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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第16回 カワサキ・AV50 (1982)
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- 2016.12.03
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は50cc4ストアメリカンの「カワサキ・AV50」のご紹介です。
■カワサキ AV50 空冷4サイクルSOHC単気筒49cc
■最高出力:4.3ps / 7,000rpm ■0.45kgf・m / 6,500rpm
カワサキが原付を!?
そうなのです。1982年に登場した「AV50」は、
カワサキ初の4スト50ccエンジンを搭載したレジャーバイクでした。
ただ、発売時の50ccモデルはまだ2ストが全盛、
しかも7.2psという高い自主規制値いっぱいのモデルが多数存在。
そのため、4.3psしかなかったAV50は
粘りあるエンジン設定によってゆったり走る性格が与えられていました。
長いフロントフォークにティアドロップ型のタンク、
端部がせり上がったシートなど、
当時の50ccでは珍しかったアメリカン・チョッパー風の車体が特徴でした。
同様のアメリカンスタイル原付、
ホンダ「JAZZ」よりも早く登場していたという点で先見の明があった
AV50ですが、JAZZのヒットに隠れて目立たない存在となり、
1990年前後にひっそりと生産を中止してしまいました。
注目すべきポイントはシートが前後に40mmスライド出来たこと。
これなら、小さな50ccバイクに大柄なライダーが乗っても
窮屈さを軽減することが出来ました。
しかもAV50用に開発されたこのエンジン、
なんとこのAV50一代限りにしか積まれませんでした。
その後のモデルには採用されなかったのです。
なんだか、ちょっともったいないですね。