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【Kawasaki NINJA ZX-4RR KRT Edition】やっぱり快感400ccヨンパツ! 250でも600でもないちょうどよさ
- 中古バイクカタログ
- 2024.08.16
今回は【Kawasaki NINJA ZX-4RR KRT Edition】を紹介します!
4気筒400ccの人気モデル、ホンダCB400SFが生産終了となり普通二輪免許枠で唯一の4気筒モデルとなったカワサキNinja ZXシリーズ。ZX-25Rの兄貴分としてデビューしたZX-4R/RRは90年代には当たり前だった「ムカシの4気筒400cc」とは段違いの進化を見せている!
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NINJA ZX-4RR KRTの特徴
ロングセラーモデルCB400SFの生産終了で、400ccクラス唯一の4気筒モデルとなったNinja ZX-4R/RR。かつて80年代中盤から90年代には、400ccのスポーツモデルといえば4気筒が当たり前だったが、現代のスポーツバイクは、4気筒よりもシンプルでコストパフォーマンスも高い2気筒モデルが主流となっている。
そのZX-4R/RRの基本構成は250cc版のZX-25Rとほぼ同一で、外観上の差はフロントブレーキがシングルかダブルか、というくらい。サイズもほぼ同じで、車両重量も4R/RRの方が5kg重いだけで、このあたりはNinja250と400の関係性によく似ている。それでも、両車には驚くくらいの差があるものだ。
その差とは、やはり動力性能。ほぼ同じボディに、秘める力は1.6倍もの差があるのだ。さらに「ムカシの4気筒」に入る1 9 9 9 年モデルのZXR400が53psだったのに対し、ZX-4R/RRはラム圧の効く高回転域で80psをマークする。実に1.5倍の高出力だ。
その新世代の4気筒400ccは、ムカシの4気筒のイメージである低回転トルクが細く、高回転になるにつれてパワーが沸き上がってくるタイプではなく、アイドリングすぐ上からトルクが出ている。2000rpm以下でもバイクを前に進める力があって、ストリートでよく使う4000~5000rpmといった回転域でも、交通の流れをリードするに充分なものだ。
そのパワーの出方もスムーズなもので、特にこのあたりに30年の技術の進化を感じられる。わざと高いギアで低回転を使っても、ガクガクとノッキングを起こすことなく、4気筒らしくスムーズな出力があるのだ。
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試乗インプレッション
高速道路に入ると、トップギア6速で100km/hは6300rpmあたりで、このエンジンにとってはまだまだ中回転域。この新世代4気筒400ccは、淀みなく15000rpm近くまで回るから、2000rpmから15000rpmまで力のある、ものすごいフレキシビリティを持つエンジンということができる。
同じ排気量の2気筒モデルNinja400は、もっとトルクの出方にダイレクト感があって、2気筒エンジンとは思えないスムーズさがあるけれど、トルクにパルスを感じる2気筒と、回転がシルキーな4気筒という大きな違いがある。現在、40~50歳代の「ムカシの4気筒」を知っている世代には懐かしく、2気筒エンジンで育ったそれ以下の年齢層には新鮮̶̶それが新世代4気筒400ccなのだ。
ハンドリングはZX-25Rに通じる安定感あるタイプで、そこに軽快感がある。スパスパとシャープなハンドリングというよりは、フロントタイヤにしっかりした接地感があって、キャリアの浅いライダーも恐怖感なく、馴染みやすいフィーリングだ。
4~5000rpmあたりを使うコンパクトなワインディングを走ると、2気筒のNinja400の方が思い通りに走れるかもしれないけれど、高速コーナーが続くようなエリアでは、4気筒のZX-4R/RRの気持ちよさは段違い! こまめにシフトチェンジせず、ひとつのギアを引っ張っての高回転域が本当に気持ちいい。スムーズで伸びる回転フィーリングこそが4気筒の醍醐味だ!
ZX-25Rの気持ちよさと、ZX-6Rの力感を味わえるのが、このZX-4R/RR。ZX-25Rって気持ちよくてよく走るとか、ZX-6Rは1000ccほど力がなくて扱いやすい、という今までの考え方を改めたくなるような仕上がり。
ZX-4R/RRに乗ると、やっぱり25Rを非力に感じるし、6Rの力は扱いきれないな、と思い直してしまう。2気筒も4気筒も、エンジンの快感エリアは高回転域だし、6Rのそのエリアは、やっぱりサーキットでこそ真価を発揮するけれど、持て余しがち。
だから4R/RRの「ちょうどよさ」が、史上最高に気持ちイイ。
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車両詳細
Kawasaki Ninja ZX-4RR KRT Edition 主要諸元
■エンジン種類:水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ■総排気量:399cm3 ■ボア×ストローク:57.0×39.1mm ■圧縮比:12.3 ■最高出力:57kW(77PS)【ラムエア加圧時59kW(80PS)】/14,500rpm ■最大トルク:39N・m(4.0kgf・m)/13,000rpm ■燃料供給方式:FI ■全長×全幅×全高:1,990×765×1,110mm ■軸間距離:1,380mm ■シート高:800mm ■車両重量:189kg ■燃料タンク容量:15L ■キャスター角:23.5度 ■トレール:97mm ■変速機形式:6段リターン■ブレーキ形式(前・後):油圧式Wディスク・油圧式ディスク ■タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・160/60ZR17 ■メーカー希望小売価格(税込):1,155,000円
「ムカシの4気筒」であるZXRシリーズをイメージしたカラーリングのNinja ZX-4RR 40th ANNIVERSARY EDITIONがラインナップされている。1,177,000円。
スチール製トレリスフレームに水冷4気筒エンジンという基本構成はZX-25Rと同一。
ZX-25RがΦ310mmローターのシングルディスクなのに対し、ZX-4R/RRはΦ290mmローターのダブルディスク。キャリパーはモノブロックの4ピストンキャリパーをラジアルマウントする。
23年モデル以前のZX-25Rはショートマフラー、ZX-4R/RRはごらんのロングサイレンサー。
90年代の「ムカシの4気筒」はアルミツインチューブが当然だったが、新世代4気筒はスチール製トレリスフレーム。
ZX-4RRのみグリーンのサスペンションスプリング、伸/圧側減衰力調整機構つき。
Ninja250/400やZX-25R/6R/10Rとファミリーフェイスをなすデザイン。
ニーグリップしやすく、腕でホールドしやすい形状のフューエルタンク。容量は15L、レギュラーガソリン指定。
キーで脱着可能なタンデムシートと、内蔵されているワイヤーでライダー側のシートも簡単に取り外せる。
メーター表示は白バックと黒バックの2種類で、ラップタイムメインの表示も。Bluetoothでスマホと連携もできる。
■文:中村浩史 ■撮影:森 浩輔 ■協力:カワサキモータースジャパン