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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第103回 ヤマハ・シグナス
- おすすめコラム
- 2020.07.19
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の珍車は、長距離移動やツーリングを可能とした大型スクーター「ヤマハ・シグナス」のご紹介です。
■ヤマハ・シグナス ■エンジン:4ストローク空冷単気筒
■最大出力:9.8ps/7,300rpm ■最大トルク : 1.5kg-m/6,000rpm
1980年代に入り、原付バイクは本格的なスクーター時代に突入。
一方でスクーターは近場のアシというイメージが強く、
遠出に使えるモデルという概念が薄かったのです。
そこでヤマハは、1982年に「シグナス180」を発売。
171ccエンジンを積んだ、当時としては大きなスクーターで
高速道路での走行も可能な、ツーリング向けモデルでした。
あの頃の新車で大きなスクーターがどのくらい珍しかったかというと、
シグナス180が軽二輪規格スクーターとしては
ラビット以来だったことで伺い知ることができます。
空冷単気筒エンジンは4スト。ヤマハのスクーターでは初採用でした。
モールを巻いた大きなボディは品もよく、
デジタル時計を備えるなど装備も充実していました。
スクーターでツーリング、ギアチェンジが不要なのでラク、
という考え方は現在では当たり前ですが、
当時では画期的なアイデア。
しかし画期的過ぎたため、
シグナス180はさほど売れることなく、
またコンセプトを継ぐモデルも出ませんでした。
シグナスという名前はその後、別のバイクで使用され、
現在でも「シグナスX」として
ラインナップに残っています。