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【バイクメンテナンス】エンジンオイル交換
- おすすめコラム
- 2020.08.02
【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol97。今回はオイル交換について。オイル製造販売の世界を日々見聞きしているKAZUさんイチオシの高品位オイルとは?!
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入手しやすい高品位オイル
多種多様化が進むエンジンオイル。それだけニーズも幅広くなっているからだと僕は思っています。僕自身、これまで色んなエンジンオイルを使ってきました。100%化学合成、部分合成、鉱物、それぞれに秀でた特徴があって、コストパフォーマンスまで含めてこれぞ最高最強!という万能選手みたいなものが無いのも事実。どちらかといえば、使用するエンジンタイプと走行シチュエーションによって、最適だと思われるものを使い分けることになると思います。
デイトナが日本総代理店を務めるモトレックスは、スイス生まれの高性能モーターオイルブランド。近年ではKTMの純正指定にもなっていて、100余年の歴史は伊達じゃあない!僕の経験で言えば、VMAXやXJR1300にはパワーシント4T、GSX750SカタナやGPZ750Rはフォーミュラ4T、ゼファーや4ミニの街乗りシチュエーションではトップスピード4Tを使うことが多かったです。
現在、Z2にはウエマツ絶版車用もしくはオメガSP-2を使っていますが、僕の住んでいる地域環境だと近くに小売りしている店が無くて、ちょっと時間が出来たからオイル交換しようかな!という時に入手が難しいです。その観点で言えば、モトレックスはリーズナブルな価格で入手しやすい。品位品質的には、これまでにチェック済みだから安心。というわけで、今回はモトレックス・トップスピード4Tにオイル交換しちゃいます。
Z2の腹下=エンジン下部はこんな感じ。ドレンボルトの奥側にあるフィン付きの丸い蓋がオイルフィルター室カバーです。
フィルター交換無しでオイル交換する場合、ドレンボルトとフィルター室カバードレンボルトを外します。空冷Z系では鉄則かも。
今回使用するモトレックス・トップスピード4T。MC製法で分子が均一化された鉱物油。です。潤滑性能に優れ、シール材への攻撃性が低いことから、オイル滲みや漏れの心配が無いという仕様説明でしたが、かつてプロダクションレースにも使っていたゼファーにて、その仕様は確認済みです。粘度は10W-40をチョイス、Z2の場合は3.7Lを要するので、1Lボトルを4本用意しました。
オイルにこだわっている人なら、なるほど納得のJASO・MA2グレードです。旧車に安心とのことですが、Z2ではどうでしょうか?
モトレックスの1Lボトルは、このほどデザインが変わりました。サイドに目盛り付きの透明窓があり、残量も一目瞭然。実はこれがとってもありがたいのです。
目盛り付きのボトルなので、ダイレクトに注油可能。ジョッキに取り分けなくても良いから、微量なロスが少ない=使い切りやすいという利点もあります。
ボトルの目盛りでチェックしながら3.7Lを注油。ゲージもドンピシャの位置になっています。つまり、この目盛りはわりかし正確だということですね。
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消耗品というよりチューニングパーツとして機能している感
オイル交換を終えて、早速試乗にでかけてみました。フィーリングを語る上での比較対象は、これまで使ってきたウエマツ絶版車用オイル、オメガSP-2の同粘度になります。
先ず、真っ先に気づいたのは、メカニカルノイズの低減。これは新油であることを差し引いて考えても、かなり良い効果をもたらしていると思います。暖まり具合は他のオイルに比べて僅かに時間を要します。
次にギヤの入りやすさ。ウエマツ絶版車用とオメガSP-2は、柔らかく受け止める感ですが、モトレックス・トップスピード4Tはカチッとシフトして固定するという感覚。吹け上がりやパワー感については、他に遜色なくエンジンの仕様通りです。後は走行何キロくらいまで性能を維持できるか?ロングドライブに出る予定もあるので、その都度チェックしていきたいと思います。
Z2はガススタの通勤にも使っているので、雨の日も乗ります。従ってエンジン回りも濡れますから、オイル漏れや滲みがあれば直ぐに気付きます。交換後、約500kmを走りましたが、謳い文句通りの性能を発揮。オイル漏れや滲みは無いです。
ガススタに勤務して以来、これまで以上にオイルの勉強をする機会が増えました。おかげでメーカーリリースやサポートライダーからの情報だけでは知り得ない、より深いオイル製造販売の世界を日々見聞きしているのですが、そんな僕からしてもモトレックスブランドはかなり高品位だと言えます。何よりDIY派にとっては、入手のしやすさがありがたい。身近な高性能エンジンオイルだと思います。
■ライター:KAZU中西
フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング。