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【バイクギア】小さなことで大きな効果

  • おすすめコラム
  • 2019.05.04

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】Vol38。今回はギアについて。シューズとプレートフックについて語っています。ライダーにとって少し気になる部分の工夫が垣間見えますね!

  • 意外に気になる出先での使い勝手

街乗りやサーキット走行では全く気にならないことでも、ツーリングシーンになると「もう少しよくなれば」と思うことがあります。例えばツーリングバッグの積載性。リアシートやキャリアに載せる際、バンジーコードやストラップを使うと思いますが、ボディに擦り傷をつけないようにしたいです。しかし、車両によってはボディ形状から保護フィルムでガードしなければならず、スタイリングや見栄えにこだわる人にとっては、保護フィルムすら使いたくないわけで、なんとも難しい問題だなと思っています。また、出先で訪れた店が土足厳禁の場合、ライディングシューズまたはブーツの脱ぎ履きにもたついてしまうことがあります。もっとスマートにこなせれば良いのですが、シューズやブーツの構造から叶わない物もありますね。逆にいえば、僕はそんな観点で用品選びをしています。


昨年、バイクのふるさと浜松にて、その存在を知ったエルフ・シンテーゼ16。毎日履きたくなるライディングスニーカーをコンセプトとしており、軽量かつ使い勝手が良いと説明を受けました。ならば!と僕が選んだのは、レッドカラーのシンテーゼ16。今シーズンに向けて、試し履きしてみました。


革新的なイクイップメントとして採用されているBOAシステムIP1。ダイヤルを引き上げれば紐のテンションをクイックに解除できます。土足厳禁の店や座敷に上がる店などで、スマートに靴を脱げますね。


BOAシステムIP1は、ダイヤルを押し込んだ状態で進行方向に回せば紐が締まり、逆方向に回せば緩むという機構です。つまり、締め過ぎた→即解除してやり直しとはならず、締めあげつつ微調整ができるというわけです。ライディング準備がスマートになりますね。


TPU素材をシフトガードとアンクルガードに採用。どうしても傷みやすい場所に剛性・質感・耐久性の高い素材を使うという考えは、メーカーがライダー本位であることの証明。


ソールは防滑・耐油仕様のラバー+EVA構造。上面は日本製人工皮革Clarinoを採用し、柔らかくピッタリフィットを実現。おかげでシフトワークもバッチリ決まります。

関連リンク

エルフフットウェア

https://www.elf-footwear.jp/

  • カスタムの旬は使い勝手の向上

先日、台湾のライダーとおしゃべりしていて、こんなオートバイ事情を話してくれました。「オートバイ人気は高まっています。若者男子はカッコいいオートバイか乗用車を持っている人がモテます。規制の都合はあるけれど、速いオートバイが人気です」ムムム、どこかで聞いたような話…というか、日本の80年代そのままじゃあないですか!ならば、今後はネイキッドブームが来て、クルーザーやスカチューン、ビッグスクーターが流行り、ミニバイクレース熱が再燃しますね。「そうなんですか?何故わかる?」ええ、日本のオートバイ文化がそんな流れでしたので。ただし、それにはユーザーにとって良い事、悪いこともありましたので、日本のオートバイ史を参考に、少なくとも悪くならないように発展してもらいたいと思います。かく言う日本のオートバイユーザー事情は、それこそ20年、30年前とは、かなり変わってきたと思われます。80年代までにあった他車流用カスタムは、ボルトオンパーツによるカスタムに変わり、エンジン性能やスピードアップなどパフォーマンスアップを目的としたカスタムから、街乗りやツーリングシーンにおいて使い勝手を向上させる微カスタムへと推移しているらしいです。それだけ、オートバイの基本性能が究極レベルに高まっていると言えるでしょう。僕は83年に免許を取りライダーの仲間入りを果たしましたが、流行のストライクゾーンは外さないように心掛けているので、昔は良かった系の考えで押し通すという無粋な真似はしません。だからなのかもしれませんが、どこへ行っても老若男女問わず、ライダーが話しかけてくれます。話題は「そのアイデア、良いよね!」というプチカスタム。現代は、スーパースポーツモデルでもフル満載でキャンプツーリングを楽しむ人も少なくないようですから、積載性も含めた利便性の向上、使い勝手の良さが、より求められていくように思います。


僕にとって、絶版車だから遠出はしない!とか、業務に使わない!という考えは一ミリもないです。煙管用の煙草葉を買いに行くだけでもZ2を出します。なので、積載性はとても重要なのですが、昔ながらのバンジーコードやツーリングネットはあまり使わなくなりました。現代は、収納性とフィッティングの良いツーリングバッグが豊富にありますからね。


カメラ機材の収納運搬から、キャンプツーリングに至るまで、とても便利で使い勝手の良いタナックスのフィールドシートバッグ。これで何個目?と思い出せないほど、20年近く愛用しています。その間、オートバイは何度も買い替えているわけですが、フィールドシートバッグは、ほとんどのオートバイに難なく積載できます。しかし、Z2に関してはストラップの取り回し方に難あり。これはバッグ側の問題ではなく、車体側でクリアしなければならないことです。その難点とは、ノーマルに後ろ側のストラップを縛る場所が無い。これまではグラブバーにぐるぐる巻きして、何とかやり過ごしていましたが、収まり感としてはスマートじゃあない。早速タナックスへ行き、その旨を相談。では、色々試してみましょう!となり、プレートフックを装着してみました。これで後ろ側ストラップがしっかりと機能するようになりますが、テールカウルとのクリアランスが心配。


プレートフックにて、側面から見た収まり感はかなり良くなりました。でも、やはりテールカウルとストラップの擦れが心配。

  • プレートフック3だとこうなる!

次に試したのはプレートフック3。テールランプハウジングと接触するので、プレートフック3の上側中央部を接触しなくなる程度までカットオフすることにしました。いわゆる汎用品をつけるための小加工という手法で、80年代では当たり前のよう用いられていた作業です。


プレートフック3はプレートフックより僅かに張り出しているため、ストラップとテールカウルのクリアランスを確保できました。とはいえ、これは単に積んだだけの静的な状態。実際に走ってみて、接触傷ができないか?を確認しなければなりません。俗にいう人柱です(笑)でも、皆の参考になるのなら、値打ちのある検証です。


もう1点、タナックスの用品で何とかなるかもしれないと思った、バックミラーの視認性について相談。すると、この春よりスタートするミラーフィッティングARアプリ※にて、Z2に似合うミラーをチェック。Z2が新車販売されていた当時をイメージさせるトラッドミラーに決定!ミラーヘッドにステンレスを採用したメイドインジャパン。鏡面曲率R1000でワイドに見える。それまで装着していたミラーでは、2000回転以上でミラーブレが起こっていたが、トラッドミラーは僕のZ2だと共振点が上手くずれているようで、6000回転までの領域で僅かなブレこそあるが、200m以上後方にいる自動車の車種が判別できるほどよく見えた。これで、一つ問題解決。


※ミラーフィッティングARアプリとは。スマートフォン用アプリ「COCOAR2」と連動するナポレオン・バーチャルミラーフィッティングパッケージ。ミラーのパッケージ写真をスキャンすると、そのミラーのデータが読み込まれ、次に実車やプラモデル、車両の写真等がスマートフォンのモニターに出るようカメラレンズを向け、読み込み済みのミラーデータ画像を重ね合わせることで、装着した時の雰囲気を確認できる。


裏路地から高速道路まで、可能な限り右左折やカーブ走行、加減速も繰り返して、テールカウルとストラップのクリアランスが確保できているか?をチェック。タナックスの所在する流山市から伊豆市までの道中では、ストラップとテールカウルが擦れた痕跡は一つもなく、またまた問題解決。Z2の使い勝手がすこぶる向上した。


2019年の大阪&東京モーターサイクルショーにも出展していたタナックス。得意とするツーリングバッグ類や電子デバイスケースに新製品を続々と投入予定とか。今シーズンのキャンプツーリングが楽しみだ。

関連リンク

タナックス

https://www.tanax.co.jp/motorcycle/index.html

制作・協力

■ライター:KAZU中西

文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。

現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有

プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。

オートバイ以外の趣味はモーターボート。


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