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【遠藤イヅルの名車カタログ】第117回 カワサキ・Z1(900 SUPER4)

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  • 2021.02.14

毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、大型高性能バイクとして大きな成功をおさめた「カワサキ・Z1(900 SUPER4)」のご紹介です。

■カワサキ・Z1 ■エンジン:空冷4ストロークDOHC8バルブ直列4気筒

■最大出力:82 ps/8,500 rpm ■最大トルク : 7.5 kg-m/7,000 rpm


国産バイクの名車を挙げよ、といわれたら、

このバイクはほぼ必ずノミネートされるだろう。

それが、「カワサキ・900 SUPER4」、通称「Z1」である。


1960年代、カワサキの大型バイクといえば

2スト・3気筒の「500SS(マッハIII)」と、

メグロの系譜上にある4スト2気筒の「W1」しかなかった。

時代の趨勢は4スト化に進んでいたが、

W1の4ストはスポーツバイクには適さなかったため

カワサキは4スト直4のエンジンを試作し、

いよいよ発売という段までこぎつけていた。


そんな折、ホンダが「世界初の直4エンジン」を搭載した

「ドリームCB750FOUR」が電撃発表された。1968年のことだった。

カワサキとしては、まさに寝耳に水。

開発中のエンジンには、「世界初」の冠がつけられないことになってしまった。

そこでカワサキは、急遽「違うことで世界初」となるエンジンを生み出した。

それが、1972年に北米で発売された「900 SUPER4」に積まれた

「4スト直4DOHC」だった。しかも排気量は900ccオーバー。

最高出力82ps、最高速度は200km/hオーバーに達し、

大型高性能バイクとして大きな成功をおさめ、

カワサキのイメージを大きく高めた。


性能だけではなく、

ティアドロップ型タンクや、

後端が上がったテールカウルなどの美しいデザイン、

迫力ある4本出しマフラーが魅せるリアスタイルも、その人気をアシストした。


なお日本国内には、排気量を750ccとした「750RS」=「Z2」が投入されている。


Z1は、カラーリング変更、耐久性向上などこまめな改良を繰り返したのち、

1976年にはマイナーチェンジ版を行なって「Z900」に発展。

さらに排気量を1000ccまで拡大して、2本出しマフラーに変更した

「Z1000」もリリースされ、

カワサキ製大型リッターバイクの決定的な流れを作っていった。

現在も「Z1000」の名前が残っているのは嬉しいところだ。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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