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“カタナ”デザインを持つ コンパクトスポーツバイク“KATANA”

  • 中古バイクカタログ
  • 2022.09.14

今回は、SUZUKIのKATANAをご紹介します!

カタナといえば「当社の財産です」とスズキが語る、名車中の名車、GSX1100S。81年に海外専売モデルとして発売されたカタナは、国内市場へは「逆輸入」の形で販売され、1994年には国内仕様も登場。2000年にはファイナルエディションが発売されたロングセラーだ。

 そのカタナが姿を変えて新登場したのが2019年。今度は既存のGSX-S1000をベースとしたモデルで、これはかつて、GSX1100Eをベースにカタナが誕生したのと同じ経緯。その現行モデルは、車種の判別上、ここでは「KATANA」と表記します。

 

【目次】

1.KATANAの魅力・特徴

2.車両詳細

 

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  • KATANAの魅力・特徴

KATANAは、ベースモデルGSX-S1000のコンポーネントを使用した水冷エンジン、アルミツインスパーフレームのモデルで、カタナの、あの唯一無二のスタイリングのテイストをイメージさせる。ただし、GSX1100Eからカタナが派生したことよりも、GSX-S1000からKATANAが生まれたことの方が、ずっとベースモデルに近い。カタナをオリジナルモデルに感じ、KATANAをGSX-S1000のスタイリング違いと捉えるファンが多いのもこのためだろう。

 

事実KATANAは、GSX-S1000をベースに、スタイリングだけを変えたモデルだと言っていい。格好は違うけれど、走りの味はGSX-S1000のもので、そこにライディングポジションや細かいディテールの変更で違いを持たせている。つまり、俊足GSX-S1000譲りの走りを持つカタナスタイリングのモデルなのだ。

 最高出力148psを発揮する、車両重量215kgのKATANAは、またがると数字以上にコンパクトで、ハンドリングも切れのいい、俊敏なスポーツバイクといっていい。高い幅広ハンドルでアイポイントが高く、リラックスしたライディングポジションのゆったりネイキッドだと思うこともあるけれど、その走りはコントロール性の高いスポーツバイク。

 

まずはエンジンがパワフルで、レスポンスが鋭い。パワー特性は、3000~5000rpmあたりの力が強い中回転トルク型と呼べるものだが、その上の高回転域の吹け切りもいい。中回転域にトルクを寄せたぶん、発進トルクが犠牲にならないよう、発進時に回転ドロップを感知すると、それを補正して開け増しをしてくれるローRPMシステムを追加したり、トルクがドンと出ないよう、スロットルプーリー形状も専用設定している。

 

そのハンドリングもGSX-S1000よりもコンパクトに感じられる車体がクルクル回るような俊敏さがあり、パワーあるエンジンをコンパクトな車体でコントロールするスポーツバイクに仕上がっていると言っていい。

 ここは、名車カタナと大きく違うところだ。あの空冷4気筒エンジンは、スズキ初の4ストロークエンジンを搭載したGS750/GS1000の熟成型で、低回転トルクの強大なトルクを、長いホイールベース、激しい前傾ポジションで味わう、ビッグツーリングバイクだったからだ。

 

そのKATANA、22年モデルでマイナーチェンジしたGSX-S1000と歩調を合わせ、主に電子制御技術をグレードアップ。まずスロットルバイワイヤ(=TbW)を採用し、総合電子制御システムS.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)を搭載。これは、3つの走行モードから出力特性を選べるドライブモードセレクタと、5段階+OFFに調節できるトラクションコントロール、さらにシフトUP&DOWN両方向に使用できるクイックシフトなどを統合した総称だ。

 

走り始めてわかるのは、TbWによるスロットルのツキの良さ。ただでさえパワフルな水冷4気筒がさらに激しいレスポンスで発揮されるようになり、無造作にスロットルを開けると体を持っていかれるほどの力強さを感じることになる。

 

ハンドリングのテイストは変わらない印象だが、出力が力強くなったぶん、さらにメリハリが効いて、俊敏に動かすことができる。ストリート、高速道路のクルージング、さらにワインディングやサーキット的なスポーツランに使ってみると、びっくりするほどスポーツランへの適応力が上がったような印象なのだ。

 

今どき、こんな「ジャジャ馬」っぽいキャラクターのモデル、かなり珍しい。長時間乗っていると、刺激の強いフルパワーよりも、パワーモードを1段穏やかな「B」にすると心地良かったほどだ。

 

 1000cc/150psクラスのハイパワーバイクでこの走り。12Lとタンク容量の少なさを指摘されることが多く、ロングツーリングに決して向かないKATANAは、カタナ生誕40周年を機に誕生した、カタナデザインを持つスポーツバイクだったのだ。

 

  • 車両詳細

 

マイナーチェンジで150psを発揮するに至った水冷4気筒エンジン。3段階に出力特性を選べるパワーモードセレクト、クラッチワークなしでシフトUP&DOWNできるクイックシフトなどを採用している。

 

 

Φ310mmローターをダブルで、さらにラジアルマウントされたブレンボ製4ピストンキャリパーを装備。22年モデルはフロントフォークのアウターチューブをゴールドに統一した。

 

 

スズキで初めてスイングアームマウントのリアフェンダー+ナンバープレートを装備。ナンバーマウントで強度が必要なため、このブラケット自体にも重量があるのもハンドリングのキャラクターだ。

 

 

シート後端をスッパリカットしたような、タンデムには向きそうもないダブルシート。シートカウルやテールランプマウントも、街中で見かけるとひと目でKATANAとわかるチャームポイントだ。

 

ヘッドライトからタンク、カウルリップのデザインがやはりカタナデザインを色濃く継承している。ヘッドライトやウィンカー、テールランプなどの灯火類はすべてLEDを採用している。

 

ギアポジション表示つきのフル液晶メーター。タコメーターはバーグラフ式で、ツイントリップ、瞬間&平均燃費、残ガス走行可能距離などを表示できる。ドライブモード、トラクションコントロール表示つき。

 

制作・協力

■試乗・文:中村浩史 ■撮影:富樫秀明 ■協力:SUZUKI ■ウエア協力:アライヘルメット、クシタニ

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