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【遠藤イヅルの名車カタログ】第24回 カワサキ・250TRバイソン(F8)
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- 2017.04.01
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車は知る人ぞ知る『カワサキ・250TRバイソン』です。現行の250TRの元となったトレールバイクですね。
■カワサキ・250TRバイソン(F8) ■エンジン:空冷2ストローク・ロータリーディスクバルブ単気筒247cc
■最高出力:23.5ps(17.0 kw)/6800rpm ■最大トルク:2.64kgm/6,000rpm
カワサキは1963年に「B8M」でモトクロス競技に初参戦、
そして1965年、同社初の市販トレールモデル85J1を発売した。
さらに1967年に120C2SS、1968年には250F4などを矢継ぎ早に登場させて
「カワサキのトレール車」のイメージを明確にしたのち、
いよいよ125TR「ボブキャット」、250TR「バイソン」、350TR「ビッグホーン」という
ラインナップを完成させることとなった。1970年のことである。
ロータリーディスクバルブを採用した2ストエンジンは
いずれのエンジンも各クラスのライバルを凌駕する強力なパワーとフラットなトルクを有し、
軽量な車体を凄まじい勢いで加速させた。
3兄弟の中核モデルだった250TR(F8)は、上位版350TR(F5)と同じ車体、
トレールとキャスタースプリングなどが3段階に調整出来る「ハッターフォーク」を持っていたが、
フロントタイヤが21インチから19インチに、ホイールリムの材質がアルミからスチールに
変更されているなど、細かな違いも存在した。
空冷2スト単気筒246ccエンジンは23.5psというパワフルなスペックを誇ったが、
ライバルのヤマハ・250DT1の数値18.5psと比べるとその馬力の高さがわかる。
1972年にはフルモデルチェンジが行われ250TRはF11型となった。
この際、エンジンはピストンリードバルブ式に変更されている。
出力は23.5psのままだが、トルクの発生回転数を下げたためにより中速域で乗りやすくなった。
同時期のカワサキのロードスポーツモデルのようなテールカウルが特徴だ。
なお、250TR(F8)は望月三起也氏のバイオレンスアクション漫画「ワイルド7」の紅一点、
本間ユキの最初の愛車として登場、劇中で活躍している。