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オートカラーアウォード 2023 ノミネートバイク レポート!
- おすすめコラム
- 2023.12.18
2023年12月12日(火)~13日(水)に開催された「オートカラーアウォード 2023」のレポートです!
オートカラーアウォード 2023が、2023年12月12日(火)~13日(水)に開催されました。
一般社団法人日本流行色協会(JAFCA・ジャフカ)が主催。
バイク、クルマの企画や発想、全体との調和など、内外装すべてのカラーデザインを評価するイベント。
1998年から年に1回、優れたモビリティのカラーデザインを顕彰する制度として実施されています。
JAFCAは今年、創立70周年となりました。
12日に、カラーデザイナーによるプレゼンテーションを会場&配信で実施。
各メーカーが会場に集まってのプレゼンは、4年振りとなります。
13日に、グランプリ発表&表彰式が行われました。
会場は、東京都江東区 東京国際交流館プラザ平成。両日ともに、敷地内に車両を展示。
実車を前にカラーデザイナーから込めた想いを直接聞ける、貴重な場となっています。
今年は、バイクメーカーではホンダ、カワサキ、ヤマハが参加しました。
ヤンマー YT5114R
建設機械の展示は都心ではあまり見られない光景ですので、存在感が抜群でした!
バイクのノミネート車両と、デザイナーのインタビューをレポートします!
(以下の「CMFG」は、C=カラー、M=マテリアル、F=フィニッシュ、G=グラフィック。)
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ホンダ ダックス125はグレーでノミネート!
ホンダ ダックス125 パールカデットグレー
初代DAX(1969)の販売終了(2003)から20年の時を経て、特徴を引き継いだ ダックス125。
2022年9月の発売開始以来、高い人気を誇るモデルです。
タイやEUなどでも販売するグローバルモデルながら、売れ行きでは日本がダントツとのことです。
DAXは、ベテランライダーが「初めて乗ったバイク」として記憶に残る一台でもあります(実は、私も)。
開発キーワードは「ファミリー&レジャー スニーカー」。
「家族の一員として愛され、すれ違う人までも笑顔にするハッピーな一匹」として開発。
最大の特徴は「T字型鋼板バックボーンフレーム」を採用したスタイリング。
鋼板プレスフレームの採用で「マテリアルの持つ素材感」+「本物の機能美」を表現。
「アップマフラー」「丸形の灯火器」も、オリジナルDAXからのアイコンとして継承。
家族からは「かわいい」、ユーザーからは「かっこいい」を目指しました。
グレーは、若いユーザーに向けたモダンでニュートラルなカラー。
「パールネビュラレッド」を、往年のDAXをイメージするヘリテージカラーとして設定。
タンクではなく、フレームのカラーをエクステリアカラーとする、数少ないバイクの一台です。
販売比率は、グレー60%、レッド40%。メーカーの予想に反してグレーが多数派に。
この中にはベテランライダー向けのレッドが「ちょっと派手」とのことで、グレーを選ぶケースも。
そこで(?)新たに、2023年12月14日(木)より「パールグリッターリングブルー」を追加で発売。
車名ロゴと首輪グラフィック、ダックスマークは、クリアコートなしでの貼り付け。
これは剝がすのを容易にして、塗装面を自由にカスタム出来るようにした配慮です。
ダックス125は、見て楽しい、乗って楽しいレジャーバイク。
バイク乗り以外も引き寄せるデザインは、今後もカラーバリエーションの展開を期待させます!
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カワサキは新型ハイブリッドモデル!
カワサキ Ninja 7 Hybrid メタリックブライトシルバー / メタリックマットライムグリーン
次世代を担う HEVモーターサイクルとして誕生した Ninja 7 Hybrid。
「変化する環境」に対応し「カワる、サキへ。」をテーマに開発。
「ワクワクさせる、新たな挑戦」を具現化。
世界初のストロングハイブリッド モーターサイクル。
451cc水冷並列2気筒エンジン、トラクションモーター、大容量の駆動用バッテリーを搭載。
700ccクラスのパワーから車名に「7」を表記。250cc並みの燃費を実現。
今までにない先進機能を多数搭載。高い環境性能とカワサキらしい操る悦びを兼備。
「電動車」という新しいタイプながら「Ninja」という伝統のブランドで親しみやすさをアピール。
現時点で発売時期、販売価格は未定です。
ハイブリッドはEV「Ninja e-1」の航続距離などを補完し、走りを楽しむためのモデルとして設定。
「スポーツハイブリッド」「エコハイブリッド」「EV」の、3つのドライブモードを選択可能。
スポーツハイブリッドでは、任意で最大15秒間モーターがアシストする「eブースト機能」が利用可能。
EVモードでは、電気モーターのみで走行が可能。
「カワサキのグリーン」は、タイプ別に使い分けをしています(左から)。
「ライムグリーン」=レース
「キャンディライムグリーン」=スポーツ
「エメラルドブレイズドグリーン」=ツアラー
今回「メタリックマットライムグリーン」を、新たなグリーンとして開発。
より「未来」や「テクノロジー」を感じられる、高輝度で高彩度な色味です。
初めてのハイブリッドモデルとして「Ninja」だけど「ちょっと違う」を意識した配色。
グリーンを、アンダーカウルからシートカウル後方へのラインに使用。
(アンダーカウル周辺は、左右非対称の形状&配色。)
タンクなどにも入るストライプ状のグリーンで「電気の流れ」を表現。
メインカラーの「メタリックブライトシルバー」とのコンビで「電動車」のイメージを完成。
サイドカバーには、スモークの「半透明樹脂パーツ」をアクセントとして配置。
表面にひし形、裏面に六角形の模様を入れて奥行き感を表現。
これは、ハイブリッドモデルの「特別装備(バッテリーなど)」を想像させる演出です。
ジャパンモビリティショーでは回転テーブルの上で回っていて、目線が上に行く展示でした。
今回改めて左ステップ側を覗くと「シフトレバー」が見当たりませんので、理由を聞いてみました。
Ninja 7 Hybridは、基本的にオートマチックで変速して走行。
任意で変速できる「6速ボタンシフトミッション機構」を、左グリップ部に配置(グレーのボタン)。
モード切り替えなどのスイッチの中に「WALK」もあり、スロットルを奥に回すとリバース走行が可能。
詳細の正式発表はこれからなので、パワーユニット機構や乗り味が非常に気になるモデルです。
カワサキ ノスリス(noslisu)
特徴的なデザインの、3輪型電動ビークルもノミネート。
電動アシスト自転車(前)は、軽快で明るい気分にさせる「ウララブルー」。
フル電動のノスリス eは、ゆったりとした上品さを感じさせる「メタリックスパークリングゴールド」。
これも「ちょっと乗ってみたくなる」デザイン&カラーです!
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ヤマハはレースイメージの特別カラー!
ヤマハ YZF-R7 ヤマハファクトリーレーシングブルー
YZF-R7に、ファクトリーレースカラーの別売「外装セット」を装着(限定50台。受注期間終了)。
国内最高峰の二輪ロードレース JSB1000で、中須賀克行選手が今年12度目のチャンピオンを獲得。
外装セットは、ファクトリーレースマシン YZF-R1のカラーリングをモチーフにデザイン。
テーマは「ファンと共創するCMFG」。
既定カラーは不特定多数が対象ながら、外装セットはターゲットを設定したアグレッシブな仕上がり。
R7ファンかつレースファンの期待にこたえる想いから「ユーザーとの共創」により製作。
ヤマハ史上最高彩度のレース専用「メタリックブルー」を、市販車で初めて採用。
よりエモーショナルなカラーとすべく約10%彩度を向上。レースとのシナジーを得た特別なカラーです。
MotoGPマシン YZR-M1の「ディープブルー」と、活気ある明るいブルーでコントラストを演出。
カウリングには、新規開発でモビリティ業界量産初の「基材レスグラフィック」を採用。
文字は「貼った感」のない、直接印刷されたかのような仕上がり。
さらにクリアのオーバーコート処理で「文字の角丸加工」を施さない、シャープな仕上がりを実現。
YZF-R7は、2022年ヤマハ・大型二輪の国内販売台数でナンバーワンを獲得!
アッパーカウル上面左右のホワイトラインは、レースで他車との差別化を高めるために配置。
レース現場の環境をよく知る、中須賀選手の要望により配色されました。
タンクカバー上面のグラフィックは、跨った時に視線に入る位置。これはユーザーの要望を反映。
前後のドライブレコーダー映像とGPSラップタイマーで、サーキット走行の検証が可能。
外装セットには特別感を演出する、シリアルナンバー入り「ホログラムエンブレム」が付属。
デザイナーのこだわりは、サイドの「ホワイトライン」。
遠くからでも目を引く、ハイコントラストグラフィックです。
曲面のカウル形状ながら、横から見ると直線に見えるように工夫されています。
展示車両をよく見ると、多数のアフターパーツを装着しているのが分かります。
カウル、マフラー、サスペンションなど、パーツ代は車両価格(1,054,900円 税込)の1.5倍相当!
思わず跨りたくなる、素晴らしい仕上がりでした!
ヤマハ発動機株式会社は「特別賞」を受賞!
プレゼンターの土屋さおり氏(右)と、田口郁也氏。
グランプリは、本田技研工業株式会社のN-BOX(オータムイエローパール)。
プレゼンターの松村美月氏。
今回も、カラーに関するさまざまな話が聞けて、たいへん興味深いイベントでした!
(取材協力)
一般社団法人日本流行色協会
(写真・文)
森井智之