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【バイク×ライダーハウス】再び気持ちよく訪れられるように

  • おすすめコラム
  • 2019.05.01

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】Vol37。今回は素敵なライダー想いのライダーハウス記事になっております。車両や備品の置き場等にも気を使われていて宿泊しやすそうですね。

  • ライハというよりゲストハウス

伊豆スカイライン冷川IC近くにBikePack=バイクパックというライダーハウスがあります。ライダーハウスと言えば、寝袋を持ち込んで相部屋で過ごす簡易宿泊所だと認識していましたが、近年はゲストハウスまたはプチペンション的なスタイルが定番化してきたように思います。バイクパックの場合は、B&B形式に近しい気もしますが、事前に頼んでおけば夕食にもありつけるため、やはりゲストハウス的だと思います。



あえて日本流に言えば民宿にあたると思いますが、料金形態から見るとゲストハウスかな?と。まぁそんな形式ばった話はともかく、安価に泊れるライダー向けのキレイな簡易宿泊施設だと思っていただければ、イメージしやすいのかな?



敷地入り口にある看板。かなり遠くからでも認識しやすいです。



以前、オーナーは別の商売をされていたのですが、その店にあった看板の文言に再び出会えるとは!個人的には当時の事を思い出し、懐かしい気分になりました。



上段はヘルメット置き場、下段は下駄箱です。このサイズ設定がいかにもライダー向けだと思います。


パニアケース類のないオートバイなら10台くらいは楽に収容できるガレージ。他の宿泊客と共用スペースになるので、気配り&思いやりの停め方が宿に対する礼儀にもなると思います。

  • 親戚の家に遊びに来た感覚

食堂兼談話室に入ると、昭和時代のライダーハウスイメージはなく、あえて言うならペンション的。ツーリングで訪れた人同士が、身分や上下関係なく、礼節をもっておしゃべりを楽しめる場です。大きなガラス戸の向こうに伊豆スカイラインが見えます。のどかな風景を眺めながらコーヒーをいただくという至福の時間も楽しめますね。

大きめの掘りごたつは食卓も兼ねています。オーナー夫妻の真心を感じる家族料理に舌鼓を打ちつつ、飲酒はたしなむ程度に・・・が良いと思います。



すでに先客が!?と思ったら、無給の従業員でした。オーナーのお茶目な一面が表れています。


購入可能な昔ながらのおもちゃ。アメリカ1周武者修行をしている最中に訪れたテキサス郊外のカフェを思い出しました。向こうではハンドガン+実弾で遠くに置かれたフライパンやマグカップを撃ちました。旅人の暇つぶしに丁度いいのかもしれません。



廊下の壁に展示されていた鉛筆画。細かなディテールも見事に描かれており、ひたすら感心しきりです。


客室は全4部屋とのことで、国内4メーカーの部屋名が付けられています。乗っていくオートバイのメーカーと同じ部屋でなくてもOK!


寝床は2段ベッド×2=最大で一部屋4名が宿泊できます。僕は子供のころから寝台特急やカーフェリーに親しんできたので、むしろこのスタイルだと熟睡できそうな気がします。もちろん、見知らぬ男女が同じ部屋になることはなく、女性のソロツーリングでも安心して利用できますね。

  • ツーリング慣れしているロングライダーほど話が合う

オーナーの柏崎氏とは、思い起こせば20年来の知人関係です。僕が伊豆に移住してきた当時、暇さえあれば柏崎氏が営むお店にオートバイを走らせ、コーヒーを飲みつつ語らったひと時を懐かしく思います。今も柏崎節は変わらず。他を思いやりつつ危めない、自己責任において楽しめる範囲を熟知しているロングライダーだからこそ、語れるエピソードが多いスマートかつ渋いライダー。その当時も思いましたが、僕もそんなライダーになれたらいいなと、改めて思い知らされた感があります。


顎髭をたくわえ大人の渋さ満点の柏崎オーナー。しかし、僕は案外お茶目な人だと思っています。スマートで素敵なオーナー夫妻が営む宿。マナー良く利用すれば、また訪れやすいと思います。

関連リンク

中伊豆ライダーハウスBikePack

http://bike89.com/



【いつでも、いつまでも訪れられる場所はライダー次第】

柏崎氏とのおしゃべりの中で、ライダーのマナーが話題となりました。訊けば、バイクパックから至近の伊豆スカイラインを通過するオートバイに、一部ではあるけれど爆音を立てて走る者がいるとのこと。近くには住宅や医療機関があり、その騒音に対して迷惑に思っている人は少なくないそうです。人が住んでいるだろう場所、音が反響しやすい場所では、静かに走ることを意識するのが良いと思います。


3月24日、アネスト岩田ターンパイク箱根・大観山駐車場にて、二輪車の事故防止啓発&安全利用の啓蒙活動を実施。訪れるライダーの皆様に、二輪車にまつわる社会問題のチラシを配りつつ、人のいる場所ではエンジン回転数を下げめで行きましょう!と声掛けさせていただきました。



現在も全国500か所以上で実施されている二輪車の通行規制。規制の原因は様々ですが、その中に二輪車の騒音問題があります。騒音の原因は、マフラーの構造とエンジン回転数にあることは、ライダーなら容易に想像できることでしょう。僕の所有しているオートバイで言えば、道路運送車両法およびその保安基準に適合する仕様となっていますが、エンジン回転数を7000回転以上に高めれば、それなりに大きな音を発生させます。ライダー同士は排気音量についていわゆる一般の人々より寛容であると思いますが、未就学児から高齢者まで、一般的な社会生活を営む地域住民という観点に立てば、生活音とは比較にならない異質かつ大きな音だと思われるでしょう。それが昨今の通行規制につながっているわけで、住民がいる場所や人々が集まる場所では、空ぶかしを控えてエンジン回転数を上げ過ぎないことが、形骸化している通行規制の解除を含めた二輪車ユーザーの利用環境改善&社会との親和性向上につながると思います。


天気が良ければ乗り出したくなるのがオートバイ乗りの人情。この日は、路面状況があまり良くなかったにもかかわらず、多くのライダーが大観山駐車場まで上がっていました。オートバイのスタイルや乗り方はそれこそ十人十色ですが、いつでも走りに行ける場所や再び訪れられる場所は、皆の少しの気遣いで守っていけると思います。

制作・協力

■ライター:KAZU中西

文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。

現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有

プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。

オートバイ以外の趣味はモーターボート。


バイクの窓口事務局

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