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【ツーリングアイテム】雑誌記事とはちょっと違うインカムレポ

  • おすすめコラム
  • 2019.02.22

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第30回。今回のテーマはズバリ「インカム」です!年間相当な回数バイクに跨るKAZU中西さんにとってインカムはスマホよりも重要だったり。。そんなKAZU中西さんのインカムへのこだわりに触れるレポートです!

  • 乗り始めたころからタンデムスタイル

オートバイ雑誌でタンデムスタイルがあります。私は創刊から約3年間、取材や編集で携わりました。当時は全くの新ジャンルで、取材のやり方も手探り状態。辛いことも多かったのですが、今となっては愉快な思い出として語れます。私の場合、タンデムのライディングについては、運転免許を取った頃=高校生時代から当たり前。家族や仲間、もちろん当時お付き合いしていた女性とも、思い出しきれないほどタンデムライディングを楽しみました。クルマでドライブするのとは違った共有感と一体感。これがタンデムライディングの魅力だと私は思います。


愉快なタンデムライディングに欠かせないのは、お互いの気遣いや思いやり。そして信頼感です。一人で乗っている時より、運動性能は格段に低下しますから、急発進・急停止、クイックかつ過激なリーン動作はご法度。何をするにも丁寧かつスムーズです。


【意思疎通はハンドサインからインカムへ】

同乗者との意思疎通、かつては停まった時のおしゃべり、走行中はハンドサインで行なっていました。いつもタンデムしている人同士ならば、あらかじめ決めておいたハンドサインで「休憩するよ」「ガソリン補給するよ」「景色がいいね」「お腹空いた」など意が伝わったわけですが、オートバイ用品メーカーからタンデム用のインカムがリリースされるようになると、その気軽さと確実さからインカムを活用するようになりました。以降、業務としては、いろんなメーカーのインカムを使わせていただき、その紹介記事も掲載してきました。ここでは、私自身が愛用してきたインカムにつてレポートしたいと思います。


まだBluetooth接続が一般的でない時代、我が家ではデイトナの有線式インカムをよく使っていました。やがて無線式(トランシーバータイプ)へと進化していくわけですが、会話のしやすさは有線式のほうが優れていたように思います。その反面、オートバイを降りる時に線を外し忘れておっとっと・・・という場面も少なくなかったです。

  • 無線屋が勧めるインカム

伊豆スカ事故ゼロ活動を始めた頃、離れた仲間と会話する目的でアマチュア無線免許を取りました。かつて自動車にパーソナル無線を積んでいた経験もあり、オートバイに無線機を搭載するのは抵抗感なし。しかし、無線機とヘルメットのヘッドセットの接続には、煩わしさを感じていました。その後、私が車載している無線機は、Bluetooth接続にアップグレードできると知り、それに合わせてヘッドセットを変更。以前はケテルの有線タイプを使用していましたが、同社のベアリザードを使うようになりました。関連して無線機屋に足を運ぶようになったのですが、その際にオススメされたのがインターフォンのF3XT。無線機との親和性が良いとのことでした。使い始めて直ぐに良いなと思ったのは、機能切り替えの操作性。各ボタンは直感的に覚えやすく、グローブ越しでも操作しやすい。無線機との連動も良かったです。


車載用の無線機は、その当時に定番的だったSTANDARDのFTM-10です。私はAM/FMラジオも受信できるアンテナを使っていました。ツーリングシーンでローカルラジオ局の交通情報を聴けるのは、渋滞回避にとても役立ちました。


私が購入したFTM-10。当初は有線ヘッドセットで使っていました。Bluetooth仕様にしてからは、さらに使いやすくなりました。


インターフォンF3XTは、その本体サイズとデザインも気に入っていました。小ぶりで張り出し量も少ない。ただし、肩パットの張りだしているライディングウエアでは、ボディやケーブルが引っかかってしまうこともありました。仕組み的にスマートフォンと無線機の同時使用はできず、その都度接続し直していました。


電話や同乗者との通話機能については、まったく以て申し分なく満足。防滴性についても問題なし。


【無線機要らずのインカム】

長らくインターフォンF3XTを愛用してきましたが、グループツーリングでは皆が無線機を搭載しているわけではないので、インカム本体同士が接続できるインターフォンTOURを使ってみることにしました。基本的な機能や防水性などは、F3XTの延長線上にあると思いましたが、いざ使い始めて便利さのアップグレードぶりに驚きました。


インターフォンTOURは、本体正面に機能切り替えボタンがあり、位置さえ覚えれば直感的に操作できます。私は電話に自動着信機能を設定したくないので、電話の呼び出しがあったら前ボタン、通話が終了したら再度前ボタンを押すという、シンプル操作を好みます。これは通話機能だけでなく、音楽再生やラジオ聴取のON/OFF切り替えにも言えることで、そのボタンを押せば機能するという操作性が、ライディングに向いていると思いました。他社インカムとの接続も、さほど難しくない。F3XTからの進化ぶりに感心しきりです。


機能的には全く不満なし。むしろバッテリーのモチの良さに驚くばかりです。ナビゲーションを併用しても、1泊2日の行程なら追加充電無しで使えました。電話と接続して待ち受け状態なら3日くらいもちます。ただし、ベースプレートの形状が、装着するヘルメットの形状を選ぶというか、アライヘルメットのSZ-RAM4では装着角度が上手くいかず、ライディングウエアに引っかかるということもありました。アライヘルメットのRX-7シリーズでは割とスマートに装着できるので、マウント方法に工夫すれば良いのだなと思い知らされたインカムでもあります。

  • 仲間内で人気のSENAを使ってみる

私の周りでは、SENAのインカムを使っている人が多いです。「ジョグダイヤルが便利」「デザインが良い」など、それぞれに購入理由はあるようです。その中で、インターフォンTOURよりもインカム同士の接続性が良いというコメントがあり、ならば使ってみよう!と導入してみました。


これまで使ってきたインカムより、デカい&いかつい!そんなイメージのSENA30Kです。伝統のジョグダイヤルがメカニカル感でカッコいいなと。


装着はSENAプロショップの中でも抜群のノウハウを持っていると名高い、南海部品湾岸千葉店にお願いしました。


装着するヘルメットはアライヘルメットのXDです。よってマイクはケーブルタイプをチョイス。この組み換え作業からフィッティング、使用機能の調整まで、全てお任せしちゃいました。


変に斜めにならずスッキリと装着できたSENA30K。単体で見るといかついなと思いましたが、ヘルメットに装着してみるとさほどデカさを感じず、むしろメカニカルな外観がヘルメットのデザインにも合っているなと思うようになりました。自慢のメッシュインターコム技術は、従来のペアリング作業の煩わしさが無く、便利のこの上ない感じです。同じ30K同士なら、ボタン操作一発で簡単ペアリング。他社インカムとの接続もさほど難しくないです。


インカムとしての機能に満足すると、気になってくるのが音の再現性です。普段、ラジオDJをしていますから、高音域や低音域の再現性について厳しく見てしまう。そんな私でも、SENA30Kのスピーカー性能には満足しています。


まさに良いことずくめのSENA30Kですが、ベースプレートの形状と張り出し量の多さから、ライディングウエアによっては肩パットに引っかかって本体が外れてしまうこともあります。また、バッテリーのもちについては、及第点はクリアしているかな?と思います。メッシュインターコム機能とスマートフォンのナビゲーションアプリの併用では、バッテリーの消耗が激しい。スマートフォン用に市販されている外付けのバッテリーをつなげば問題解決となりますが、それなりの容量がないと1泊2日のツーリングでは厳しいかもしれません。とはいえ、トータルのパフォーマンスとしては、使い勝手の良いインカムだと思います。



【より良いインカムを求めて】

それぞれに優れた機能があると言える現代のインカム。使用環境や使い勝手を考慮して、その人なりにベストなものを選んでいくことになると思います。私は新しいもの好きでもありますから、タンデム通話の基本性能はもちろん、様々な機能切り替えや他インカムとの接続性、音の再現性、フィッティングの良さ、バッテリーのもち具合など、より良いものを常に探しています。そんな中、デイトナからDT-01が登場しました。


スッキリとしたデザイン、直感的な使い勝手の良さ、性能と価格のバランスが良いと言われるデイトナのDT-01です。いずれにしても使ってみなければ、真の性能は知り得ない。早速装着してみましたが、アライヘルメットのVZ-RAMでは、クリップよりも付属の両面テープマウントが、収まりよくフィッティングできると思いました。


正面パネルはインカム機能、上のMボタンはミュージック再生などの機能、下のレバーは音量調整、このように覚えてしまえば、操作についてはさほど難しくないです。インカム同士の接続については、DT-01同士なら驚くほど簡単。他社インカムについては、さほど難しくなく及第点という感じです。音に関しては、特に高音域のチューニングが絶妙。インカム通話している時にミュージックシェアしていると、ホールで会話しているかのような感覚になりますが、これはそもそもの性能なのかスマートフォンの性能が影響しているのか、現在のところ調査中です。まだ使い始めたばかりなので、全ての機能を把握しているわけでもなく、しばらくの間はタンデムで使い勝手を検証していきたいと思います。

制作・協力

■ライター:KAZU中西

文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。

現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有

プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。

オートバイ以外の趣味はモーターボート。


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