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【ROYAL ENFIELD/CONTINENTAL GT 650】熟成した新興勢力 取扱店拡充を希望する完成度

  • 中古バイクカタログ
  • 2025.01.28

ロイヤルエンフィールドのCONTINENTAL GT 650をご紹介します!

英国発の歴史あるブランドであるロイヤルエンフィールド。

近年ではインドの会社となりクラシカルなモデルを中心にリリースしていたが、650ccパラツインのシリーズは「クラシカル」の枠で片付けられない完成度を誇る。

 

  • ROYAL ENFIELD/CONTINENTAL GT 650

 ネオクラシックという考え方は、広い意味でとらえればSRやゼファーもそうだったかもしれないため出発点が曖昧だが、しかし近年このネオクラシックがもはや一時的な流行りとしてではなく一つのカテゴリーとして定着した感があるだろう。国内外のメーカーがそれぞれのブランドの歴史をアピールするようなネオクラシックモデルを展開している。

 

 そんな中でエンフィールドは、ある意味最初からクラシックしか作っていなかった。他社のようにモダンなバイクをベースにスタイリングも乗り味もいかにクラシカルな雰囲気を出していこうか、という紆余曲折なアプローチではなく、そもそもクラシカルなのであるからして、進化が常に一方向に向いていると感じさせる。

 とはいえ、少し前までの350ccシングル系はルックスだけでなく乗り味もクラシックと言うよりはアンティークに近いような、本当の旧さを持っていた。しかしここ数年のエンフィールドは変わった。今のメテオやハンターに搭載される350シングルは非常に気持ちの良いエンジンで、歴史は感じさせるのに旧さは感じないという素晴らしサジ加減。そしてそれの上級版がパラツインの650シリーズというわけだ。

 流行りの270度クランクを採用する650ccユニットを搭載するのは、このセパハンのコンチネンタルGTと、これのアップハン版であるINT、クルーザー版のスーパーメテオ、そしてショットガンという新作も控えている。このエンジンがもう、とにかく良いのだ! 試乗前はこういう旧い英車は360度クランクでなくては……とも思っていたが、そんなことは全く気にならず、味わい深くかつ扱いやすいトルク感を持っていて、クラッチを繋いだその領域からしっかりと力強く、それでいて回転を上げていっても苦しくならずにちゃんとハイスピード域までカバーしてくれる。しかもインジェクションの設定が絶妙で、ドンツキや息つきとは全くの無縁。国産車でもこのレベルの仕上がりになっていないモデルもあるほど、その完成度は高い。

 

 車体の方も同様だ。鉄フレームに正立フォーク、二本ショック、バイアスタイヤととてもベーシックな作りではあるものの、あのハリスパフォーマンスと共同開発したというだけあってとても付き合いやすいだけでなく、スポーティな気持ちにも応えてくれるのだ。

 先のモーターサイクルショーでも大人気ブースであったエンフィールド。お客さんからも「どこで買えるんですか?」の質問が多かったという。この650も、そして350も大変魅力的なバイクを展開しているだけに、さらに販売店が充実すれば日本でも多くのファンを獲得するメーカーとなることだろう。販売店の皆さま、手を挙げてみては??

 

  • 主要諸元

CONTINENTAL GT 650主要諸元

■エンジン種類:空冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ ■総排気量:648cm3 ■ボア×ストローク:78.0×67.8mm■最高出力:34.9kW(47PS)/7,150rpm ■最大トルク:52.3Nm(5.33kgf)/5,150rpm ■全長×全幅×全高:2119×780×1067mm ■軸間距離:--mm ■シート高:820mm ■車両重量:212kg ■燃料タンク容量:12.5L ■変速機:6段リターン ■タイヤ(前・後):100/90-18・130/70-18 ■ブレーキ(前・後):油圧式シングルディスク・油圧式シングルディスク ■メーカー希望小売価格(税込):970,200~1,025,200円(Standard/Custom/Dark/Specialの4モデル)

 

  • detail

このモデルはセパハンで、兄弟車のINTはアップハン。好みで選べる。

 

調整機構は持たない正立フォークに18インチホイールとバイアスタイヤ。シングルディスクは十二分の効き。

 

鉄のスイングアームにサブタンク付き二本ショック。容量十分のサイレンサーで排気音はジェントルだ。

 

大きなクランクケースでクラシカル感の高い、270度クランクの650ccユニット。パワフルでとても使いやすい。

 

流用されがちなスイッチもダイキャスト製のオリジナルというこだわりよう。ここまでやっても価格も良心的。

 

制作・協力

■試乗・文:ノア セレン 

■撮影:渕本智信 

■ウエア協力:アライヘルメット、アルパインスターズ

 

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