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【SUZUKI V-STOROM 250 ABS】動力性能だけでバイクは語れない ツーリング性能ナンバー1バイク
- 中古バイクカタログ
- 2022.02.22
今回は「SUZUKI V-STOROM 250 ABS 」をご紹介します!

サイズや車両重量も手ごろ、気軽に乗り出すことができて、車検もなく維持費も安くつくことから、バイクに乗り出すことへのハードルも低い250ccクラス。特にビギナーやリターン層の注目度も高いクラスだ。
ラインアップも、スーパースポーツからストリート向け、さらにオフロード向けとカテゴリーも様々だが、この2年のコロナ禍もあって、また注目されはじめている「ツーリング」に特化したモデルが、このスズキVストローム250だ。スズキのVストロームといえば「アドベンチャーカテゴリー」のシリーズだが、この末弟250は、フルカウルロードスポーツのGSX250Rをベースとした、アドベンチャー風モデル、というのが正体だ。
【目次】
1. ずっと乗っていたい、と思わせるバイク
2. ビギナー層やリターンライダーたちに支持される理由
- 3. 装備・車両詳細
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ずっと乗っていたい、と思わせるバイク
ベースとなったGSX250Rからは、スタイリングやライディングポジションのほか、実は大きな変更はない。車体や前後サスペンション、エンジンはほぼ共通で、アドベンチャーテイストに欠かせないオフロードの走破性も、さして向上させてはいないのだ。
現在の250ccモデルのメインカテゴリーといえば、並列2気筒エンジンを搭載したスポーツモデルたち。しかし、Vストローム250のベースとなったGSX250Rは、実は「250cc最強スポーツ」を目指してはいない、リラックススポーツなのだ。
GSX250Rを、スポーツカテゴリーとしてのライバルであるホンダCBR-RRやヤマハR25、カワサキNinjaと比べると、車両重量は10kg以上重く、最高出力は10psも低い。しかしその分、出力特性も穏やかだし、ハンドリングもシャープすぎない。エンジンの高回転域を使ってキビキビ走るより、低回転域のトルクを使ってゆったり走る――そういうキャラクターがピタッとはまって、GSXはずっと人気モデルとして発売されているのだ。
Vストロームは、そのGSXの派生モデル。ライバルたちよりも重量のあるGSXよりさらに8kg重く、その分リラックスしたライディングポジションとアドベンチャーモデル的なスタイリングのツーリングバイクだ。
速くシャキシャキ走れるかといえばそうではないけれど、GSXのキャラクターをさらに推し進めて、よりロングランが快適で乗り心地が良く、ずっと乗っていたい、と思わせるバイクなのだ。
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ビギナー層やリターンライダーたちに支持される理由
いざ走り出してみると、アイドリングすぐ上の発進トルクはぶ厚く、スロットルへのレスポンスは穏やかで、回転上昇もソフトだ。街乗りで50~60km/hで走ると、4000~5000回転あたりを使って走ることになり、バイク初心者にもエンジンパワーの怖さを感じさせないもの。ハンドリングも尖ったところがなく、接地感をしっかり感じさせる安心するもの。190kg近い重量にさえ慣れてしまえば、安心してライディングできる。
やはりVストローム250で楽しく走れるのは、空いた幹線道路を50~60km/hで走る時や、高速道路を巡行している時。高速道路のクルージングでは、トップギア6速で100km/hで走ると、エンジン回転は7600rpmあたりで、それ以上はエンジン回転もやや苦し気。このエリアが、Vストロームのいちばん美味しいところなのだ。
高速道路のクルージングでも、穏やかなハンドリングは安定感のあるどっしりとしたもので、加減速のピッチングもレーンチェンジの左右へのアクションも、怖さを感じない。ここも、やはりビギナー層やリターンライダーたちの支持が高い理由だろう。
今回の試乗では、実測燃費は約28km/L。17L容量のタンクを持つVストローム250ならば、1タンク500km近くを走ることができる。さらに今回、純正アクセサリーに設定されているサイド&トップケースを装着して走ったが、こうなるとのんびりと遠くまで、キャンプ道具などの荷物満載で走りたくなるのが、このVストロームの魅力だろう。
バイク選びにはたくさんの基準がある。速さやスポーツ性を重要項目に選ぶ層もいれば、どこまでもラクに走っていきたい快適性、つまりツーリング性能をトップに選ぶ層もある。例えばサーキットでスポーツ走行をガンガン走りたい人はホンダCBR250RRにすればいいし、街乗りをキビキビとなんにでも使えるバイクが欲しいならYZF-R25もNinja250もGIXXER250もある。
けれど「のんびり遠くまで走っていきたい」ってバイクの使い方をしたい人ならば、答えはVストローム一択だ。
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装備・車両詳細
GSX250Rと共通のSOHC2バルブエンジン。ロングストローク型で、高回転よりも低~中回転を使って走るキャラクターだ。
シングルディスク+片押し2ピストンキャリパーの組み合わせ。タイヤはGSXと同じく、前後17インチのIRC製RX-01を履く。
リンクなしだが、モノサスを採用。サスは柔らかめの設定で、タンデムや荷物積載の時には、プリロードを7段階に調整できる。
デジタルメーターはギアポジションつき。オド&ツイントリップ、平均燃費計を装備し、メーター横には12VのDCソケットつき。
タンク容量は17Lで、WMTCモード燃費は32.0km/L。今回の実測燃費は約28km/L。高速道路メインでは約35km/Lだった。
ライダー側のシートは足つきのため、両サイドをシェイプされている。シーはクッション厚があって乗り心地が良いのも特徴だ。
スクリーンとナックルカバーを標準装備する。アウトドアギアをイメージしたという丸ヘッドライトとクリバシ風カウルが特徴だ。
センタースタンドだけでも3kgほどの重量があるのに、あえてセンタースタンドを標準装備。駐車やメンテナンス性は格段に高い。
■試乗・文:中村浩史 ■撮影:赤松 孝 ■協力:SUZUKI