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【遠藤イヅルの名車カタログ】第106回 ホンダ・CB1100R

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  • 2020.08.30

毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、耐久レースを舞台に活躍した「ホンダ・CB1100R」のご紹介です。

■ホンダ・CB1100R ■エンジン:空冷4ストローク並列2気筒

■最大出力:120 ps/9,000 rpm ■最大トルク : 10.0 kg-m/7,500 rpm


1970年代後半から80年代前半にかけて、

ホンダのワークスレーサーの「RCB」と「RS」シリーズは

欧州の耐久レースで好成績を残した。


しかしその一方で、市販車を改造したプロダクションレースでは、

ホンダの最大排気量バイクCB900Fをもってしても、

排気量無制限だったレギュレーションの中では

なかなか勝つことが難しかった。


そこでホンダは、CB900Fをベースにした

「市販車のままで勝てる」ホモロゲーションバイク

「CB1100R」の開発に着手。


9ヶ月後の1980年10月、オーストラリアで開催された6時間耐久レースへの

出場を果たした。

急遽開発したマシンだったため、カウルの作成が間に合わなかったが、

それでも見事な勝利を収めることに成功している。


そして1981年から限定発売を開始。

この際、CBXのアッパーカウルを流用して装着した。

翌年には空力を意識した形状のフルカウルの採用、

タンデムシートカバー装着、フロントホイールを18インチにダウン、

フロントフォークのインナーチューブ径拡大、

アンチダイブ機構のTRACを装備し、


エンジンも120psまでアップするなど多岐にわたる改良が施された。


さらにCB1100Rとして最終モデルとなる1983年型では、

フロントサスを可変ダンパーとし、

リアサスではスイングアームを角断面に、

ダンパーははリザーバー付きに変更。

外観では、ボディカラーをキャンディカラー化したことで

深みのある色合いになった。


基本的には手作りで、レースに勝つためのパーツが奢られていたことから

価格は約250万円と高かった。

参考までに1982年当時、CB750Fが65万円だったことを考えると、

いかに高価だったかがわかる。


販売された台数は、合計で4050台と言われている。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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