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【遠藤イヅルの名車カタログ】第100回 カワサキ・GPZ900R

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  • 2020.05.24

毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 記念すべき第100回目となる今週の名車は、カワサキが誇るロードスポーツバイク「カワサキ・GPZ900R」のご紹介です。

■カワサキ・GPZ900R ■エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒

■最大出力:115ps/9,500 rpm ■最大トルク : 8.7kg-m/8,500 rpm


この連載「名車カタログ」もついに100回を迎えることができました!

ひとえに、読者のみなさま、バイクの窓口編集部のみなさまのおかげです。

改めまして、御礼を申し上げます。


100回記念ということで、選んだバイクはまさに名車!の

「カワサキ・GPZ900R」です。

実は連載開始時から、節目になったら描こう、と思っていたバイクです。

以下から通常の「〜だ」調に文体を戻します。


GPZ900Rの登場は1984年。

当時、カワサキの輸出用バイクの最高峰は「GPZ1100」だったが、

120psを絞り出す、水冷最強と謳われたエンジンも

すでにパワーアップは限界に達しており、

また244kgの巨体も合まって、軽快とはいえなくなっていた。

そこで、後継モデルで掲げられた目標は

リッターバイクの動力をナナハンクラスに載せた

世界最速のロードスポーツバイクを開発することだった。


その結果生み出されたGPZ900Rは、

水冷・4バルブ化した新設計のエンジンを搭載。

バイク用4気筒エンジンでは初となるサイドカムチェーン方式を取り入れて

エンジンのコンパクト化・軽量化を実現したこともトピックだった。

また、1983年以降のGPz1100以降の流れを継ぐ

流麗ながらもエッジが立つデザイン、

そして、さらにそれを進化させたフルフェアリング、

フロントホイールの16インチ化など

これまでにない新機軸を多数投入。

まったく新しい「Z」像を見事に作り上げていた。


GPZ900Rの最高出力は900ccクラスでは高性能な115psだったが、

GPZ1100の120psには及ばなかった。

しかし開発目標通り、

最高速度約250km/h、0-400m加速は10秒台という性能を達成。

大排気量バイクとは思えない軽快なハンドリング、扱いやすさ、

高い高速安定性も兼ね揃えたバイクとして高い評価を得ることになった。


カワサキのスポーツバイクに付けられている愛称「Ninja」の始まりが

このGPZ900Rの北米仕様だったことは、説明するまでもないだろう。


デビュー時、GPZ900Rは輸出用だったため、国内用としてナナハンの

GPZ750Rをラインナップしていたが、わずか3年で消滅。

1991年以降は、規制解除で国内でもGPZ900Rが買えることになった。


GPZ900Rはロングセラーとなり、2003年まで20年にわたって販売が行われた。その間、なんと15回におよぶマイナーチェンジを繰り返し、

最終的には「A16」まで進化している。

しかし大きな仕様変更は数回のみで、デビューしたままの姿を保ち続けた。


いかにGPZ900Rというバイクの基本コンセプトが優れていて、それを支持したファンが多かったかが伺える。


イラストは最初期の「A1」を描いている。

A2までは、サイドカバーのロゴのZが小文字

(厳密には、GP以下の文字が小さい)なのが特徴だった。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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