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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第23回 スズキ・モードGT
- おすすめコラム
- 2017.03.27
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、悲劇のスクーター『スズキ・モードGT』です。
■スズキ・モードGT ■エンジン:空冷2ストピストンリードバルブ単気筒49cc
■最高出力:6.5ps(5.0 kw)/6500rpm ■0.72kg・m(7.1N・m)/6000rpm
1980年後半、バイクメーカー各社は次々とスクーターを発表。
バリエーションもどんどん増え、現在のバイクに続く流れが形成されていきました。
一方、悲しいことにひっそりと消えていったスクーターも数多く存在します。
その中から、今回は1987年にデビューした「スズキ・モードGT」をご紹介いたしましょう。
モードGTで目を引くのは、ホイールを深くカバーするスタイリッシュなエアロフォルムです。
コンセプトモデルのような装飾の少ない滑らかなデザインは
既存の、いや現在のモデルとは大きく印象が異なり、
今見てもとっても斬新。
性格的には、6.5psのハイパワーと50ccとしては大柄な車体を利した
上級GTスクーターという位置づけでした。
しかし、ハイエンドモデルゆえの高価格がネックになり販売は大苦戦。
でも各メーカーからも上級スクーターは発売されていたわけで、
翌1988年にホンダが発売した「リード50」はモードGTよりも高額でした。
となると、やはり不人気の原因は、進み過ぎたエアロフォルムにあったのかもしれませんね。
実際、当時でさえ路上で見かけることは珍しかった記憶があります。
渾身の一台だったのに売れなかった・・・という悲劇の意欲作だったモードGTは、
まさにこのコーナーにぴったりのバイクではないでしょうか。