他カテゴリ記事を絞り込んで探す

【YAMAHA YZF-R7】タイムを狙うわけじゃない 走行会的に、サーキットを走りたい

  • 中古バイクカタログ
  • 2022.06.09

今回は「YAMAHA YZF-R7」をご紹介します!

エンジンとフレームをMT-07と共用し戦闘的なポジションとしたYZF-R7。

パフォーマンスとイージーさを両立した新しい世代のスポーツバイクだ。

 

【目次】
1. MT-10と真逆のアプローチを採ったYZF-R7
2. 試乗インプレッション
3. 車両詳細

 

YZF-R7を探す

 

 

 

 

  • MT-10と真逆のアプローチを採ったYZF-R7

YAMAHA YZF-R7

YAMAHA YZF-R7

 スーパースポーツのパフォーマンスを、リラックスしたポジションで乗りたい、というカテゴリーのオートバイがある。スーパースポーツでアップハンドルな形──ヤマハで言えば2001年に生まれたFZS1000フェザー、17年に誕生したMT-10がそんなスタイル。スーパースポーツYZF-R1のエンジンを、ストリート仕様の車体に搭載したモデルで、ハイパフォーマンスを、より多くのライダー層に味わってほしい、というヤマハの思いだ。

 

YAMAHA YZF-R7

YAMAHA YZF-R7

 YZF-R7は、まったくその逆のアプローチを採った。ストリートで扱いやすいと評価の高いMT-07のエンジンを、スーパースポーツ仕様の車体に搭載。ストリート向け特性のエンジンを、スポーツ的に扱いたいという思いのオートバイなのだ。ヤマハはきっと、街乗りに優れた特性は、スーパースポーツとしても通用する、という点を実証したいのだ。

 

YAMAHA YZF-R7

YAMAHA YZF-R7

 エンジンはほぼMT-07のまま、車体をスポーツよりにモディファイ。ライディングポジションを取ると、MT-07とは大きく違う。グリップポジションは17cm低く、15cm遠い。ステップは5cm後退して6cm高くなったし、シートも3cm高く、スポーティというよりは、結構に強烈な前傾姿勢だ。

 

  • 試乗インプレッション

YAMAHA YZF-R7

緊張感をもって走り出すと、走りのテイストはMT-07ほぼそのまま。フリクションなくストロットルへの反応がいいい270度クランクの並列ツインは、データで言えばスロットルグリップにあるプーリーをハイスロ化して、ファイナルを1丁ロングに設定。けれど、MT-07からの変化は、出足がいくらか鋭いかな、というくらいの印象だ。

 

YAMAHA YZF-R7

 しかし、ハンドリングの手応えはかなり違いがあって、ライディングポジションが前がかりになっていることに加え、フロント周りのディメンジョンを変更しているため、フロントを軸に走っているような、カチッとしていて、軽快さを失わない味付けとしている。ダラーッと流してもいいし、スロットルの開け閉めやブレーキングにメリハリをつけると、さらに俊敏に動くようになる。

 

YAMAHA YZF-R7

 とはいえ、街乗りからロングランの快適さでは、やはりMT-07の方が上。対称的に、少しペースを上げて気を入れて走りたいワインディングや、サーキットランで爽快なのはR7。もちろん、例えばYZF-R1やR6のような、リアルにレースで勝ちを狙うモデルよりはイージーに走れるスポーツバイクだ。

 

YAMAHA YZF-R7

 R7は街乗りとスポーツランのキャラクターをバランスよく仕上げてあるオートバイだと思う。ライダー側から積極的に入力していくとスポーティに走れるし、のんびり走るとMT-07の快適さを味わうこともできる、守備範囲の広いモデルなのだ。

 

YAMAHA YZF-R7

 スーパースポーツモデルは「上手い人が乗れば最高だろうけれど自分にはムリ」と思わせる破壊力がある。R7は、それを心の重荷にせずに「上手い人が乗れば最高だろうし自分もがんばればそこまで行ける」と思わせてくれる、新世代のスポーツバイクなのだ。

 自分のバイクで、カリカリじゃなくても、走行会的なペースでもサーキットを走ってみたい――そう考えるオトナのための1台だ。

 

  • 車両詳細

Φ298mmのダブルディスクとラジアルマウントの4ピストンキャリパーの組み合わせ。フロントフォークはセッティングを変更し、MT-07からトレールを変えず、キャスター角を立てて軽快性と直進安定性を両立している。

 

マフラーを含め、MT-07と共通の並列2気筒エンジン。2気筒らしいパルスが感じられ、高回転では4気筒のような吹け上がりを味わえる。エンジンパワーモード選択やトラクションコントロール類の電子制御は不採用。

 

センターブレースと呼ばれる部分を強化し、スイングアームピボットまわりの剛性を上げ、前後サスペンションの強化に合わせている。スイングアームはMT-07と共通で、MT-07よりドリブンスプロケットが1丁少ない。

 

ヤマハYZF-Rシリーズ共通のフェイスデザインは、M字ダクトと呼ばれるヤマハ独特のインテークダクト内にLEDヘッドランプを内蔵。ライト両側にエアダクトと2眼式のポジションランプを採用している。

 

YZF-R6に似た前傾姿勢を取ることになるセパレートハンドルポジション。MT-07からタンクキャップの位置を後退させ、タンク前方をライダーが全伏せ姿勢を取った時のあご乗せ部としている。実測燃費は約24km/L。

 

フルデジタルメーターは黒バック白文字の見やすいもの。パネル左上にギアポジションを表示し、バーグラフタコメーター、オド&ツイントリップ、瞬間&平均燃費、水温&気温を表示。シフトアップランプも装備する。

 

 

●YZF-R7主要諸元

■エンジン種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ■総排気量:688cm3 ■ボア×ストローク:80.0×68.5mm ■圧縮比:11.5 ■最高出力:54kW(73PS)/8,750rpm ■最大トルク:67N・m(6.8kgf・m)/6,500rpm ■全長×全幅×全高:2,070×705×1,160m、m ■ホイールベース:1,395mm ■シート高:835mm ■車両重量:188kg ■燃料タンク容量:13L ■変速機形式: 常時噛合式6段リターン ■タイヤ(前・後):120/70ZR17M/C・180/55ZR17M/C ■ブレーキ(前/後):油圧式ダブルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク(ABS) ■懸架方式(前・後):テレスコピック式・スイングアーム式 ■車体色:ディープパープリッシュブルーメタリックC、ヤマハブラック ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):999,900円

 

制作・協力

■試乗・文:中村浩史 ■撮影:折原弘之

オークネット提供サービス一覧
© 2016- AUCNET INC.