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【KTM 1290 SUPERDUKE R EVO】1300㏄を忘れさせる軽快さ。1300㏄を満喫できる強靱さ。それがこのバイク最大のウリ。

  • 中古バイクカタログ
  • 2023.02.28

今回は「KTM 1290スーパーデュークR」を紹介します!

KTMのラインナップ中もっともパワフルなロードバイク、1290スーパーデュークR。そのRに電子制御サスほか走るための装備充実を図ったモデルとして投入されたのがこのEVOだ。ガソリンを満タンにしても215kgに満たない車重、1301㏄の水冷Vツインエンジンが生み出す132kW、140N.mという高性能。強烈な加速を楽しめる反面、市街地でも従順さを併せ持つ、その実力を垣間見た。

 

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  • KTM 1290スーパーデュークR EVOの特徴

 現在、KTMのラインナップ中、もっともパワフルなロードバイク、それが1290スーパーデュークR EVOだ。WP製となるWP APEXセミアクティブサスペンションを装備するなど、上位グレードとして2022年に追加されたモデルだ。

 

 搭載されるエンジンは、KTMが拘る75度のシリンダー挟み格を持つ水冷V型2気筒。各燃焼室には2本のスパークプラグを持ち、吸気バルブはチタン製というDOHC4バルブのヘッドが与えられている。ボア×ストロークは108mm×71mmとショートストローク。φ56mmと大径の電子制御スロットルボディを搭載。13.5:1という圧縮比もハイパワーエンジンらしい数値だ。ストリートファイター系ネイキッドとしては5本の指に入る高出力で、そのスペックは132kW(180PS)/9500rpm、140N.m/8000rpmとなっている。もちろん、最近のモデルらしく電子制御を駆使したライディングモードも備える。

 また、メカニカルなスリッパークラッチを装備するほか、電子制御で後輪ロックを感知するとスロットルバルブを調整し安定性を保つ機能など、電子制御技術も充実させている。

 

 メインフレームはお得意のトレリスフレーム。左右フレームの間の理想的な位置にエンジンを配置。サブフレームはコンポジット製。フレームで2㎏の軽量化も図られている。組み合わされるサスペンションは、WP APEXセミアクティブサスペンション。走行状態をモニタリングしてサスペンションの減衰圧調整を適宜自動で行ってくれるシステムだ。φ48mmのフロント倒立フォーク、リアは片持ちスイングアームを組み合わせる。そのピボット位置も理想のハンドリングを得やすいように最適化されている。

 

 1290スーパーデュークR EVOはガソリン満タン状態で215㎏を切る重量だ。また、ボディカウルなどを持たず、サイドスタンドからの引き起こしから軽快感がある。シートは835mm。跨がっても決して低くは感じないが、先端が細身のシートも手伝って足着き感はそこまで悪くない。シート高を感じるのは、低めに設定されたハンドルバーにより前傾姿勢を強めに取るスポーツ性を印象付けるライディングポジションのせいかもしれない。ステップの位置もやや高く、後方で同様にパワフルなバイクを走らせた時にピッタリとくるような位置となっている。

 

  • 試乗インプレッション

 郊外の道に出た。周囲の流れに合わせて走り出す。サスペンションのモードがコンフォート/ストリート/スポーツとあるが、ストリートよりもコンフォートを選択したほうが文字通り快適だった。サスペンションの動きがスムーズになりまるで舗装したての良路を走っているかのよう。

 

 エンジンは3000rpm以下でもスムーズで必要な力を取り出しやすい。ライディングモードはストリートだ。大排気量のショートストロークエンジンながら手に余る感じがしないのだ。もちろん、右手を開ければ猛烈な加速を開始するが、獰猛さをムダに主張してこないのがいい。ハンドリングは軽快でありながら、落ち着きがありここでもライダーをせき立てることがない。

 

 峠道に入った。ドッグランに到着して走り回れるのが嬉しくてしょうがない大型犬のような素振りをこのバイクは全く見せない。オトナなのだ。ライダーが徐々にペースを掴み、このバイクとの走りを楽しむようになったとき、1290スーパーデュークR EVOは上手に乗り手をリードして走りの世界へと上る次なるトビラを開いてくれる。

 

 リアに履く200mmサイズのワイドラジアルは、バンク角を増やしたところで、公道レベルでは全く不安を持たせない。それでいて曲がる感も充実させ、公道での走りは速度域を問わず味合わせてくれるのが解った。それでもさらにその深みにはまりたい、とばかりにタイトカーブにトライをすると、市街地でも感じた扱いやすい低回転域からの加速と、ナチュラルなハンドリングの取り合わせで走ることが楽しくて仕方がない。

 

 ライダーとバイクが調和してきたところで、ライディングモードをスポーツを選択。スロットルレスポンスが一段タイトな感じになるのと、前後のサスペンションがハードな減衰力になり、一気に走りのムードが高まる。ブレーキングも余裕を持って強めることが出来る。一体感が増すコーナリングに左右への体重移動を楽しみながら行える。そしてラインを選ぶことに集中力が高まるのだ。

 

 KTMはこのバイクを“THE BEAST”と呼んでいる。最強モデルをわかりやすく伝えるタイトル名としてはうってつけ。でも本質は人をびびらせるようなBEAST=悪魔ではなく、高性能を扱いやすくしたバイクなのだ。

 

 所有感、満足感、そして走りの楽しさ。250万円するこのバイクをオーナーはきっとこう言うハズだ「あー、買って良かった」と。それが詰まっているバイクだったのだ。

 

  • 車両詳細

エンジンは75度のシリンダー挟み格を持つ水冷V型2気筒DOHC4バルブ。最高出力は132kW(180PS)/9500rpm、最大トルクが140N.m/8000rpmとなっている。ストリートファイター系ネイキッドとしては5本の指に入る高出力だ。

 

ハンドルバーは低めで幅もタイト。TFTカラーモニターを使ったメーターパネルは速度などの情報以外に設定変更などの様々なインターフェイスがこのメーターを軸に行える。

 

ヘッドライトユニットは薄くデザインの要になっている。左右のライトを分けるスプリットラインはエアクリーナーボックスへのエアインテークとなっている。

 

φ320mmのディスクプレート、ブレンボ製スタイルまた以降4ピストンキャリパーを備える。制動力は強力だがタッチはマイルドで速度域、場面を問わず扱いやすい。

 

ステップ回りの造りも造形や質感ともにプレミアムクラスに相応しいもの。体格、好みに合わせて踏む部分を調整可能。

 

細身のスポークが印象的なホイール。後輪は片持ちタイプのスイングアームでホイールデザインがよりダイレクトに楽しめる。リアブレーキはφ246mm径対向2ピストンキャリパーを備える。

 

エンジン下部に排気コレクターボックスを持ち、サイレンサーは斜め上方へとビーストの音圧を排出する。Vツインらしい、というよりKTM のエンジンらしいサウンドだ。

 

イニシャルプリロード設定もスイッチ一つで変更ができる。リアサスペンションユニットはリンケージを介してフレームに装着される。

 

肉厚感そのままにストローク感のある乗り味が楽しめるシート。表皮上部とサイドですべり感、マテリアル感を変えている。

 

16リットルのハイオクガソリンを飲み込む燃料タンク。ライダーが触れるサイド部分は細身かつ太ももで触れた感触がスムーズで一体感を得やすいもの。

 

制作・協力

東京エディターズ

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