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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第24回 ヤマハ・CZ125トレーシー
- おすすめコラム
- 2017.04.11
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は1983年に発売されたハイパワー原2スクーター『ヤマハ・CZ125トレーシー』です。
■ヤマハ・CZ125トレーシー ■エンジン:水冷2サイクル単気筒 123cc
■最大出力:16ps/7,000rpm ■最大トルク:1.7kg-m/6,500rpm
1980年代はスクーター百花繚乱の時代。
どんなモデルが売れるかという定番もまだ定まらず、
各メーカーは様々なスクーターを発売しています。
主婦向け、ヤング向け、男性向け、高級仕様、そして高性能版…。
その高性能スクーターの中に、ヤマハ・CZ125トレーシーがありました。
ズバリ、トレーシーは凄いスクーターでした。
エンジンは2ストの単気筒ながらも水冷で、
最高出力はなんと16ps。
ヤマハのトレールモデルDT125と同じパワーでした。
トルクに至っては勝っていたほどです。
高回転寄りにパワーバンドがあるという、およそスクーターらしくない
ピーキーなパワー特性を持っていました。
それでいて車重は97kg。
うっかりアクセルを大きく開けようものなら、
ウイリーしちゃうほどに速かった!
ラジエターを収めた大きなグリルを持つフロントカウルや、
SFチックなキャストホイール、
全体的にカクカクしたデザインが
いかにも80年代的なトレーシーは、
「なんでもあり」なあの時代ならではの過激なモデルだったのです。
…ただ、このバイク、速いのはいいのですが
ブレーキが貧弱で、とにかく停まらない。
そんなめちゃくちゃな設計や性格も、
これから先、二度と生まれ出ない乗り物の魅力なのかもしれません。