他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【遠藤イヅルの名車カタログ】第105回 ホンダ・CL72
- おすすめコラム
- 2020.08.16
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、「スクランブラー」というジャンルを開拓した「ホンダ・CL72」のご紹介です。
■ホンダ・CL72 ■エンジン:空冷4ストローク並列2気筒
■最大出力:24.5ps/9,000 rpm ■最大トルク : 2.06kg-m/7,500 rpm
オフロードバイクのワイルドさと、オンロードの快適性を併せ持つ
「スクランブラー」は、カスタムの定番で人気が高いジャンルだ。
日本での始まりは、1960年代。
当時は道路整備が進んでいなかったが、
まだ本格的なオフロードバイクは存在しなかった。
そこでホンダは、スーパースポーツバイクの「CB72」
のマフラーを高い位置に移設した「CL72」を1962年に発売。
「スクランブラー」というジャンルを開拓した。
オンロードベースで悪路も走れるというバイク需要に応えた。
CB72の250cc2気筒OHCエンジンを中低速重視にチューンして、
CL72専用のフレームに搭載。
トランスミッションもギア比をクロス化して、ラフロードでも
乗りやすいセッティングとした。
タイヤもブロックタイプを装着、ハンドルの位置も高めた。
さらに1966年には、300ccエンジンを積んだ「CL77」も追加している。
ホンダでその後「CL50」「CL90」「CL125」「CL175」「CL200」
「CL400」など排気量ごとに数々のCLを発売。
ライバルメーカーも追随したが、
やがて本格的なデュアルパーパスバイク「SL」が発売され、
さらに本格的なオフローダー「エルシノア」へと発展が進んでいくと
オンロードベースのスクランブラーは人気が下がっていき、
CLシリーズも1974年で終焉を迎えることになった。
近年では、冒頭で記した通りカスタムスタイルの一つとして
メーカーが純正でスクランブラーを発売するほどに認知された
ジャンルとなっているが、
あくまでも「オンロードバイクをオフロードバイク風に見せる」という
“スクランブラーの定義”は守られている。