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人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA イベントレポート Part 1

  • おすすめコラム
  • 2025.06.04

これからのバイクは、一体どうなっていくのでしょうか―――バイクの未来を感じるイベントレポートです!

2025年5月21日(水)~23日(金)に開催された「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」。

このイベントは、公益社団法人 自動車技術会が主催。会場は、神奈川県のパシフィコ横浜。

二輪車関係製品の展示と、注目の展示をレポートします。

出展社数550社以上・小間数1,460小間以上の大規模イベント。

今年のテーマは「新技術との融合で、モビリティの未来へ」。

イベントは横浜会場での展示に加え、オンライン展示会も開催。

横浜会場は最先端技術と車両が一堂に会し、特別展示や出展ブースなど多彩なコンテンツを用意。

来場者は自動車関連メーカー勤務者や学生などに加え、自動車技術に興味がある一般の人も入場が可能。

3日間合計で、約8万人が来場しました。(入場無料。事前登録制)

 

  • ホンダ ブース!

ホンダ ブース

NC750X デュアルクラッチトランスミッション(DCT)

フロントまわりなど一部外観の変更と装備充実を実施して、2025年2月10日(月)に発売。

バイオ由来エンジニアリングプラスチック「デュラビオ(DURABIO)」を外装の一部に採用。

センターカウル、ミドルカウルなどのグリーン(カーキ)のカラー部とウィンドスクリーンで使っています。

デュラビオの特徴は、高い耐候性と耐傷つき性。スクリーンは、黄ばみにくい&ハードコート不要。

塗装レス外装カバーは、光沢のある高い外観性を実現。塗装工程がなくなることで環境影響に配慮。

従来のABS樹脂部品では成型後に塗装を施しているので、深いキズがつくと下地が見えました。

デュラビオは素材に色がついているので、キズがついても目立ちにくいのが大きなポイントです。

今後は、ライダーがキズつけやすいところ(スクーターのレッグスペースまわりなど)での採用に期待です。
 

ラゲッジボックスには、四輪バンパーリサイクルPPを採用。

従来二輪車では使用していない、バンパーリサイクル材を最適化。

四輪の廃棄バンパーを回収・粉砕し、塗膜剝離・リペレット後、部品として成形。

外装のブラック樹脂パーツ各部にも、リサイクルプラを適用。
 

新設計の前後ホイールは、再生アルミ材で製造。

全てのリサイクル材は、ホンダの厳しい社内基準をクリアしています。

 

  • 材料&部品メーカー!

三菱ケミカル ブース
同社が製造するデュラビオを採用した、ホンダ NC750X DCTのウィンドスクリーン&外装カバーを展示。
グリーン(アースカーキ)の外装カラーは、日本では未発売(海外向け)。
今回は特別展示ですが、ちょっと気になるカラーです。
国内仕様のNC750X DCTは、ブラック(エコブラックR)で、デュラビオが採用されています。
 

ペレット型のデュラビオを使って3Dプリンターで造形した器を、大阪・関西万博で展示。
造形性の良さと造形後そのまま使える実用性能が、多くの来場者の注目を集めているそうです。
 

ASTI ブース
ホンダ モバイルパワーパックe: 用充電器(左)。
電動二輪車の動力用電源である、モバイルパワーパック e: 用の充電器をインドで製造。

ホンダは、春のEVバイクデビューキャンペーンを実施中。
HondaGO会員を対象に、電動二輪 EM1 e: の8時間レンタルクーポンをプレゼント。
クーポン利用後にEM1 e: を成約すると、先着500名限定で車両価格の半額(78,100円 税込)を提供。
2025年9月1日までの期間限定。詳細はキャンペーン告知ページから!。
https://www.honda.co.jp/HMJ/campaign/EM1e_debut/

 

日本製鉄 ブース
チタン製二輪燃料タンク(右)
成形性に優れた純チタンを用いて、プレス成型で二輪燃料タンクを加工。
鉄鋼と同じ金型・溶接機を用いて、アルミ・樹脂より軽量化を実現。
 

東京アールアンドデー ブース
過去に開発した電動2輪車2台を展示。
ES600(1983)(左)
中部電力、九州電力、東京アールアンドデーの3社で共同開発。
日本で初めて型式認定を受け市販された2輪電気スクーター。
ELE-ZOO(2003)
原付一種クラス電気スクーター。市販スクーターの車体を利用。2009年に30台をリース販売。
 

日本精機 ブース
二輪車用メーターで、グローバルシェア30%以上の世界No.1メーカー。
最新の7インチTFTディスプレイ を展示。ホンダ ACTIVA e: (左)、ヤマハ TRACER 9。
 

スマートフォンマウントメータコンセプト
利便性を考慮した、スマートフォン取付け型メータのコンセプトモデル。
後付け感のないマウントによる、スタイリッシュなデザインを提案。
メータ部に直接スマートフォンを装着しながら連携機能を持たず、安価で手軽に使用が可能。
振動に考慮した構造。無線給電機能。透明カバー装着で防水&盗難防止機能を追加。
スマートフォンのカメラでドライブレコーダー機能を使用できます。
 

2輪車用のスピード、シフトポジション、燃料レベルなどの各種センサーを展示。
クイックシフター、IMUと、開発中のモーターアングルセンサーも。

 

  • 歴代モデルのメーター展示!

1945年創業の日本精機は、12月に80周年を迎えます。
その記念に1950年代から現在に至る製品を歴代順に展示。2輪車用メーターを紹介します。

ホンダ スーパーカブ(1960年頃)、ホンダ ベンリィ(1960年頃)
速度計(スピードメーター)と総走行距離の積算計(オドメーター)のみのシンプルなレイアウト。
スーパーカブ用は、表示が9,999kmを超えると0kmにリセット。
 

スズキ T20(1965年~)
エンジンの回転計(タコメーター)をプラス。オドメーターがタテ配列の珍しいレイアウト。
 

ホンダ CB350(1968年~)
区間走行距離計(トリップメーター)を装備。スピードメーターとタコメーターが独立した2眼タイプ。
 

スズキ TS250(1970年頃)
タコメーター内にニュートラル、ハイビーム、ウインカーの状態を示す表示灯を内蔵。
 

ヤマハ パッソル(1977年~)、ヤマハ チャンプ(1984年~)
パッソルは原付一種クラスの低価格スクーターとして登場で、スピードのみを表示。
同クラスのチャンプは、便利な燃料計を装備。
 

ヤマハ FZ400(1997年~)
注目は、80km/h以上で表示が変わるスピードメーターと、80km/hを超過すると点灯する「速度警告灯」。
これらは、高速道路におけるバイクの制限速度が80km/hだった時代の装備。
 
ホンダ ACTIVA e:
アクティバ e: は、2024年11月に発表された電動二輪パーソナルコミューター(インド専用モデル)。
昨今は、大画面の液晶に各種情報を表示することが増えてきました。
これは、メーターに表示する情報が格段に増えたことに対応するための変化とのこと。
針式の歴代メーター展示には多数の来場者が足を止めて、時間をかけて見ていたのが印象的でした。
 

本田技研工業株式会社 JASE企画展示ブース
歩行者保護性能を考慮した車両デザイン検討のための自然言語駆動型3Dモデル生成技術
自動車のフロントまわりデザイン検討段階おいて、生成AIを活用するシステムを紹介。
複雑化する現代の自動車開発で必要な要件をAIに伝えて、会話形式で3Dデザイン形状を作成。
 

デザインコンセプト提案をもとに、会議では性能を満足する確認・デザイン変更を同時に実施。
AIとの対話で形状を変えて、欲しいデザインを探すことも可能。
 

本田技研工業株式会社 片桐章彦氏(デジタル統括部)から、システム開発のお話が聞けました。
AI分野の国際会議で、ホンダの会議形態「ワイガヤ文化」に着想を得たシステムの研究論文を4月に発表。
複数のAIに専門性を与えて議論させ、課題解決を行う「マルチエージェント型AIシステム」を提案。
今後は各分野の専門エンジニアによる議論にAIが加わり、より迅速で革新的な開発プロセスの実現を期待。

カーデザインでのAI活用に、急速に進化する現代の技術を感じる展示が印象的でした。
イベントで開発の現場で活躍する技術者の方たちから、直接お話が聞けるのが大きな魅力のひとつです。

次回は、ヤマハ ブースを紹介します。
 

制作・協力

(取材協力)
公益社団法人 自動車技術会

(写真・文)
森井智之

 

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