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【SUZUKI GSX-8R】どんなスキルのライダーでも 楽しさがわかりやすい新世代スポーツバイク

  • 中古バイクカタログ
  • 2024.03.07

今回は【SUZUKI GSX-8R】を紹介します!

これまでの並列4気筒エンジン車にかわって、スズキが新世代のスポーツバイクとして発表したのが、並列2気筒エンジンを搭載したGSX-8S/8R。750ccクラスで言えば、先代のスポーツバイク=GSX-R750から一気に出力を半減してまでリリースした理由とは……。

 

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  • 50ps、200psを誰もが扱えるわけじゃない

スズキの新世代スポーツバイクGSX-8Rは、2023年3月に発売されたネイキッドモデルGSX-8Sのフルカウルバージョン。もちろん、単にフルカウルとしただけでなく、ストリートスポーツの8Sより、さらにスポーツ性を高めたスポーツバイクとしての発売だ。

 

スズキがGSX-8S/8Rを「新世代スポーツ」と位置付けたのには訳がある。それは、多くの人が無理なく扱えるスポーツバイク、という点だ。スーパースポーツといえば、最高出力200psクラスのビッグバイクを思い出しがちだが、もっと手の内に入る、無理なく楽しめるスポーツバイクとしたい、という思いなのだ。

 

エンジンは775ccの並列2気筒。この排気量クラスのスーパースポーツと言えば、従来までのスズキモデルではGSX-R750やGSX-S750が思い浮かぶが、R750の最終型では、200kgを切る重量で、ほぼ150psもの大パワーを発揮していた。これでは正直いって、ほんのひと握りのライダーしか、R750のフルポテンシャルを引き出して──という楽しさは味わえない。

これはストリートバイクであるGSX-S750でも同じようなもので、S750の112ps/212kgのフルポテンシャルは、やや敷居が低いだけで、誰もが楽しさを味わえるモデルではないといえる。

 

そこでスズキは新世代スポーツに搭載する新規エンジンを開発。それが775ccの並列2気筒というわけだ。最高出力は80ps、車両重量は205kg。軽く、力はあるが、あり「すぎ」ではない。

「エンジンは出力特性にこだわって、最大パワーよりも低速/低回転からの立ち上がりが気持ちいいキャラクターを目指しました。最大トルクの90%ほどを5000rpmほどで発揮するので、エンジンの気持ちいいエリアを味わいやすくなっています」というのは、GSX-8Rの開発コンセプトをまとめた加藤幸生チーフエンジニア。

 

気持ちのいい吹け上がりのために、GSX-8S/8Rのエンジンには270°クランクと2軸1次バランサーが組み込まれ、2気筒エンジンらしい気持ちのいい鼓動と低振動を両立。さらにはどんなスキルのライダーが、たとえば雨の滑りやすい路面でも安心して扱えるように、A/B/Cと3種類のパワーモードを選択できるSDMS(スズキ・ドライブ・モード・セレクター)を搭載している。

 

エンジン/メインフレームをGSX-8Sと8Rで共用しながら、さらにキャラクターに差をつけているのが車体構成。8Sがバーハンドル、8Rがアルミ鍛造セパレートハンドルを採用しているだけではなく、8Rには専用のSFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク-ビッグ・ピストン)フロントフォークを採用。8Sのそれよりも、フォーク内のピストン径を大きく取ることで、動きがよく、減衰力を発生しやすいセッティングとしているのだという。

 

スゴすぎないスポーツバイク――フルカウルモデルだからと言って、スポーツ寄りに正確を尖らせるわけではなく、GSX-8Sよりもややスポーティに、ストリートからサーキットランまで楽しめるキャラクターとしたのがGSX-8R。35年以上の歴史を持つ、GSX-RシリーズというスズキスポーツバイクのDNAを受け継ぎ、スズキは、このGSX-8S/8Rをこの先10年も20年も愛されるモデルに育てたいのだ。

 

  • 車両詳細

エンジン/フレームの基本構造はGSX-8S/8Rとも共通。さらにVストローム800/800DEとも兄弟車で、基本骨格を同一にして足回りやセッティングで専用の味付けを施すモジュラーコンセプトモデルだ。

 

エンジンは775ccの水冷2気筒DOHC4バルブ。クランクは180°や360°の等間隔爆発ではなく、Vツインエンジンの鼓動が得られ、リアタイヤへのトラクション性能が高い270°だ。

 

鼓動を残しながら不快な振動を減らすバランサーを2軸構成で搭載。写真の丸囲みしているものがバランサーで、バランサーを置く位置や距離までこだわって採用されている。

 

メインフレーム、エンジン、スイングアームはGSX-8Sと共通。GSX-8R独自のフルカウルはマスフォワード=車体前部に塊や力感を集中させるデザインとなっている。

 

フォークは8Rがショーワ製SFF-BPで、8SはKYB製倒立フォークを採用。ブレーキはΦ310mmローターに4ピストンキャリパー、タイヤはダンロップ製ロードスポーツ2。

 

GSX-8S/8Rにはアルミスイングアームを採用。ホイールサイズはGSX-8S/8Rは前後17インチで、Vストローム800が19/17インチ、800DEが21/17インチと専用設定。

 

リアにショーワ製モノショックを使用する以外は、GSX-8Sと共通のリアまわり。リアサスはプリロードが調整でき、2次減速比は8Rと8Sが同じ、Vストロームよりも3丁ロング。

 

ヘッドライドは縦2灯のLEDを採用。ウィンカーは8Sがバルブなのに対し、8RはLEDを採用。ロービームは上だけ点灯、ハイビームは上下両方が点灯する。

 

ボディカラーは3色。銀=マットソードシルバーメタリック、青=トリトンブルーメタリック、黒=マットブラックメタリックNo.2となっている。

 

SUZUKI GSX-8r 主要諸元
■エンジン種類:水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ ■ボア×ストローク:84.0×70.0mm ■圧縮比:12.8 ■総排気量:775㎤ ■最高出力:59kW(80PS)/8,500pm ■最大トルク:76N・m(7.7kgf・m)/6,800rpm ■変速機:6段リターン ■全長×全幅×全高:2,115mm×770mm×1,135mm ■軸間距離:1,465mm ■シート高:810mm ■車両重量:205kg ■燃料タンク容量:14L ■タイヤ(前・後):120/70ZR17 M/C 58W・180/55-17 M/C 73W ■ブレーキ(前/後):油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク ■懸架方式(前・後):テレスコピック式・スイングアーム式 ■車体色:トリトンブルーメタリック、マットソードシルバーメタリック、マットブラックメタリック■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):1,144,000円

 

制作・協力

■文・中村浩史 ■写真提供:SUZUKI

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