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【Royal Enfield HIMALAYAN】エンジンもフレームも、すべてが新しくなった! アドベンチャーらしからぬ扱いやすさ

  • 中古バイクカタログ
  • 2024.02.13

今回は【Royal Enfield HIMALAYAN】を紹介します!

ロイヤルエンフィールドは新型「ヒマラヤ」を発表した。2018年にデビューした「ヒマラヤ」は、ロイヤルエンフィールド初のアドベンチャーモデル。シンプルな空冷単気筒エンジンや軽量でコンパクトな車体で、ビギナーからベテランまで、幅広いキャリアのライダーから人気を集めた。その新型は何尾が新しくなったのか、ここで紹介します。

 

  • 新型ヒマラヤの特徴

新型「ヒマラヤ」は、ロイヤルエンフィールド(以下RE)として初めて水冷エンジン、初めてのDOHCエンジンを採用している。“シェルパ450”と名付けられたそのエンジンは、排気量452ccの水冷単気筒DOHC4バルブ。アクセル操作を電子信号で伝えるライド・バイ・ワイヤーを採用し、それによって異なる2つの出力特性を選ぶことができるライディングモードも搭載した。これまでREは、水冷エンジンや電子制御技術の研究開発が進行中であることを明言してきたが、そのメリットはもちろん、車両価格の上昇や操作の煩雑化、メカニズムの複雑化などデメリットも含めて慎重に検討し、それら新しい技術の車両搭載を見送ってきた。

 

しかし今回は、水冷化やDOHC化、ライド・バイ・ワイヤーやライディングモード、前傾したシリンダーなど、それら新しい技術の採用でユーザーメリットを最大化できると判断して、新型「ヒマラヤ」を一新したというわけだ。

 

その新型エンジンによって、最高出力は旧モデルから約60%アップの40PSを発揮。最大トルクも約25%アップの40Nmを発揮している。ライダーにとって大きなメリットは、その最大トルクの約90%を、3000回転という常用回転域で発揮することだ。

 

外装類はもちろん、フレームや前後足周りも一新されている。新たに開発したフレームは、エンジンをフレームの一部として使用することで、軽量かつ高剛性を実現した。また旧モデルではシート下に配置していたエアクリーナーボックスやリアサスペンションのレイアウトを変更することで、メインフレーム後端やリアフレームのスリム化に成功。

それによって低シート高を実現するとともに、燃料タンク後端やシート先端を低く、そして細くデザインすることが可能になり、スタンディング時のライダーと車体のフィット感を向上。また数字以上に足つき性が良いシート周りをデザインしている。

 

また前後足周りも、大幅にパフォーマンスを向上した。フロントは左右のフォークがスプリング機能と減衰力機能の役割を分け、高性能を実現したSHOWAブランドのSFF-BPを採用。ストローク量は旧モデルと同じ200mmだが、高い減衰力によってオフロードでもオンロードでも、高い走行性能を発揮する。リアサスペンションもSHOWA。ストローク量は20mm延長して200mmとし、オフロードでの走破性を高めるとともに、オンロードでの快適性も高めている。

 

タイヤはインドのトップブランド、シアットが専用開発。フロントはバイアスタイヤだが、リアにはラジアルタイヤを装着している。またチューブレススポークホイールもラインナップ。モデルバリエーションによっては、そのちぃーブレスホイールを装着するほか、オプションとしてもラインナップされる。

 

  • 試乗インプレッション

エンジンをかけた瞬間から、なにもかもがスムーズ。旧ヒマラヤの空冷エンジンは、アチコチからメカノイズが聞こえてきたが、シェルパ450エンジンはじつにジェントルだ。そこからアクセルを開けば素早くエンジン回転を上げる。

 

今回の試乗の舞台となったのはヒマラヤ山脈の麓にある街/インド・マナリ。出力が20%ほどダウンする標高2000~3000mという高地だ。しかし新型「ヒマラヤ」は、4000rpmも回せばワインディングでスポーツライディングが楽しめるほどにエンジンパフォーマンスは高い。もちろん、各ギアでレッドゾーンまで引っぱって加速していけば、胸のすくような加速を見せる。しかし3000回転で最大トルクの約90%を発揮する出力特性を活かして、高回転まで引っぱりすぎず早め早めにシフトアップし、トルクに乗せて加速していく方が気持ち良く、速い。

 

またそのエンジンをフレームの一部として利用する新しいツインスパーフレームは軽量でコンパクトだが、旧ヒマラヤからホイールベースを45mmも伸ばしている。これはオンロード/オフロードともに、走行安定性や乗り心地の良さを向上させるために、長いスイングアームを確保しながら前後重量配分48:52というほんの少し後ろ寄りの重心を造り出すためだ。ホイールベースが伸びたことでハンドリングはゆったりになったが、よりスポーティな走りを堪能したいなら、動きのいい前後サスペンションをしっかりと動かすメリハリの効いた走りを意識すればいい。

 

さらにオンロードでのスポーツ性を高めたいなら、シート下のストッパー位置を変えて、2つの高さが設定されている標準シート(825mm)の高さを20mm高くすればいい。足つき性は多少損なわれるが、たった20mmライダーの着位置が高くなっただけで重心位置の変化を感じ取ることができ、左右の切り返しが軽くなる。逆にオフロードなど、ライダーが両足をしっかり地面について車体を支えながら前進したい場合は、825mmの標準シート高を選んで安心感を高めることもできる。さらにオフションのローシートを選べば、ストッパー位置変更で変えられるシート高は800mm/825mmとなり、さらに足つき性が良くなる。体格の小さなライダーや、オフロードなどで両足を漕ぐように路面について難所をクリアする場合などには、その低いシート高が強い味方となるだろう。

 

  • 車両詳細

新型「ヒマラヤ」主要諸元

【全長×全幅×全高】2,245×852×1,316㎜【ホイールベース】1,510㎜【最低地上】

高】230㎜【シート高】825、845㎜【装備重量】196㎏【エンジン形式】水冷4ストローク単気筒4バルブ【総排気量】452㏄【ボア×ストローク】84.0×81.5㎜【圧縮比】11.5【最高出力】40.02PS(29.44kW) /8,000rpm【最大トルク】40Nm/5,500rpm【燃料供給方式】FI【燃料タンク容量】17.0L【サスペンション 前・後】SHOWA製φ43mm倒立フォーク(ホイールトラベル200mm)・リンク式モノショック(ホイールトラベル200mm)【変速機形式】6速リターン【ブレーキ形式 前・後】BYBRE製φ320㎜シングルディスク/ダブルピストンブレーキキャリパー・φ270㎜ディスク/シングルピストンブレーキキャリパー【タイヤサイズ 前・後】CEAT製90/90-21・140/80R17

 

シート高825mmのシートに跨がった場合。膝の曲がりはややきつめだが、これくらいなら長距離走行でも苦にならない。ハンドル位置もじつに自然。スタンディング時のタンク周りのフィット感も良い。足つきは、両足のつま先が深く路面に設置する。テスター/身長170cm 体重65kg

 

車体そのものは旧型よりも少し大柄になっているが、跨がったときの下半身のフィット感や足つき性の良さは旧型から継承。しかも新型は、スタンディングポジションも強く意識したエルゴノミクスが造り込まれている

 

シェルパ450と名付けられたRE初の水冷DOHCエンジンは、ライド・バイ・ワイヤーとライディングモードも採用。カムは直押しタイプで、カムシャフト周りやピストンピン周りには、DLCコーティングが施されている

 

フロントフォークは、φ43mmSHOWA製SFF。ストローク量そのものは旧モデルと同じながら、オン/オフ問わずパフォーマンスを高め、乗り心地も向上している。アップフェンダーとダウンフェンダの組み合わせも旧モデルから継承

 

リアサスペンションもSHOWA製モノショックを採用。リンク式としている。ストローク量を20mm伸ばしてオフロード走行を中心としたパフォーマンスを向上。動きが良く、奥でもしっかりと踏ん張るサスは、オンロードでのパフォーマンスも高い

 

燃料タンク両サイドのタンクガードには、新たにロゴをデザインするとともにフックを追加。すでにラインナップされるバッグ類を装着することができる。LEDとなったが、丸型ヘッドライトとミニスクリーンの組み合わせも、先代から継承

 

ウインカー一体型のテールライトを採用。それによってリア周りをすっきりと見せることができ、また大きくて重い従来のテールライトを排除することでテール周りに必要以上の強度が不要となり、リア周りの軽量化も実現

 

燃料タンクキャップのちょうど真下付近にエアクリーナーボックスを配置。ステアリングヘッド周りに吸気口を配置し、川渡りなどでエアクリーナーボックス内に水が進入し難くい。また吸気音をライダーに聞こえやすく、爽快感を与える

 

先端がキュッと絞られたシート。サイドキーで簡単にシートを外すことができ、シート下ストッパー位置を変更するだけで、簡単にシート高を変更することができる。スタンダードは825mm/845mm。オプションで、ハイシートも用意されている

 

フロントは21インチホイールに、専用開発したシアット製バイアスタイヤをセットする。試乗会時には認可が取れておらず試すことができなかったが、チューブレス・スポークホイールもラインナップ。オプションで購入可能なほかや、モデルによっては標準装備されるという。シングルタイプのブレーキはBYBRE製である

 

リアタイヤには専用開発したシアット製ラジアルタイヤを装着。ロード寄りの性格だがオフロードでもしっかり機能する。フロント同様、リアにもチューブレス・スポークホイールが用意され、オプションで購入可能なほかや、モデルによっては標準装備される

 

ハンドルマウントやステッププレートは、バランサー採用のエンジンの振動をさらに軽減するため、ラバーマウントされる。スタンディング時やオフロード走行時など、両マウントに負荷が掛かる状況下でも、しっかりとした操作感で、ラバーマウントであることを感じさせなかった

 

ハンドルマウント下にはUSB-Cポートを標準装備。アクセサリーのタンクバッグなどを利用すれば、走行中にスマートフォンなどの電子機器を充電することができる。

 

新しい丸型4インチのTFTフルカラーディスプレイ。ナビゲーションシステム/トリッパを採用。エンジン回転計をベースにした表示では矢印を、ナビゲーション表示では写真のような大画面で地図を表示。スマホと連携して様々な機能を共有できる

 

制作・協力

■試乗・文:河野正士 ■撮影:高島秀吉 協力:協力:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム ■ウエア協力:クシタニ

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