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【遠藤イヅルの名車カタログ】第118回 カワサキ・Z1300
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- 2021.02.28
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、最高のフラッグシップマシンとして開発され、10年以上に渡るロングセラーモデルとなった「カワサキ・Z1300」のご紹介です。
■カワサキ・Z1300 ■エンジン:水冷4ストロークDOHC2バルブ2直列6気筒
■最大出力:120ps/8,000rpm ■最大トルク : 11.8 kg-m/6,500rpm
1970年代に入り、国内バイクメーカー各社は、
直4エンジンを積んだオーバーナナハンを次々と発売していった。
1978年には、ついに前代未聞の直6を搭載した「ホンダ・CBX」がデビュー。
コンパクトに収めているとはいえ、やはり直6エンジンは巨大で、
1047ccという排気量が絞り出す103psという数値も驚異的だった。
そして同年、歩調を合わせるかのようにカワサキも
直6エンジンのビッグバイク「Z1300」をケルンショーで発表した。
排気量はCBXをさらに上回る水冷DOHC 1286ccエンジンは、
2バレル3連CVキャブによって120psという、
当時としては異次元のハイパワーを発生。
300kg近い車体を220km/hオーバーまで加速させた。
1984年にはインジェクション化して、
130psにパワーアップを果たしている。
巨大なエンジンを抱えたスクエアな巨体も、インパクト抜群だった。
メイン市場として想定された北米で、
大型ツアラーバイクの需要が高まっていたこともあり、
Z1300はツーリングモデルという性格が与えられていた。
そのため、エンジンの静粛性を高め、ソフトな足回りを採用していた。
同時に、カワサキの旗艦でもあったため
装備は極めて充実していた。
なお、北米仕様は「KZ1300」と称していた。
ドイツでは「バイクに120psもパワーがあっては危ない」ということで
なんとZ1300の登場に合わせて最高出力100ps規制が敷かれたため、
欧州では99ps仕様が発売されることになった、という逸話が残る。