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いま乗れる“Z” 50周年記念車、そしてこれからの50年
- 中古バイクカタログ
- 2022.09.09
今回は、カワサキのZ900RSをご紹介します!
2017年に発売されて4年半。カワサキの「最新Z」ことZ900RSは、大方の予想通りの大人気で、それどころかその大人気がずっと続いて、登場以来ずっとベストセラーの座をガッチリつかんでいる。
当のカワサキも、もちろん「似せた」わけではないけれど、カワサキZシリーズのイメージをきちんと再現した新しいロードスターは、ルックスのZっぽさはもちろんレトロ感たっぷりだけれど、走りはきちんと現代風。82psをマークした’72年式の空冷4気筒900ccは、111psをマークする水冷4気筒に進化している。
【目次】
1.Z900RSの特徴
2.Z1を受け継いでいるZ900RS
3.車両詳細
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Z900RSの特徴
乗り始めから、Z900RSはどっしりと穏やかな手ごたえがあって、ベースモデルとなったZ900をはじめとしたライバルモデルとも一風変わっている。
パワー特性は発進の回転域から充分にトルクがあって、アイドリングすぐ上の1500rpmからスーッと加速する力がある。街中で走る分には2000rpmも回していれば充分で、トップ5速で50km/hくらいで走っていると、回転数は2000rpmにも満たないくらい。
こんな回転域でも、息つきもせずズオォォォと走っているのが、なんともZっぽい。思い返せばZの元祖たるZ1も、低速からブ厚いトルクがあって高回転を回すというより、その余りあるトルクを使って走るようなオートバイだった。
もちろん、現代の水冷4気筒は、もっとフリクションなく高回転のパワーが湧き出てくる。けれど、出力に関しては、ベースとなったZ900から特性を大きく変えて、ピークパワーを14psも削ってZ900RS専用としているから、軽快にひゅんひゅん回るZ900と比べて、Z900RSのそれは、重厚にトルクが出ている──そんな印象なのだ。
軽快に走るには、もっとベースモデルからの変更を少なくすればいいんだけれど、Z900RSはあえて専用の味付けとした。俊敏に走るより、おおらかに、どっしりと走るロードスターにしたい、というのがカワサキの意思だったのだろう。その狙いはきちんと体感することができる。
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Z1を受け継いでいるZ900RS
ハンドリングも、やはり重量級のキャラクター。決して俊敏には仕上げず、どっしりと接地感があって、これはキャリアの浅いライダーにも不安のない、怖くないハンドリング。もちろん、ワインディングに入ってメリハリあるアクセル開閉やブレーキングをしていけば、スポーツバイクのテイストを味わうことができる。それでもキレがあるとか、クイックにコーナリングというよりは、気持ちよくワインディングを流すことができるのだ。
思えばZ1は、カワサキが作った当時の世界戦略車。何かのキャラクターに偏ったバイクというよりも、オールラウンダーで、誰にでも愛されるモデルづくりをしたはずだ。
その意味で、Z900RSはしっかりZ1の血統を受け継いでいるといえる。スタイリングだけじゃないのだ、Zっぽいのは。ちなみに跨って、ハンドルに両手を添えた瞬間、そのハンドル幅の広さにニヤリとしてしまうのは、70年代の空冷Zを知っているベテランだろう。おそらく、カワサキの遊び心なんだろうけれど、理想のハンドル幅よりちょっと広いような気がするのだ。
今回の試乗車は、Z900RSのZ生誕50周年記念モデル。サイドカバーのエンブレムがZ1そっくりだったり、50周年記念車以外では純正アクセサリーで用意されているメッキのグラブバーも標準装備されている。
「オレもZ欲しいな」っていう若いファンは少なくない。けれど、もう40~50年前の空冷Zは、もう手が届かない価格帯のプレミアモデルだし、ずっとノントラブルで乗り続けられるわけでもない。
だからZ900RSがあるのだ。Z1誕生から50年。Z900RSも、この後50年、生き続けるバイクになるのだろう。
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車両詳細
火の玉カラーのタンクに、控えめに入る50周年記念モデルの専用ロゴ。もう少し目立ってもいいのに。
ラジアルマウントの4ピストンキャリパーに倒立フォーク。ホイールもスポーク風デザイン。
OFF/1/2と3段階のトラクションコントロールも備える水冷4気筒。ブラック仕上げもZっぽさ満点。
マフラーの美しさは市販車トップクラス。角型アルミスイングアームはきれいな直線を描く。
シート下まで伸びる形状の17Lタンク。Zのスラリとした形状よりちょっとファットだが、これもZっぽさ。
シート表皮も50周年記念車専用。標準装備のメッキグラブバーも、50周年車以外では別売りパーツだ。
アナログ2眼メーター中央に液晶パネルをビルトイン。オド&ツイントリップ、瞬間&平均燃費などを表示。
通常車は「Z900RS」のエンブレムが、50周年記念車はこれ。Z1そのままのデザインだ。
■試乗・文:中村浩史 ■撮影:富樫秀明 ■協力:カワサキモータースジャパン ■ウエア協力:アライヘルメット、クシタニ