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【遠藤イヅルの名車カタログ】第103回 ヤマハ・YZR-R1
- おすすめコラム
- 2020.07.12
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、「ツイスティロード最速」と言われた「ヤマハ・YZR-R1」のご紹介です。
■ヤマハ・YZR-R1 ■エンジン:水冷4ストロークDOHC並列4気筒
■最大出力:200ps/13,500 rpm ■最大トルク : 11.5kg-m/11,500 rpm
ヤマハのフラッグシップスーパースポーツ、FZR1000や
YZF1000Rサンダーエースの後継モデルとして
1998年に登場した「YZR-R1」。
それまでのリッタークラスのスーパースポーツバイクは、
各社ともに優れた性能とハンドリングを持ちつつも
レーサーレプリカのようなカリカリな性格に振り過ぎず、
どことなくゆったりとした雰囲気と
ツアラー的な性格を持っていた。
YZF1000Rサンダーエースでは特にその傾向が強かった。
しかしYZR-R1では、その要素をバッサリと削っていた。
フロントフォークは倒立式、
エンジンは前任のYZF1000Rサンダーエースの145psから5psアップ、
そして驚くべきは車重を20kg以上減らして177kgとしたこと。
中型並みの車体に150psのパワー、
そして「カミソリ」とまで称されたハンドリングによって
さらに切れ味鋭い走りを手に入れていた。
峠道などの公道で性能を発揮できるバイクとして、
「ツイスティロード最速」というキャッチコピーが与えられていた。
今では当たり前になったツインヘッドライトを含め、
驚くほどの高性能が注目を集めたYZR-R1の出現は、
フラッグシップスーパースポーツを持っていた各社に
大きな衝撃を与えることとなり、
ホンダはCBR900RRの性格を変更して、さらに一年前倒しで発売。
カワサキZX-9R、スズキGSX-R1000など
過激な性能を持つフォロワーが次々と出現し、
スーパースポーツ戦国時代を迎えることとなった。
YZR-R1はその後、数年おきにモデルチェンジを繰り返し、
2015年発売の現行型は8代目を数えるが、
残念ながら日本では発売されていない。