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【遠藤イヅルの名車カタログ】第114回 スズキ・グラストラッカー
- おすすめコラム
- 2020.12.27
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、1990年代末に起きたトラッカーブームに乗ってヒット作となった「スズキ・グラストラッカー」のご紹介です。
■スズキ・グラストラッカー ■エンジン:空冷4ストローク単気筒
■最大出力:19 ps/7,500 rpm ■最大トルク : 2.1 kg-m/7,500 rpm
バイクの新モデルが登場する背景には、
時代ごとの「ブーム」が大きく影響することがある。
2000年発売の「スズキ・グラストラッカー」も、
1990年代末に起きた「トラッカーブーム」を受けて市場に投入された。
トラッカーとは、元々はアメリカで、
未舗装(ダート)のフラットトラックを走るマシンを指す。
1982年にトラッカーをイメージした「ホンダ・FT400/500」、
1985年には本格派トラッカー「ホンダ・FTR」などが
ブーム以前に生まれていたが、当時の日本では
トラッカースタイルは普及しなかった。
1990年代も半ばを過ぎたころには、
速さを求めたレーサーレプリカのブームが終焉し、
入れ替わるようにシンプルなネイキッドが流行。
その後、タフ・ワイルドなイメージを持つトラッカーが
注目を浴びたのは自然な流れだったのかもしれない。
小さなタンク、フラットなシートを持つグラストラッカーのスタイルは、
とてもシンプルだった。
エンジンは、1980年代に登場して以来、
DR250・GN250・ボルティー・マローダーなどに使われ続けてきた
4スト単気筒4バルブの250cc。
250ccバイクとしてはコンパクトで、足つき性もよく、
ブームにも乗ってヒット作となった。
2004年には、
ベースのボルティーが後継の「ST250」に変更されたことを受け、
2バルブの新開発エンジンに換装。
さらに2008年になってキャブレターを電子制御インジェクションに変えて
排ガス規制に対応するも、2017年になって生産を終了した。
なお、グラストラッカーには大径タイヤを履いて悪路走破性を高めた
「グラストラッカー・ビッグボーイ」という
バリエーションモデルも存在していた。