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【遠藤イヅルの名車カタログ】第23回 ホンダ・VFR400R(NC30)
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- 2017.03.20
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車はNC30ことVFR400Rです。
■ホンダ・VFR400R(NC30) ■エンジン:4ストローク 水冷V型4気筒4バルブDOHC
■最高出力:43kW (59PS)/12,500rpm ■最大トルク:4.0kgf・m/10,000rpm
1979年に登場したレーサー「NR500」に端を発するV型4気筒エンジンは、
1982年に発売が開始された“VFシリーズ”のVF750FとVF400Fによって
市場にも投入されることになった。
53psを発生する水冷4スト398ccDOHCV4エンジンが搭載されたVF400Fは
スーパースポーツモデルとしての性格が与えられていたが、
ヤマハ・FZR400、スズキGSX−Rなど相次ぐ強力なライバルモデルの登場、
レーサーレプリカ時代の幕開けによって一気に劣勢に立たされてしまうことになった。
VT250Fによく似た外観も、
レーサーレプリカが持つスパルタンさが足りなかったのは事実だった。
そこでホンダは1986年、
ワークスレーサー「RVF」の技術やイメージを投影したVFR400R(NC21)を発表。
VF400Fの後継は晴れてレーサーレプリカへの変貌を遂げることとなった。
エンジンはチェーン駆動からカムギアトレーンに変更されるなど改良が施された結果、
フラットなトルク特性を持ちつつ最高出力は59ps/12500rpmに到達した。
1987年には早くも2代目(NC24)に移行、
リアサスに「プロアーム」と呼ばれる片持ちスイングアームを採用。
ステンレス製のエキパイとボディラインに沿って駆け上がるメッキマフラーによって
さらに精悍な外観となった。
そして1989年、3代目VFR400R(NC30)の発売が開始された。
ワークスレーサー「RVF750」の市販仕様そのものとも言えたVFR750R(RC30)の
400cc版ともいえる内容に進化したVFR400Rは、フレーム、ブレーキのほか
パワーユニットにも大幅に手が入れられ、額面馬力こそ59psのままながらも
ミッションのクロスレシオ化などによって発進加速を向上させる改良が行われていた。
レーサーレプリカながらも乗りやすさも兼ね備えていたNC30型は完成度が高く、
1989年における400ccクラスのベストセラーモデルとなった。