた松本市方面が見える側。

 

一方、こちらは石碑のある場所から少し塩尻方面に進んだところにある駐車場。諏訪湖だけではなく遠くには富士山も望めるという。こんな映えスポットにNX400なら躊躇なく出かけられる。

 

制作・協力

■試乗・文:毛野ブースカ

■撮影:毛野ブースカ、玉井久義

■協力:ホンダモーターサイクルジャパン

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