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【遠藤イヅルの名車カタログ】第28回 カワサキ・Z1-R
- おすすめコラム
- 2017.06.01
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車は、カワサキの旧車を代表する名車『Z1-R』のご紹介です。このデザイン、今でも本当にカッコいいですね!
■カワサキ・Z1-R ■エンジン:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
■最高出力:90ps/8,000 rpm ■最大トルク:8.7kg-m/7,000 rpm
1960年代後半から1970年代初期のカワサキの大排気量バイクは、
英国車に範を取った650ccビッグシングルの「W1」シリーズと
1971年に登場した脅威のナナハン2スト、「750SSマッハ」シリーズが
その役目を担っていた。
その頃ライバルのホンダは、1970年に4スト直4、4キャブレター、
4本出しマフラーを持つ「CB750FOUR」を発売しており、
バランスの良さ、完成度と総合的な性能の高さから
世界中で好調な売れ行きを示した。
カワサキはそれに対抗して1972年に同じ直4レイアウトで勝負をかけた
「Z900(Z1)」を北米で発売。
その後Z900、Z1000へと進化を遂げていったこのモデルは、
CB750を凌ぐ高性能と軽快さで海外におけるカワサキの人気をより一層
定着させることとなった。
Z1000ではその人気を裏付けるように様々な派生車種が登場した。
そのひとつが1978年の「Z1-R」だった。
Z1-Rではそれまでの曲線を多用したデザインから一転、
ビキニカウルと直線的な四角いボディが与えられたほか、
カワサキ初となるキャストホイール、
4into1のマフラー、黒く塗られたエンジン、
フロントにはZ1000より小径の18インチホイールが与えられて
カフェレーサー風のバイクとなった。
ルックスに負けないようエンジンもベースとなったZ1000の83psから
90psへとパワーアップが図られている。
カウル内にも燃料計が設けられたほか
ウインカースイッチには自動でスイッチをオフにする
オートキャンセラーが採用され、上昇した価格なりの装備を身につけていた。
Z1-Rは1979年にはZ1-R IIへとマイナーチェンジを行っているものの、
そのZ1-Rも1980〜1981年頃に姿を消してしまった。
だが、Z1-Rの伸びやかで鋭角的なスタイリングは、
その後のカワサキのバイクデザインの潮流となったのだった。