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【遠藤イヅルの名車カタログ】第116回 ヤマハ・350R1
- おすすめコラム
- 2021.01.31
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、当時のヤマハ最大排気量となる348ccの空冷2ストローク並列2気筒エンジンを搭載したスーパースポーツモデル「ヤマハ・350R1」のご紹介です。
■ヤマハ・350R1 ■エンジン:空冷2ストローク並列2気筒
■最大出力:36 ps/7,000 rpm ■最大トルク : 3.8 kg-m/6,500 rpm
現在では信じがたいのだが、1965年まで
ヤマハでの最大排気量は305ccだった。
しかし、このエンジンを積んだ「305YM1」は、
実質的には250ccのYDS-3の延長上にあるバイクだった。
そこでヤマハは、海外の大排気量バイクと渡り合うため、
350cc専用のフレームを持った「350R1」を、1967年に発売した。
搭載される2スト・2気筒350ccエンジンは新開発。
36psの最高出力は、170kgの車体に170km/hという最高速度と
ゼロヨン13.8秒という加速力を与えた。
1968年には、エンジンを5ポート化した「350R2」(国内未発売)、
さらに1969年、ホイールベースを縮めて
コーナリング性能を高めた「350R3」へと発展。
アップマフラーのスクランブラー版、
「350R3-C」も発売されている。
その後、ライバルのスズキは1968年に500ccの「T500」を、
すでに「CB450」を発売していたホンダは、
1969年になって直4・750ccという驚異的なバイク
「ドリームCB750FOUR」を誕生させていく。
ヤマハは、1970年にヤマハ初の4ストで
バーチカルツイン650ccを積んだ「650XS1」を発売。
時代は、急速に本格的な大排気量時代へと進んでいった。
なお、350R1は、1968年12月に起きた「三億円事件」で
犯人が「ニセ白バイ」に用いたことでも有名である。