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イタリアの至宝、カワサキを選択。 ビモータらしさ全開のKB4とは?

  • 中古バイクカタログ
  • 2022.08.19

今回は、カワサキとタッグを組んだ新生ビモータ「KB4」を紹介します!

創業50周年を迎えるビモータ。イタリア・リミニに始まるこのメーカーの作品は、まるでモーターサイクルで造られた美術品や宝石にも例えられる。軽くコンパクトさを追求した独自のシャーシコンセプト、どのパーツを見ても機能美に溢れ、少量生産であり、それ故高価でもある。さて、カワサキとタッグを組んだ新生ビモータ、最新のKB4とは?

 

そもそものスタートはバイクとは無縁の会社だった。バレリオ・ビアンキ、ジョゼッペ・モーリ、マッシモ・タンブリーニの3名が1966年に空調設備の会社を設立、創業者3名の苗字からBIMOTAと名付けた。創業者メンバーの一人でバイクマニアだったタンブリーニは、「バイクのアフターマーケット部品を会社で造らないか」と持ちかける。

 

 当時タンブリーニは仕事に支障が出るほどバイクにのめり込んでいて、創業地リミニに近いミザノサーキットでレース中に転倒クラッシュ。愛車のCB750フォアはフレーム全損の状況となり自身も怪我をした。知人のMVアグスタ用にレース用フレームを造るなど、物作りには長けていたタンブリーニ。会社の設備を使えばバイクのフレームが作れる、というのが事業化への思いだった。モーリは条件を付ける。「レースをやめるなら」。

 

 こうして1973年、コンストラクターとしてのビモータがスタートをきった。レース用はもちろん、プレミアムなスポーツバイクメーカーとして動き出したビモータ。しかし、少量生産の立ち上がったばかりのメーカーにエンジンを供給するメーカーもなく、当初は新車を1台購入し、そこからエンジンなどの必要な部品を調達。ビモータオリジナルのシャーシや外装を載せるという手法を採っていた。だから価格も高い。

 

 ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、ドゥカティ、BMW等々、軌道に乗ってからはエンジン供給を受けるようになり、ビモータは世界のバイクマニアに知れ渡るようになる。車名は搭載するエンジンメーカーの名前とビモータのBを合わせたもの。今回紹介するKB4はカワサキ・ビモータの4モデル目、ということになる。

 

【目次】

1.ビモータの魅力とは?

2.bimota KB4のスペック

3.車両詳細

 

  • ビモータの魅力とは?

ビモータのバイク作りの哲学として、1000ccのエンジンを600ccクラスの重量とサイズに収めたらスポーツ性は自ずと高くなるというものがあり、それは現在まで受け継がれている。

 そして2019年、ビモータはカワサキと協業を発表し、テージH2を発表する。2016年秋に始まった両者のパートナー関係が結実した瞬間だった。同時にコンセプトモデルとして発表されたKB4が2022年、いよいよ路上にリリースされた。

 現在、カワサキモータースジャパンが総輸入元を務めるビモータ。国内ではカワサキのディーラーなど50店舗から予約購入が可能となっている。スペアパーツ、アクセサリーを含めた販売体制が整えられているのだ。

 

 このKB4、パワーユニットはニンジャ1000SXに搭載されるものが使われている。ちなみに、KB1からKB3は空冷4気筒時代のエンジンだったから、KBシリーズとしては初の水冷エンジン搭載ということになる。

 世界250台限定で900万円近いプライスタグを付けたテージH2は例外としても、KB4の437万8000円という価格に「高い!」という反応があっても無理はない。しかし、細部を見てゆくとなるほどこれがビモータか、と納得することになった。

 

 まず外観。フェアリング、シートカウル、コクピット内など多くの部分がカーボンコンポジットを採用している。トラス状の鋼管フレームとアルミ削り出しのプレート類、スイングアームなどを合わせたシャーシは、そのどれもが外観意匠を意識し、美しさと精巧さに富んだもの。全体はビモーターが是とするコンパクトさだが、フロントカウル周りはボリューミーに見える。車体バランスにも貢献する車体後部に搭載された冷却用ラジエターに、走行風を導くダクトの膨らみ分があるからかもしれない。

 それでいてライディングポジションに影響はなく、ステップ、膝周りはタイトな作りだ。容量19.5リットルのガソリンタンクも細身な作りだから、ライディングには一切妨げにならない。

 

メーターやスイッチ類はカワサキのものを使うので、操作性などはカワサキ車と同等。メーターパネルの見え方にも不満はなかった。

 エンジンもニンジャ1000SXのそれで、基本に変更はないから、トルクの出方や扱いやすさに神経を砕く必要はない。始動後の振動の伝わり方もマイルド。フレーム変更で快適性がどう変化しているのか気になったが、何も損なわれることなく至って普通だった。

 クイックシフターもニンジャから受け継いでいる。ホールベースが1390mmと短いKB4だが、走りは安定感があり、それでいて左右に寝かす挙動にはしっとりした安定感と軽さを両立させている。ブレーキのタッチ、減衰圧がしっかりかかりながらゴツゴツ感が少ない前後のサスペンションの動きも上質。ブレーキシステムのレバーからキャリパー、そして減速の出方も同様に扱いやすさの中に質感が備わっている。

 

流すようなワインディングでは持ち前の軽さとコンパクトさ、そして乗り出してすぐに感じた上質な操作系と旋回性があいまって走る時間をスペシャルなものにしてくれた。

 旋回性はツーリングペースでもある程度の手応えを感じさせてくれるもの。リアサスのアッパーには偏心カムを備え車高調整も可能だし、リアタイヤの扁平率を変えてみるなど、ライダーの好みを投影して曲がり方を整えるのもKB4をモノにするオーナーの楽しみだろう。

 見ても触ってもマスプロダクト製品とは異なる世界が確かにある。試乗中、カウルマウントのミラーの締め付けが緩むという珍事もあったが、「乗っても眺めてもエキサイトメントを味わえるよう造った」と語るビモータ代表の言葉は、まったくその通りだった。

 

 

  • bimota KB4のスペック

●KB4主要諸元

■エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ ■総排気量:1043cm3 ■内径×行程:77×56mm ■最高出力:104.5kW(142PS)/10,000rpm ■最大トルク:111N・m(11.3kgf・m)/8,000rpm ■変速機:6段リターン ■全長×全幅×全高:2,050×774×1,150mm ■軸間距離:1,390mm ■最低地上高:140mm ■シート高:810mm(+/-8mm)■車両重量:194kg ■燃料タンク容量:19 .5L ■タイヤ( 前・後):120/ 70ZR 17・190/50ZR17 ■ブレーキ(前・後):油圧式Wディスク(ABS)・油圧式ディスク(ABS)■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):4,378,000円

※購入権は抽選で、HPより申し込み。

 

 

 

 

 

  • 車両詳細

身長183㎝のライダーが跨がった図。シートは細身、カウルはボリューミー。足着き性は細身なウエストラインにより上々だった。

 

 

左右のパネルとセンター部分をアルミ材から削り出したスイングアーム、ステップ周りのパーツも美しく仕上げた削り出しパーツ。ライトは、Z900RSと似たものを採用。ライト左右下側にはラジエターに続く走行風吸入口がある。振動、緩みの多いミラーは要改善。

 

 

従来同様、搭載エンジンのベース車から保安部品などを流用。キーオンでのオープニングはビモータ専用となる。文字盤色は白黒切り替え出来る。

 

 

マルケジーニの鍛造ホイール、オーリンズ製のフォークユニットなど一流品を使う。カウル、フェンダーもカーボン製だ。

 

 

キーシリンダーはカワサキ純正。ステアリングダンパーはこの位置に。削り出しのトップブリッジがKB4の世界を語りかける。

 

 

樹脂製の燃料タンク、最初期のビモータモデル同様の鋼管フレームを採用。そのフレームは美しく塗装で仕上げられている。

 

 

本革製のシートを採用。足着き性とスタイルを考慮したデザイン。シートカウル部などトルクスボルトでカバーの取り外しが可能。

 

 

黒いカーボンパネルはラジエターへの導風ダクト。そのボリュームはシート下で集約。ベンチュリー効果を表現したかのようなデザイン。

 

 

一人乗りなのはこの位置にラジエターがあるから。重量配分、ホイールベース短縮に効果をなす。電動ファンステーもカーボン製。

 

 

偏心カムを兼ねたアッパーマウントをスイングアームに持ち、リンクを介してストロークするリアサスペンションレイアウトだ。

 

 

このようにリアショック上部は車体には接続せずスイングアーム内で完結しており、ホンダのユニットプロリンクに近いものだ。

 

制作・協力

■試乗・文:松井 勉  ■撮影:赤松 孝  ■協力:カワサキモータースジャパン ■ウエア協力:アライヘルメット、SPIDI:56design

 

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