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オートカラーアウォード 2022 ノミネートバイク レポート!

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  • 2023.01.26

2022年12月13日(火)~14日(水)に開催された「オートカラーアウォード 2022」のレポートです!

オートカラーアウォード 2022が、2022年12月13日(火)~14日(水)に開催されました。

 

このイベントは、一般社団法人日本流行色協会(JAFCA・ジャフカ)が主催。

年に1回、優れたモビリティのカラーデザインを顕彰する制度として実施されています。

 

企画や発想、全体との調和など、内外装すべてのカラーデザインを評価する顕彰制度。

 

今年は「ハイブリッド開催」として、オンラインと会場を活用。

12月13日にライブ配信でカラーデザイナーによるプレゼンテーションを実施。

12月14日に実車展示、グランプリ発表、表彰式が行われました。

 

ノミネート車一覧

 

毎回、各社デザイナーのカラーデザインに込めた熱い想いが直接聞けるイベントです。

バイクメーカーは、ホンダ、スズキ、カワサキが参加。

 

2日目は、東京都江東区「東京国際交流館プラザ平成」の敷地に車両を展示。

バイク、クルマに加え、今回は初めてヤンマーが建設機械でノミネートしました。

 

ノミネート車両と、デザイナーのインタビューを紹介します!

 

(以下の「CMFG」は、C=カラー、M=マテリアル、F=フィニッシュ、G=グラフィック。)

 

  • スズキ GSX-S1000GT / GSX-S1000

スズキ

テーマ 「リアルな非日常、憧れ体感 CMF」

 

バーチャルコンテンツでは味わえない「リアルな感動」と「非日常への憧れ」をモーターサイクルで実現。

 

リターンライダーだけでなく、男女問わず、若者の間でモーターサイクルへの関心が高まりを見せる現在。

バイクを通じて「リアルな感動、非日常への憧れ」体験を「身体全体で自由に体感できる」と考察。

 

スズキ GSX-S1000GT

リフレクティブ ブルーメタリック

 

フルカウルのグランドツアラーは、深みのあるブルーを新色で採用。

GT専用色のブルーで表現したのは「竜洋」の地から見える景色(太平洋、アルプス山系、富士山など)。

経験豊富なベテランライダーへ向けたモデルとしてラインアップ。

 

スズキ GSX-S1000

グラスマット メカニカルグレー

 

ネイキッドスタイルで、コンパクトなストリートファイターの狙いは「スタイリッシュ&アグレッシブ」。

スーパースポーツのDNAを継承するパフォーマンスを、スタイリングとカラーで明確化。

新色のグレーは「硬派で危うい」色調を狙って、明度を明るめに調整。

 

両車はエンジン、フレーム、サスペンションなどを共通としながらも、方向の違いをカラーで差別化。

いずれも「ちょっとスズキっぽくないカラー」だと感じましたが「トレンドを意識した選択」とのこと。

 

GSX-S1000は、フロントサスペンションのゴールドの色調で「高性能、スポーティ」を表現。

 

シートフレームは、それぞれを専用設計としてカラー変更で違いを強調。

 

GSX-S1000GTは、サイドケース上部を同色にしてボディとの一体感を得て「専用品」を強調しています。

 

グレーは、マット処理を施してあります。

100%の艶消しは「擦れ」などで出来る「ツヤ」が目立ちますが、70%として「感じにくい」仕上がりに。

 

プレゼンでは、GSX-S1000の樹脂パーツに採用された「シボデザイン」の説明が印象に残りました。

 

無塗装の樹脂パーツに、フォージドカーボン(鍛造カーボン)をイメージした「新シボ」を採用。

7方向から違うパターンに見えるように組み合わせ、光の当たり方で「表情」が変わります。

 

通常のシボは2~3パターンのところ、6~7パターンを使用。

パーツメーカーと、長めの時間をかけて決定した「チャレンジングな選択」となりました。

 

実車を見に来る人たちの多くが、このパーツを見るのが目的だったようです(笑)。

 

メーターカバー、ラジエーターシュラウドにも、同様の処理を採用。

 

ウチは2輪も「小・少・軽・短・美」ですから、と説明したのはカラーデザイナーの前田氏。

これはスズキ アルトのプレゼンで使った表現で「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」の略。

 

個性的な処理を施しながら、無塗装で軽量化とコストダウンを実現した、素晴らしいフィニッシュ。

デザイナー自身から説明を聞けたことによって、その「想い」が多くの人に伝わったと感じました。

ぜひ、実車で確認してみて下さい!

 

  • カワサキ Z650RS

カワサキ Z650RS

テーマ 「引き付ける色」と「引き立てる色」

 

Z650RSは、往年の名車 Z650 (1976年発売。 通称 ザッパー)をモチーフとして、現代的に再現。

軽量、コンパクトで扱いやすい「レトロスポーツモデル」として、幅広いユーザー層へアプローチ。

 

モデル特性・スタイリングで、多くのユーザーに受け入れられるモデルとして開発。

「CMFデザインの力で個性を描き分け、印象もターゲットも大きく異なる2種類」のカラーを設定。

 

「引き付ける色」の「キャンディエメラルドグリーン」は、新規開発の専用色。

トラディショナルなシルエットに、Z650でも設定のあったグリーンを採用。

 

「引き立てる色」の「メタリックムーンダストグレー×エボニー」は既存色を活用。

モダンでカジュアルな、ファッションに「スッとハマる」カラーとグラフィックで、若年層にアピール。

 

グリーンは、ベテランライダーに向けたアプローチとして設定。

カラーの調合は、Z650のカラーサンプルを参考に決定。

 

グレーのタンクグラフィックは、エボニー(ブラック)のデカールを使用。

両車は、ヘッドライトリング、メーターリング、ラジエーターシュラウドなどの機能部品のカラーも変更。

 

グリーンは、ホイールのゴールドも新規の開発色を採用。

 

Z650は、シルバーメッキのリム+スポークホイールでした。

Z650RSは、Z650の「カスタム車」の多くが装着した「ゴールドのキャストホイール」をイメージ。

 

グレーは、タンクと同じグラフィックをホイールに採用。

 

グレーは、2022年11月のチェンジでグラフィックの「オレンジ」を「グリーン」に変更して発売。

(グリーンは継続で販売。)

 

カラーにおいての「年度ごとの変更」に関しては「新規性をキープする戦略」とのことです。

 

発売後のグレーとグリーンの販売比率は「半々」だったとのことです。

「ターゲットどおりには、なかなか売れませんよ(笑)。」とは、カラーデザイナーの久嶋氏。

 

特に2022年の販売比率に関しては、特別な事情がありました・・。

 

Z650RS 50th アニバーサリー

 

2022年の販売は、特別限定車「ファイヤーボール」カラーが「ぶっちぎり」だったそうです(笑)。

 

  • ホンダ HAWK11

ホンダ HAWK11

テーマ 「Silence & Intense」

 

「One Special day : たまにしか乗れない でもその日を最高の一日にしてくれる存在」をカラーで表現。

 

週末にワインディングを駆け抜ける、半日ツーリングへ。

バイクを停めた静寂の時、周囲の景色がタンクに映り込み、深い陰影を作って「余韻を補完」。

 

そんな情景をイメージし、日常から解き放たれて「素の自分」を取り戻す時に、傍らに寄り添う存在に。

「その人が力強く前に進むためのパワー」と成る存在を目指して、CMFを設計。

 

HAWK11は「限定したターゲットへ向けたプロジェクト」として「日本市場限定」で発売。

「オマージュ」や「比較」を好まない「ピュアなユーザー」への「異端」な企画。

通常とは異なる開発工程を経て誕生し、少量生産で手間暇をかけて造り込まれたモデル。

 

大量生産とは異なる製法の「FRP製ロケットカウル」は「ス」が入るなど問題を発生しながらも克服。

 

深い陰影を作る「パール ホークスアイ ブルー」は、ゴールドウイングなどで採用されたカラー。

このカラーの選択は、結果として「ホーク」繋がりになりました(笑)。

 

カラーデザイナーの桂川氏は「ヘッドライト左右のカウル曲面への映り込み」がお気に入りポイント。

 

 2トーンカラーのカウルから、後方へ繋がる「水平ライン」もアピールポイント。

 

HAWK11は「特別賞」を受賞!ホンダの二輪車では初の特別賞となりました。

 

グランプリは「ダイハツ ハイゼットトラック」が受賞!

テーマ 「CMFの力で”はたらく”をもっと楽しく、快適に!」

 

担当デザイナー 里舘氏と、ハイゼットトラック(アイスグリーン)。

 

オートカラーアウォード2022 結果発表

 

今回も、それぞれのカラーへの想いを「もっと聞きたい!」と思いました!

 

 

 

制作・協力

(取材協力)

一般社団法人日本流行色協会

 

(写真・文)

森井智之

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