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【SHOTGUN650】ネオレトロなスタイリングなれど スポーティなハンドリングの650ツイン

  • 中古バイクカタログ
  • 2024.05.29

今回は、ROYAL ENFIELDの【SHOTGUN650】を紹介します!

ロイヤルエンフィールドの新型車「SHOTGUN650」が、まもなく日本上陸を果たす。先に発売したクルーザーモデルとエンジンやフレームを共有しながら、しかし前後足周りや外装を変更し、オリジナルのキャラクターを造り上げてきた。ここでは、その詳細を紹介する。

 

  • ROYAL ENFIELDの新しいネイキッドバイク

「SHOTGUN650」は、軽快なハンドリングが与えられたネイキッドモデルである。国産メーカーが展開するネオクラシックなスタイルとパフォーマンスのスタンダードネイキッドとも、欧州メーカーが展開するモダンなルックスと高い走りのパフォーマンスを持つスポーツネイキッドとも、スタイルもパフォーマンスも違っている個性的なモデルである。

 

 しかし「SHOTGUN650」は試乗会の舞台となった米国ロサンジェルス近郊のワインディングや街中を、軽快に楽しく走ることができた。広大に荒野に通る一本の道というアメリカのイメージに反して、LAには多様なワインディングがあったし、街中は日本の主要都市同様に渋滞していた。その場所をあえて選ぶあたりにロイヤルエンフィールド開発陣の意図があり、なかなかのハイペースで僕たちジャーナリストを先導する試乗会スタッフによって、ワインディングでの高いスポーツ性と同時に安心感も感じることができた。このライダーを身構えさせない車体とエンジンでありながら、あらゆるシーンで楽しめてしまう「SHOTGUN650」は、日本のバイクシーンにもフィットするのではないか、そんな風に感じたのだった。

 

 ロイヤルエンフィールド(以下RE)は1901年にバイク生産に着手し、以来バイクを造り続けているもっとも古いバイクブランド。その起源はイギリスにあるが、いまはインドのトラック大手アイシャー・モーターズ・リミテッド傘下の、インドのバイクメーカーとして活動している。2023年は90万台を生産し、日本のほかアメリカやヨーロッパ、そして東南アジアで車両を販売。インド国内はもちろんのこと、世界市場に目を向けても、350~650ccカテゴリーのトップブランドとして知られている。

 

 そのREの最新モデルが「SHOTGUN650(ショットガン・ロクゴーマル)」だ。昨年2023年12月に米国ロサンゼルスで発表され、日本では今年6月からの発売が予定されているその新型車は、昨年春に日本国内発売が開始され人気となった同社のクルーザーモデル「SUPER METEOR650(スーパーメテオ・ロクゴーマル)」と、エンジンとフレームを共有している。しかし共有していても「SHOTGUN650」は、クルーザー的なモデルではない。その理由は、「SHOTGUN650」用にセットアップされた前後サスペンションと前後ホイールにある。「SHOTGUN650」は、フロント18インチ/リア17インチのキャストホイールを採用。ヘッドライトと燃料タンクのボトムライン、それにリアフェンダー後端が一直線上に配置する、ネイキッドスタイルのボディラインを構築している。兄弟モデルの「SUPER METEOR650」が、フロント19インチ/リア16インチホイールを装着し、リア下がりのクルーザースタイルを造り上げていたのに比べると、そのサイドシルエットからして大きく異なっている。

 

 前後サスペンションも、そのサイドシルエットの違いを造り上げているもうひとつの要因だ。フロントフォークは「SUPER METEOR650」と同型のSHOWA SFF-BPを使用しているが、フロントフォークそのものをメテオより30mm短くし、フォーク内にセットするスプリングや減衰力特性を「SHOTGUN650」の車体特性に合わせて変更。それらによってステアリングヘッドアングルは27.6度から25.3度となり、フォークオフセットも4mm短い42mmとし、それによってトレールも17.1mm短い101.4mmとなっている。

 

 またリアショックは「SUPER METEOR650」から30mm長くなり、ストローク量は9mm増えている。もちろん、その変更に合わせてスプリングレートや減衰圧特性も変更されている。そして操縦性に大きく関わるフレームやスイングアームは「SUPER METEOR650」から変更はないものの、スイングアームのアクスルスライダー部分の切り欠きを車体前側に移動。フロント周りのアライメント変更に加え、リアタイヤをメテオより車体前側にセット出来るようにすることでショートホイールベース化も実現している。

 

 外装類も、すべて「SHOTGUN650」用にデザインされている。「SUPER METEOR650」から容量が少し減った燃料タンクは、幅も高さも抑えたコンパクトタイプ。その燃料タンクの角が立ったデザイン合わせ、リアフェンダーやサイドカバーのデザインも変更されている。

 

 不思議だったのは、エンジンの回転上昇が軽くなったと感じたことだ。しかしエンジンは、フューエルインジェクションのセッティングもギアレシオも、すべて「SUPER METEOR650」と同じ。サイレンサーこそピーシュータータイプに変更されているが、その手前まではキャタライザーと呼ばれる排気ガス浄化装置を含めたエキゾーストパイプも共通だという。車体姿勢が変わり軽快なハンドリングが与えられたことで、アクセル操作に対する車体の反応が変わると、エンジンのフィーリングまで変わってしまうのかと驚いた。

 

 また低く、幅が狭くなったハンドルと少し腰高のシート、それにライダーに近いミッドコントロールのステップ位置によって形成される、ライディングポジションを造る三角形がグッとコンパクトになった。そしてネイキッドバイクに近い、ライダーが少し前傾するようなポジションになったことも、車体を軽快に扱えるようになった理由のひとつだろう。「SHOTGUN650」の日本発売は6月の予定。日本上陸後に、このREの新しいネイキッドバイクを、是非日本の道で試して欲しい。

 

  • 車両詳細

ROYAL ENFIELD SHOTGUN650主要諸元

■エンジン種類:空冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ ■総排気量:648cm3 ■ボア×ストローク:78.0×67.8mm ■圧縮比:9.5 ■最高出力:34.6kW(47PS)/7,250rpm ■最大トルク:52.3Nm/5,650rpm■全長×全幅× 全高:2170×820×1105mm ■軸間距離:1465mm■シート高:795mm ■車両重量:240kg ■燃料タンク容量:13.8L ■変速機:6段リターン ■タイヤ(前・後):100/90-18・150/70B17 ■ブレーキ(前・後):油圧式シングルディスク・油圧式シングルディスク ■車体色:ステンシルホワイト、プラズマブルー、グリーンドリル、シートメタルグレー ■メーカー希望小売価格(税込):未定

 

デザイン・コンセプトは「過去と未来の融合」だという。

 

REのデザインチームは、新旧さまざまなカルチャーからデザインソースを抽出。日本のアニメやゲームもその対象になっていた。

 

REの各モデルは、丸みを帯びたクラシカルな外装が多いが、SHOTGUN650はエッジの効いた角張ったデザインが特徴。

 

バーハンドルは低く、幅もやや狭め。日本車のネイキッドバイクに近い。バーエンドミラーはオプションパーツ。

 

左側はスピードメーターとLCD、それにインジケーターを組み合わせた大径メーター。右はナビ/トリッパー用。

 

LEDヘッドライトを囲むヘッドライトナセルは、斜めにカットした上下三つ叉とシームレスに繋がるラインを持つ。

 

フローティングシートと名付けられたシングルシートは、旧車に見られるサドルシートを現代風にアレンジしたもの。

 

フロントには、18インチホイールとSHOWAのSFF-BP、そしてバイブレ製のブレーキシステムをセットする。

 

エンジンは排気量648cc空冷直列2気筒SOHC4バルブ。兄弟モデルのSUPERMETEOR650と共通だ。

 

サイレンサーはオリジナルのピーシュータースタイル。リアホイールは17インチで、バイブレ製ブレーキをセット。

 

SHOTGUN650のための燃料タンク、サイドカバー、そしてリアフェンダーにデザインされたエッジがよく分かる。

 

制作・協力

■試乗・文:河野正士 ■撮影:ロイヤルエンフィールド ■協力:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム

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